谷津干潟

 2月25日は、谷津干潟へ行ってきました。

 曇りでうすら寒く水辺に出かけるにはちょっとという天気でしたが、この日は「極北のハマシギを訪ねて三千里」と題した講演会があるというので背中を押されました。私が見た渡りのシギ類では一番初めに見たのがこのハマシギだったのです。

 一昨年行った宮城県の蕪栗沼でハマシギの姿を初めて見ました。その時レンジャーさんからアラスカから渡ってきているのだと聞き、よくも体長20センチほどしかないこの鳥ガ何千キロも離れたところから来ているんだと知って驚いたことも記憶に残っていました。

 この日は、2月がラムサール条約が締結されたことに因んだ最後のイベントとして計画されたようです。日本にいると、ハマシギは主に冬鳥として渡ってきているので、夏羽のハマシギを見たこともないし、増して繁殖地の場所やようすなどもわからないので、この日はアラスカやオホーツクでその様子を実際に見てこられた方々をお招きしての講演会ですごく楽しみにしていました。

 講演会の前に到着していたので、一通りセンターの広いガラス窓から干潟を見ていましたら、カメラを抱えた男性が、「トラが来てるよ~」と伝えに来てくれたので慌てて付いて行きました。干潟を取り囲む林の中です。観察小屋があってその小さな窓からのぞいてみました。

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 「トラ」と言われても本当は何が来ているかわかりませんでしたが、たぶん自分が知っているトラは、「トラツグミ」だったので、そう思っていきましたら、予想通りトラツグミでした。

 うちのベランダ前にも2月になって毎日やってきていた普通のツグミに比べてお腹の黒い三日月模様がとても濃くて一目でトラのようだと思いましたが、胸をそらした姿勢はツグミと同じでした。

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 写っていました!トラツグミが嘴を使って大きなミミズを捕食したところです。

 レンジャーさんが撮っていたビデオを後で見たら、地面のどこにミミズがいるのか体を揺らして地面からの感触を確かめている仕草が映っていたので、やたらほじくり返しているのではないんだと感心したものです。春一番も吹いたし、これからシベリアへ帰るまでにたくさん食べてエネルギーを蓄えておかねばならないのですからがんばっているのでしょう。

 

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 白いミミズではありません。うどんです。

 自分で弁当も持参して行ったのですが、ここのカフェで2月は、「ホンビノスうどん」とか「ホンビノスチャウダー」とかホンビノス貝を使ったメニューがあるのを知っていたので、スープ替わりに「ホンビノスうどん」を食べました。出汁は美味しいのですが、貝がたった1個というのはガッカリでした。貝と青のりのマッチングは春を感じさせます。

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 カフェの窓から淡水池が見渡せます。この日は、カモたちが泳いでいましたが、私が今まで実物を見たことがなかったカモが一種類いました。「ハシビロガモ」というカモです。なかなか色鮮やかなカモですが、嘴がほかのカモに比べると長くてびっくりです。これはオス、メスはほかのカモとたがわず茶色の目立たない体色です。

 今日は、ここらへんで続きはまたの機会に。

あれから

 病室から見えた夕焼けの富士山

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 12月の末からおよそ2か月が経ってしまいました。インターネットの接続業者を変えようとしたのが、12月の中旬。年末年始にかかってしまったために結局年明けの工事となったのに、団地の管理組合がシャフトの鍵が古くて開かないというトラブルが重なり、結局電話が開通したのが先週の木曜日。

 この間、それに加えて入院がありました。夏ごろからできていた脚の大腿部にできていた3cmほどのしこりが一向に消えていかないので、近所のかかりつけの皮膚科の医者に紹介状を書いてもらって病院を訪ねたのも12月。中を切り取ってみないと何ともいえないということで、年が明けてから手術をすることになりました。

 手術前の検査とカンファレンスが終わり、1月25日に入院、26日に手術でした。きれいに傷を治すには皮膚の移植といわれていましたが、今さらミニスカートをはくこともないだろうし、なるべく閉じただけにしてほしいとお願いし、その方向で手術をしてもらいました。土、日がかかっていたのもあり、退院は30日になりました。

 40代の頃、乳癌モドキで手術体制で切り取った生検手術以来の入院で非日常のワクワク感があったのが自分としてはなんだか不思議でした。今回は、局所麻酔でしたから、手術室の中や進行の一部始終がわかるので、麻酔の注射が少々痛いのを除けば未知の世界を探索するような面白さがありました。この病院の手術室は、14室あると聞きましたが、廊下の左右にずらっと部屋が続きまるで工場のようでした。ここで、毎日何人の人が手術をするのだろうかなどと思いながら部屋へ入るとまな板ならぬ手術台に寝て、あとは静脈に針がさされ、胸に心拍数を計るシールが張られ、ライトが照らされます。看護師さんが3人、ドクターが2人とこんな簡単な手術でさえ5人が分担しながらそれぞれの仕事をします。

 一応の準備が終わると、ドクターは、「僕は気の利いた話もできないので、せめて好きなジャンルの音楽をかけますので選んでください。」とのこと。看護師さんが、「歌謡曲、ポピュラー、クラシック、ジャズ・・・アーティストまでは選べないんですよ。」というので、私は「ジャズを」とお願いしました。静かな女性のボーカルが流れ手術は始まりました。

 看護師さんは女性で、いろいろ話しかけて手術の緊張感をほぐしてくれようとするのがよくわかりました。ドクター物のドラマを見ると、どうしても自分がいる手術室と比べてしまうとか、この箱は手術の現場には必ずある物だとか、私が看護師さんは、はじめから手術室を希望して仕事につくのかとか質問すると、入る時はいっしょでその後病室勤務か手術室勤務かわけられるのだとか、・・・・結局準備も含めて1時間半ほどその部屋でおしゃべりをしているうちに縫い終わり、終了となりました。

 その日は、トイレも車いすで行くように指示され、歩くことはできませんでしたが、翌日の回診で傷の状態を診てもらってからは、静かに歩いてもいいことになりました。 

 昼のメニュー

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 入院生活で一番気になるのは、食事です。私は、特に食い意地が張っているので三食がすごく楽しみでもありました。母の入院でいくつかの病院を見てきましたが、ここの食事は今までで一番おいしく食べられると思いました。献立によっては、主菜の肉の代わりに魚を選べたり、肉でも豚でなく鶏肉を選べたり、牛乳がダメな人は、ヨーグルトに変更できたり、前日に献立表を見て看護師さんに連絡をしてもらえばいいのです。看護師さんから「食事はどれくらい食べられましたが?」と聞かれると、「完食です。」と返答ができるのが自慢でした。

 この病院の形成外科は、子宮がんの手術でリンパ節を取った後、リンパ液の流れが悪くなりふくらはぎがパンパンに膨らむ症状に悩む方の入院手術が多いと聞きました。この時も、長野県からそして福岡県から来ていらっしゃる方が同室にいました。リンパ管というのは、髪の毛よりも細くて手術は1回で8時間くらいかかるようです。その手術の名医がこの形成外科にいるので、全国から患者さんが訪れ、手術までに1年半くらい待つそうです。大体一週間くらいで皆さん退院されることが多い形成外科の患者さんですが、私はその中でも一番退院が早かったので、仲良くなった病室の方と別れるのは後ろ髪を引かれるような気持ちでした。

 切り取った検体の病理検査に時間がかかっていて、昨日やっとその結果を聞きに病院を訪ねました。悪性のものではないと妙な自信がありましたが、普通は手術後1週間から10日くらいで出るものがなかなか出てこないのでやはり落ち着かない気分でした。結果オーライでしたが、脂肪ではなくリンパ球の固まりという珍しいものでした。これがどうしてできるのかがわからず、それが不安の種です。またできるかもしれないからで、その度に検査をするのは勘弁してもらいたいというのが本音です。経過観察が必要ということで、来月、そして半年後も診察を受けることになっています。

 病院の廊下から朝焼け (みなとみらいがランドマークタワーも見えます。)

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 しばらくパソコンを触っていなかったので、右肩から首にかけての鈍痛がなくなったので、これからはあまり長い文章を打つのはやめようと思っています。今回は、2か月間の事の顛末をお知らせするため、すごく長くなり申し訳ありませんでした。おいおい更新して参ります。またよろしくお願いします。

 

山手西洋館のクリスマス2

 外交官の家を出て沈む夕日に追われるように足早に歩いて、次はベーリックホール。

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 ベーリックホールでは、オランダのクリスマスの展示をしています。

 ここは、特にオランダの飾りというよりは、デザイナーがイメージして飾っているという感じで、ユニークな飾りでした。赤い顔に髪の毛のようにヒムロ杉を巻き付けそれに赤いリンゴや赤いリボンや松ぼっくりなどをあしらってあります。部屋の前に3つ、手前の方に顔が2つあって、家族を表わしていると聞きました。

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 ダイニングのテーブルセッティングです。オランダでは、メタリックな感じの色が流行りだとかで、特にクリスマスというきらびやかな感じのものではありませんでした。

 デザイナーによっていろんな感じがあっていいのでしょうが、その国の伝統的な雰囲気がある展示だといいのにとちょっとがっかりでした。

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 さらに111番館へと急ぎました。111番館は、フランスノルマンディー地方のクリスマスをテーマにした飾りだそうです。玄関を入ると、真正面に「貴婦人とユニコーン」のタペストリーが飾ってあります。本物は、ものすごく大きなものでこれは本当に小さなレプリカだそうです。

f:id:yporcini:20171221170345j:plain タペストリーの下の暖炉の前の飾りです。

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 テーブルセッティングに使われていたお皿です。模様は、タペストリーと同じ「貴婦人とユニコーン」1枚1枚が違う絵柄になっています。もともとタペストリーも6枚あって、テーマがあるのだそうですので、それに由来しているのかもしれません。

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 今回私がここで見たかったのは、この白いリースでした。ノルマンディーは、牡蠣の産地でもあるわけで、本当に牡蠣殻のリースがあるのか聞いてみたかったのです。

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 本物の牡蠣殻を使って作ってありましたが、デザイナーさんがイメージしたもので、ノルマンディーにそうした伝統があるわけではないのだそうです。2011年の東日本大震災の折、牡蠣の稚貝をノルマンディーから分けてもらったこともあり、逆にノルマンディーで牡蠣に被害があった時には、日本から牡蠣を送ったという関係があったので友好を温めた牡蠣に思いを込めたリースだったようです。

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 5時で閉館。外に出ると、イルミネーションが輝き始めていました。

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 港の見える丘公園から、ベイブリッジを通る車がクリスマスイルミネーションのようにきらきらとしています。横浜では、この日乾燥注意報が出ていたので、空気は乾燥しきっていたのでしょうが、その分灯りはきらびやかに見えました。

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 ちょうど5時出港の船が大桟橋を出ていくところが見えました。大きな汽笛が3回どころか、おまけがあって6回鳴りました。船は飛鳥Ⅱ、クリスマスワンデークルーズで夜1泊するだけのクルーズがこの時期何回か企画されているその一つでしょう。

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 帰りは、気象台の横の坂を下りて、アメリカ山公園へ出ました。この日は、とっても空いていましたが、クリスマスの夜は、赤い♡の前にはカップルが立って自撮りで華やぐことでしょう。

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 坂の下の元町ストリートの入口のイルミネーションと中華街の今年新作の龍のイルミネーション。中華街は、クリスマスというよりは、春節に向けての飾りです。

 ずいぶん歩いて、この日は15000歩を越えました。

山手西洋館のクリスマス1

「ボブという名の猫」の上映が22日までだということなので21日の木曜日に見た帰りに、山手の西洋館へ世界のクリスマスの展示を見に行ってきました。

 午後3時半を回っていたので、イタリア山の外交官の家とベーリングホールと111番館と焦点を決めて見ました。

 関内まで歩いて石川町まで一駅電車に乗り、坂を10分ほど登るとイタリア山です。

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 陽が西に傾いていたので、メタセコイアの枯れ葉は夕焼け色に色づいています。冬至の前の日ですから。

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 庭の枯草越しに見えるラウンドマークタワーもマリンタワーベイブリッジもみんな西日を浴びてあかね色です。

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 さて、今年の外交官の家の展示は、ルーマニアです。ルーマニア黒海の港町コンスタンツァと横浜が姉妹都市という縁があるそうで、今回取り上げられたようです。かつて東欧と呼ばれた国にはポーランド以外は行ったことがないので、とても興味がありました。上の写真は、クリスマスの食卓をイメージしたテーブルセッテイングです。

 ルーマニアでは、24,25,26日の3日間がクリスマスのお休みで、飾り付けもするし、基本は家族が集まってクリスマスを過ごすそうです。

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 棚の上に置いてあった花瓶とルーマニアのホレズ焼きといわれるお皿。

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 ルーマニアのクリスマスに欠かせないのが、「コゾナック」。ココアが入ったマーブルケーキのようです。パンのようでもあり、ケーキのようでもありますが、クリームでデコレーションしたような派手なものではありません。残念ながらお味見はできませんでした。

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 民族衣装です。素俗な感じですが、細かい刺繍が入っているのは東欧らしいと思いました。母親から娘に受け継がれていく伝統が消えないでまだ残っているといいのにと思います。

寒波の到来

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 今週の火曜日は、横浜にも寒波が訪れました。この日は大岡川を渡ってスポーツセンターに行く日だったので、寒波が楽しみでもありました。以前なら寒波と聞いただけで心も体も縮こまってしまったと思うのですが、この寒波に乗って渡り鳥がきっとやってきているんじゃないかと思うせいか、ワクワクして心が温かくなってくるのです。

 ヨガを終えて、大岡川まで来ると予想通り来ていました。カモの群れです。遠くからでも茶色い頭と黒い頭が見えたので、ホシハジロキンクロハジロが来ていることがわかりました。1年ぶりの対面で懐かしい友だちに会ったような気がしました。

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 右上から、左はホシハジロのオス、右はオオバン

下の段左は、キンクロハジロのオス、右は、キンクロハジロのメスです。

 この日の飛来は、キンクロハジロがオスメス合わせて20羽ほど、ホシハジロがやはりオスメス合わせて10羽ほど、それにオオバンが6羽ほど。この冬の私の初認です。ずいぶんと賑やかになってきました。

 

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 最後は、ユリカモメ。右側のユリカモメの写真は、11月28日に川を渡った時のものです。この日は2回目です。渡り鳥がやってくるようになると朝ごはんも工夫が必要です。

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 12月に入り、朝ごはんはとにかく体が温かくなるように汁ものに具をたくさん入れて作ります。この日は、宮城県のマガンの観察時後に食べた朝ごはんが脳裏に焼き付いていてけんちん汁、トロロ芋、自分で漬けた白菜の古漬けです。けんちんには、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、レンコン、里芋、シイタケ、しめじ、長ネギ、油揚げ、白菜とこれだけでボリューム満点でしかも野菜がたっぷりとれます。トロロ芋は、出汁で割って醤油と少しみりんを入れていますが、食がすすみます。

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 これも、同じように野菜をたっぷり入れた汁ものと、切り干し大根の煮物、ちりめんザンショ、カブのぬか漬けです。ちりめんザンショは、私の好物の一つで、山椒の実を冷凍しておいたものを使って煮ているので、自家製でいくらでも作れます。

 皆様の献立のヒントになれば幸いです。寒い冬を乗り切るには、土の下にできる根菜類をたくさんとることが大事だと思います。

 

 

こんなものを食べてます。

 8月に「チャイナ・スタディ」を読み終えてから、毎日の献立を考えるのにずいぶんと時間を費やしています。材料を駆使してなるべく野菜だけの料理を作ろうとしているからです。ベーコンだとか肉、チーズなどをちょっと入れることでコクを出すのは楽なのですが、何とか動物性のタンパク質に頼らないで食べて満足が得られるようと考えるのは、料理歴が浅いものとしてはなかなか大変なことです。

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 これは、ある物のかば焼きです。先週の火曜日に八王子の友人の家で持ち寄りの食事会があったので、試作でしたが持って行ったものです。この料理は、先月の宮城県サンクチュアリセンターの農家レストランさんで出されてきたおかずの一つです。何だろうと思って食べたらそのおいしさに驚いて作り方を聞いてきて作ったものなんです。

 

 これは、レンコンのかば焼きなんです。三分の二をすりおろし、三分の一をみじん切りにしたレンコンに小麦粉と出汁とこの時は玉子も入れました。これを海苔に載せて揚げ物にします。揚がってから、醤油とみりんとキビ砂糖でタレを作り、たれの中につけてかば焼き味にします。かば焼きのタレの濃厚な味とさっぱりとしたレンコンの出会いは新鮮でした。歯ごたえを残すためにみじん切りを入れたのは、成功だと思いました。結構喜んで食べてもらえたので、自己満足ではなかったようです。

 

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 外出の予定がないと朝と昼の間あたりに朝食を取りますが、そういう時は一応一汁三菜を目指します。この日の献立は、大豆とこんにゃくのピリ辛煮、切り干し大根の煮物、こかぶの塩漬け、それに具だくさんの味噌汁と小豆入りの玄米です。

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 この日新しく作ったのは、こんにゃくと大豆のピリ辛煮です。大豆は、あらかじめ茹でてある缶詰のものを使いましたが、胡麻油で炒めてから醤油と酒とみりん唐辛子で味付けしたものですが、この素朴なおかずの美味しさに驚きました。

 

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 うちのベランダの前の紅葉のようすです。4日のものですから、今はほとんどの葉が散ってしまいましたが、今年の紅葉はとても美しいと思いました。ケヤキは透明感のある黄色からオレンジに代わり、ゆっくりと茶色になっていきました。ここへ越してきてから一番の紅葉だった気がします。

宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅3

 26日のブログの続きです。

 朝食後、マイクロバスに乗って次の目的地蕪栗沼へ移動しました。南隣の大崎市方向へ30分くらい走ったところにあります。バスを降りて左側の白鳥地区と右側の蕪栗沼のちょうど真ん中の通路を歩いて行きます。

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 赤く色づいたツルウメモドキの間から蕪栗沼が覗けて見えます。たくさんいるのは、オオヒシクイです。

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 北側に山の姿が見えていたのに、一瞬雲が覆って北側から冷たい風が吹き付けてきました。

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 風は見えないはずですが、小さい無数の粒が撫でるように風の模様を描きます。我々は冷たくてマフラーをかき寄せてしまいますが、オオヒシクイたちは平気そうです。

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 オオヒシクイというのは、ガンの仲間ですがマガンよりも大きく体はコハクチョウくらいの大きさです。遠くから色だけ見るとマガンと区別がつかないのですが、朝から田んぼにも行かないでお休み中なのは、ヒシクイは水生植物のヒシの実やマコモを食べるからかもしれません。

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 胸の筋肉がもこっとしてすごいのはハクチョウと同じです。シベリアからやはり4000キロばかりを旅してくるので胸の筋肉が発達しているだと思います。昨年、ハクチョウやオオヒシクイの胸を見て、鶏の胸肉は絶対に力が付くと思ったものです。今年は、食べ物を変えてきているので胸肉もご無沙汰です。

 後ろに立っているのは、ヘラサギです。ガイドさんが、「ヘラサギは、なかなか見られないんですよ。」と話していましたが、昨年もたった一羽のヘラサギがここにいて、やっぱり「珍しい鳥がいます、ヘラサギです。」と言っていたのを思い出し、2年続いて見られたのはすごくラッキーなんだなと思いました。ところが、このヘラサギは、ヘラサギの一番の特徴の嘴を見せてくれないんです。望遠鏡を合わせて見せてくれている間、ちっとも動かないんです。

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 15分くらい経ったとき、ようやく歩き出しました。「しょうがないな、ちょっと見せてやるか。」とばかりにヘラを見せながら数歩前進。結構大きなヘラです。このへらを左右に動かしながら水の中の小さな生き物を食べているのだそうです。

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 オオヒシクイがみんなお尻を向けている前を一羽歩いているのは、なんだろうと思っていましたが、一見去年見たハマシギかと思うような体の色ですが、少し大きくくちばしも長いような気がしました。ガイドさんから「ツルシギ」だと教えてもらいました。うちへ帰ってから調べたところ、夏の羽の色は、背中辺りは黒だそうで、もっとはっきりとした色合いのようです。冬はどの鳥もグレーだとかベージュだとか自然の中に溶け込むような色になるようです。

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 かなり距離があるので、ボーっとしか写せません。ツルシギは、三羽いました。

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 最後は、オオハクチョウが沼の中に首を突っ込んで、マコモの地下茎を食べているところです。ハスも好きなのですが、マコモは大好物なんだそうです。真っ白い首も台無しですが、すぐに汚れが取れるようです。

 ここは、伊豆沼よりもずっと全体像が見やすく、鳥たちの自然な姿がより身近に見られて私はとても気に入っています。ヨシ原にいる小動物をねらってチュウヒやオオタカを見ることができましたが、猛禽類を見たい人にとってもいいポイントだそうです。マガンは、日の出と共にまわりの田んぼへ食事に出かけていてこの時間はいませんが、日の出の飛び立ち、日暮れのねぐら入りは伊豆沼と同じように今年も7万羽を越える数が飛来しているそうです。

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 最後の化女沼です。蕪栗沼から西の方向へ行ったところです。三つの沼を結ぶとちょうど三角形が描ける位置にあるところから、トライアングルと呼ばれているのです。

 化女沼は、左側がダムとなっているのでなんだか自然の沼っぽく見えませんが、右側が沼です。ゆっくりと沼のまわりを歩くことができるといいのですが、このツアーでは無理のようです。

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 ここにももっといろんな鳥がやってきているはずなんですが、遠くてよく見えません。望遠鏡でようやく見えたのは、首が緑色のマガモカルガモ。浮きが並んでいるとことろにいるのはカワウです。去年もここでは、オオバンキンクロハジロホシハジロが見えただけ。もう少し寒くなるとパンダガモといわれるミコアイサもくるそうですから、季節を変えて再訪したいものです。

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 最後に、もう一度伊豆沼方面へ戻って、田んぼの中の道を車で通ってマガンを近くからもう一度見てみました。本当に用心深い鳥で、車から降りようとすると首をパッと挙げて一斉にこちらを見て、それ以上こちらが動くものなら一斉に飛び立ってしまいます。今回は、窓からそうっと写真を撮りました。「雁首をそろえてやってくる。」という言葉は、一斉に群れが首を上げてこちらを見るマガンのようすからできた言葉だそうですから、かつては日本のどこでも見られた鳥だったということがわかります。「がんもどき」も同じようにガンの肉に似せて作ったものだということですから、日本の食文化にも貢献した鳥だったと思うと興味深いです。

 今年ようやくわかったのは、マガンの額は白いということ、マガンの成鳥は胸に黒い模様があるけれども、幼鳥は模様がないということでした。オオヒシクイとマガンが並ぶところが見られないので、さっと区別できるかまだわかりませんが、来年くればまた新しいことがわかるかもしれないと思っています。最後に農産物直売所に寄ったりしているうちにみぞれっぽい雪が降ってきました。私にとっては、この冬初めての雪でした。

 これで今回の旅のブログは終わりです。