あなたは幸せですか?

 happy しあわせを探すあなたへ

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 この映画は、人類最大のテーマ「幸せ」を探しに世界5大陸を巡るドキュメンタリーの映画です。心理学者や脳医学者たちが、この「幸せ」についての鍵を解き明かしていきます。

 ハリウッドで成功を収め、だれもが羨む生活をしていたコメディー映画監督、トム・シャドヤックが自分がさほど幸せでないことに気がつき、しかもアメリカ人は、経済大国で物質的には豊かになっているはずなのに、幸せ度については、世界で23位だということに愕然。ロコ・ベリッチ監督に依頼し、作られた映画だそうです。

 同じように、戦後経済大国となった日本では、先進国で最低水準の幸福度だそうです。この映画の中でも、通勤電車の中で居眠りをしている人がたくさん映っていました。

 インドのコルカタの貧民街に暮らすある男性は、車夫をしていて大変なことも多いけれど、うちに帰ったときに、子どもが笑顔で迎えてくれたときに幸せを感じると話します。家は、ビニールで覆った粗末なものです。

 ブラジルのサーフィン村に住む男性は、ビッグウエーブと取り組んでいる時が幸せなんだと言っていました。

 アメリカのルイジアナの男性は、ボートに乗り、湿地の鳥たちや、アリゲーターや夕焼け空の雲を眺めたりしていると、予期しないいろんな自然と出会え、とても幸せだと語っていました。そこに住む友達と、最低週に1回は集まり、交友を深めていました。自分たちで取ってきたカニを肴に。

 アメリカの女性は、トラック事故で、瀕死の重傷を負い、何年もかかってつぶれてゆがんだ顔の手術を何回も繰り返して、夫でさえその顔の変化を受容できずに離婚。しかし、子どもの支えもあり立ち直り、事故前よりも自分を自然に出せるようになり、今はボランティア活動に取り組む暮らしを送っています。美しかった事故以前よりも幸せだと感じていると語っていました。

 アフリカのナミビアのカラハリ砂漠で、人類の原点に近いとされる人たちを取材。木の実などを採集し、狩で生活をしている人たちです。彼らは、仲間といっしょに狩をしたり、いっしょに集まって笑い合ったり、子どもが具合が悪かったりすると、村の人たち総出で心配します。すぐに病院へ連れて行ったりはしないそうです。

 日本でも、最も長寿の村がある沖縄では、自分で畑仕事をして汗を流し、よく食べ、眠ることが長寿になっているのではないかといいます。それだけでなく、お年寄りの人たちは、午後になると村の公民館に集まり、いっしょにいろんなことをして楽しみ、また、若者がエイサーを踊れば、応援し、いっしょに踊り出します。小さい子ども、若者、年寄りが自然に交流できる環境がいつまでも元気でいられるのではないかと話していました。死んだあとの骨も共同墓地にいっしょに埋めるとのことです。

 デンマークでは、コウハウジングに住むシングルマザーが登場。コウハウジングというのは、20世帯くらいがいっしょに住めるような大きなうちです。部屋はそれぞれありますが、食事は、月に2回ほど当番があり、その時は50人分くらいの食事を作るので、たいへんですが、後の日は、仕事から帰ってから、買い物をして食事の用意をしなくていいので、子どもとの時間もゆったりととれるそうです。子ども達は、学校でもうちでもたくさん友達がいるし、ここに住む年寄りは、祖父や祖母のように接してくれるし、たくさんの大人に見てもらえている安心感があると言っていました。

 ブータンのGNH(国民総幸福量)を提唱した情報通信省大臣の話や、チベットダライ・ラマ14世の慈しみや優しさについて人間が本来持っている慈愛についての話、トヨタの工場で働いていた夫を過労死で失った妻が、「過労死防止基本法」成立に向けて活動している話など、他にもたくさんの事例が出されました。

 幸福度というのは、単に経済的なものではないことだろうということは分かってはいたものの、改めて自分のまわりの家族、友人、共同体の人たちとの関係を豊かに持つことが幸せにつながっていくのだということ、脳にドーパミンが出るようなことを日々工夫してやっていくことも幸せにつながっていくのだということが分かりました。自分を見つめなおすきっかけになったような気がしました。

 願わくば、このブログが私にとってのドーパミンの出所で、皆さんと共有できる何かであれば幸せです。