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彼岸の頃咲く花

ヒガンバナ

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 ヒガンバナ科のキツネノカミソリは、お盆の頃咲く花としてアップしましたが、このヒガンバナは、ご先祖の供養の頃咲くというところは同じですが、秋の彼岸の頃咲きます。今年のように残暑が厳しくても、多少秋の到来が早くてもいつも計ったように咲くのは、なぜだろうと思います。たぶん、秋分は、昼間の長さと夜の長さが同じだということと関係があるのだろうと推測していますが、よく分かりません。

 この写真は、昨日(9月24日)うちの近くで撮ったもので、まだようやく包からつぼみがのぞいたばかりですが、週末に郊外へ出かけた時に見かけたヒガンバナは、もう少し成長していて赤い花が咲き始めていました。ということは、夜と昼の寒暖の差があるところのほうが、開花は早くなるのでしょうか。日の長さが大きく開花時期に作用しているのでしょうが、気温もまるで無関係ではないのかもしれません。

 ヒガンバナは、田んぼのあぜや、お墓の周りでよく見かけます。球根には、毒があるので、昔は土葬だった日本では、動物が墓を掘り返さないように植えたのだということは知っていましたが、田んぼのあぜの方は、球根で畦を崩れにくくしたり、ミミズがヒガンバナの球根の毒のためにその周辺の土中に住むのを避けるために、ミミズを食べるモグラやノネズミが土を掘り返したり、穴を開けたりしないようにするためだそうです。

 鱗茎を粉にして何回も水にさらしておけば毒性が消えるということを誰が発見したのか、飢饉や戦時、食べ物が不足している時に鱗茎のでんぷんを食用とした歴史もあって、人里の近くには、このヒガンバナが植えられたのだそうです。

 「カジバナ」「キツネバナ」「ノダイマツ」「シビトバナ」「ハミズハナシラズ」・・・・たくさんの名前を持つ花としても有名で、日本全国で1000種類くらい名前を持っているそうです。一番文学的な名前は、「マンジュシャゲ」でしょうか。こんなにたくさんの名前をもっているということからも、ヒガンバナは、人の生活のすぐそばにあった花だということが分かります。

 私は、ヒガンバナと聞くと、新見南吉の書いた「ごんぎつね」のお話を思い出します。このヒガンバナが赤いじゅうたんのように続く道端に潜んで葬列を見ていたごんが、兵十のうちに不幸があったことを察知するのです。