旧東海道を歩く(保土ヶ谷宿から戸塚宿へ)・・・その3

境木地蔵尊

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 和菓子やさんからちょっと歩くと、地蔵堂があります。

 この地蔵堂の境内には、大きな木が植わっていたようで、この木が相模の国と武蔵の国の境となっていたということから「境木」という地名が生まれたといわれています。枝が切られていますが、幹周りの太いケヤキの木が境内にあるので、きっとその木が境木だったのだと思います。

 この地蔵様は、元は、鎌倉の腰越海岸に打ち上げられていたもので、地蔵が「江戸へ連れて行ってくれたら、豊漁を約束しよう。」ということで、漁師たちが地蔵を運んだそうです。 ところがこの地で動けなくなったので約束どおり、この地へ置いて帰ったそうです。地蔵は、「粗末なものでいいからお堂を建てて自分を安置してくれたら、この土地が栄えるだろう。」と頼み、この地蔵堂を建てたのだという言い伝えがあるそうです。それ以来多くの旅人が旅の安全を祈り参詣するようになり、境木はにぎわったとのことです。

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 地蔵尊の前にこの立て札が立っています。今は、ここから右側を進むと歩いても15分くらいでJRの東戸塚駅へ行けるそうですが、ここで会った近所の人が、「この辺りは山ばかりで、東戸塚駅ができるまでは、バスも通っていなかったので、一号線まで歩いて保土ヶ谷か戸塚駅へ出るバスに乗るしか横浜へ出ることができなかったくらい不便なところだったのですよ。」と話してくれました。