パキスタン旅行 その2

 深夜の到着で、周りの様子は一切見えなかったが、ホテルの名前にもあるように、庭からインダス川を見下ろせる。

 山の雪解けが本格的に始まると、ゴウゴウと音をたてて流れる水も、今は水量が少なく静かに流れている。草木は一切なく岩肌むき出しの山ばかり。乾燥地域である。      

 ホテルの庭には、バラが咲いている。この乾燥の大地の中では、宝石のように輝いて見える。

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 庭に気になる花が咲いていた。帰ってから調べてみたが、「バウヒニア」という植物の仲間らしい。香港の旗にこの花がデザインされているようで、またの名を「香港・オーキッド」とも呼ばれているようだ。

 バウヒニア

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  ここで花に見とれている場合ではないのである。この先、まだ8時間のバス旅が続くのだから。

 この日は、チラスからギルギットを経て、カラコルムハイウエィをさらに北へ遡り、フンザの中心、カリマバードまで進む。

 途中、7世紀に唐を出て、仏教の経典を求め、あるいは布教活動をしながらシルクロードを旅した玄奘三蔵法師が通ったといわれる道に、岩絵が残っている。岩を削って描いた絵も風化が激しくはっきりとは見えないが確かに仏様が描かれている。

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 道の端で洗濯をしている男性が数人。トラックの運転手である。

 パイプを通してお湯が2本出ている温泉ランドリー。

 ふだん家にいる時は、洗濯をするはずもないこの国の男性が、長距離運転中は、どこかで洗濯もしなくてはならない。温泉のお湯で洗濯した後、どこかで干すわけではなく、直接着て乾かしてしまうらしい。手つきも慣れたものである。

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 ナンガパルバット8126mのビューーポイントで停車。

 ナンガパルバットは、世界10座の中で9位、2位のK2と並んでパキスタンでは、とても有名な山だ。

 晴れてはいたが、この日は残念ながらその姿の全容を見せてはもらえなかった。

 帰りを楽しみにしていたが、(ギルギットからイスラマバードへの飛行機の中から真横にこの山が見えることになっていた)それも雲に覆われ、ヴェールを取ることはできなかった。それだけ高い山だということだろう。

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 この日は、走行距離が前日の半分以下だったので、夕方まだ明るいうちにカリマバッドへ到着。

 3日かけて到着した旅の目的地フンザである。

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 続く