パキスタン旅行 その5

 「長谷川メモリアルスクール」 

 このツアーでは、フンザを訪れた日本人をこの学校へ連れて行く予定が組まれている。

 朝、8時半から朝礼が始まるので、8時にホテルを出て坂を上り、学校の参観に出かけた。

 

  「長谷川メモリアルスクール」というのは、フンザの北側に位置するウルタル峰で雪崩のために亡くなった登山家、故長谷川恒夫さんの意志を継いで、寄付で建てられた私立の学校である。

 朝礼風景 

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 この学校は、幼稚園から短大までの児童生徒850人くらいが勉強しているので、短大のお姉さんの横に小さい子も並んでいる。

 朝礼では、イスラムのお祈り、歌、それに校長先生のお話。「本日は、日本からのお客さんが来ているので・・・・」というお話があったもよう。

 大きなお姉さんから歓迎の挨拶と歌、それに小さい子どもたちが前に出てフンザの踊りを見せてくれた。

 添乗員さんが答礼として、ウルドゥー語、英語、日本語と3人が分担して挨拶をしてたくさんの笑いと拍手を受けた。添乗員さんは、語学も芸も達者じゃなくてはやっていけない。

 中間くらいの子どもが少ないのは、公立校も近くにあって小学校、中学校はそちらへ行っている子どもが多いのかもしれない。特に、女子校ではないのだが、高校生も短大生も男子が少なく、女子が多い。

 パキスタンの教育制度は、6・3・2・2・4と、高校が2年で短大が2年、そして後はイスラマバードやカラチなど大都市にある大学をめざすことになる。

  私立なので児童生徒の保護者から授業料はもらっているようだが、それだけではとても運営できないので、日本の人々からの寄付や企業からの寄付などでようやく成り立っている。私もわずかだが、寄付させてもらった。(ツアーに参加しているからといって、寄付は勿論任意である。)

 教室参観もさせてもらったが明日から試験だと聞いて、落ち着かなくて申し訳ないような気がした。参観後、校長室でお話を伺った。

 現在の校長先生は、まだ若い(たぶん30代)ながら、大学の先生の職を辞してここへ赴任したそうで、教育に情熱を傾けていることがお話からも察することができた。

 オックスフォード大学の先生たちと協力して作ったといわれるカリキュラムは、この地域の文化の継承、英語教育・・・こんなに山深いところなのに、すばらしい教育内容だと感心した。

 先生方の月の報酬は1500~2000ルピー(円で換算すると2000円くらい)・・・・とてもそれだけではくらしていけないので、お土産屋だとか、ホームステイだとか他の現金収入も加味してやっと暮らしているそうである。因みに先生方は、女性が多いので共働きしているのだろう。

 今は、この学校は、短大までしかないので、大学を併設することが現在の一番大きな目標だそうである。家を離れての女子の進学はたいへん難しいので、ここに大学をぜひとも作りたいと言っておられた。

 次に続く