まんだら堂やぐら群

 連休の後半、お墓の掃除のついでに、名越切通しの「まんだら堂やぐら群」へ寄ってきました。

 去年の初夏、逗子から歩いてこの名越切通しまで来た時に、やぐら群のあるところを通ったのですが、そのときは、入り口の鍵が閉まっていて公開していませんでした。

  まんだら堂やぐら群

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 「まんだら堂」という名前が確認できる最も古い文献は、1594年の検地帳だそうですが、畠の名前として出てくるだけで、まんだら堂がどんな建物であったのか、いつまで残っていたのかということは、不明だそうです。

 そもそもやぐらというのは、死んだ人の骨を納めるお墓のようなものです。

 鎌倉には、ほかにもやぐらが存在していますが、これほどまとまった良い状態のものが残っているところはないそうです。

  

  一つのやぐらの五輪塔 

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 一つ一つのやぐらは2m四方くらいの小さなものですが、150穴以上のやぐらが確認されているそうです。

 やぐらの中には、五輪塔と呼ばれる墓石が3つ入っているのが基本のようですが、長い期間放置されてきたため、移動してしまった五輪塔やなくなってしまったものもあるようです。

 一応一つのやぐらに3体の骨が葬られているとすると、このやぐら全体で単純に計算して450体以上が納められていたということになります。

 鎌倉時代には、身分の高い人は火葬されて、五輪塔の中に骨を納めたので、火葬した施設も真ん中にある平場から遺構として発掘されたそうです。

 「庶民の場合は、?」

と ボランティアの方にお聞きしたら、火葬をしないでその辺に埋められたということです。

 ここに納められているのは、武士、僧侶、お金持ちの商人と身分が高い人のみでした。

 先日のニュースで、鎌倉がユネスコの世界遺産に登録を申請しないことに決まったと聞きましたが、世界遺産登録にこの「まんだら堂やぐら群」も含められていたので、携わっていた方はがっかりされたようです。

 ただ、鎌倉に住んでいる人たちは、これ以上大勢の観光客が押し寄せてくると休日は、車は混むし、騒がしくて困るという話もよく耳にしますから、よかったとほっとされているのかもしれません。

 今日は、お昼過ぎに鎌倉駅へ到着したにもかかわらず、駅の前は人、人、人。江ノ電には長い列ができて、駅のアナウンスで乗るのに一時間待ちというのが聞こえたのには驚きました。  

 お店や食堂は繁盛していいのでしょうが、天気のいい休日の鎌倉はよほどの穴場を見つけなければ静かな古都の雰囲気など望むべくもありません。

 そういう意味でも、このやぐら群は歴史的価値もあり、空いているしお勧めの場所です。

   *2013年度の公開日情報

            ・4月20日から5月26日までの土、日、祝日

                               ・10月から12月中旬の土、日、祝日

              ・3月の土、日、祝日