鎌倉の続きです。
名越切通へ行く途中に、安養院という浄土宗の寺があります。
北条政子が夫である頼朝の冥福のために建てた長楽寺(すでに暁失)が前身の寺です。
安養院というのは、政子の法名でもあり、本堂には阿弥陀如来、千手観音といっしょに政子の像もあり、政子にゆかりの深い寺です。
5月は、この寺は大紫ツツジで蔽われ、そのにおいでむせ返るようです。
大町の通りに面しているので、かなり遠くからでも寺の生垣になっている濃いピンクのツツジが一面に咲いているのが見えます。
今年は、ツツジも早く咲いたようで、すでに満開でした。
安養院の入り口
山に入ると、どこからか栗の花に似た酸っぱいような強いにおいがしてきます。風媒花かと思っていましたら、この強烈なにおいで虫を誘うのだとか・・・
においの主は、スタジイです。
高いところから見ると、鎌倉の山がぽつぽつと黄色に彩られているので、この木が多いことに気がつきます。
スタジイの花
雌雄同株で、毛羽立って見えるのが雄花、雄花の陰に隠れて丸いプツプツしたのが雌花のようです。秋になるとドングリができます。
この日鎌倉から帰ってもツツジとシイのにおいは、ずっと鼻の奥の方に残り続けました。
嗅覚に残る記憶は、一番強いです。