マリーゴールドホテルで会いましょう

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  とても幸せな気持ちにさせてくれる映画でした。

 イギリスの男女7人が、「神秘の国インドの高級リゾートホテルで魅惑の日々を・・・・」 そんな謳い文句に惹かれてこのホテルへやってきます。

 夫を亡くして、初めての一人暮らしを決意した「イヴリン」を筆頭に、いろんな事情を抱え、人生のターニングポイントにさしかかった人たちです。

 インドのジャイプールにあるこのホテルは、高級なリゾートホテルをめざしている若いオーナーが経営を始めた古いボロホテルだったのです。

 その中で、それぞれがこのインドの異文化をどう楽しんでいったか、どう向かい合っていったか、描かれています。

 ある男性は、リタイアしたことをきっかけに、若い頃親の赴任地であったジャイプールで知り合ったインドの男性に再会するために昔の住所の場所を訪ね、役所を訪ね、ついにその想いを果たします。

 主人公のイヴリンは、死んだ夫の借金を返済しなくてはならず家を売り、インドへ来たもののこれからの生活費を稼がなくてはならなくて、ある会社に面接に行き、持っている能力を買われて働き始めます。

 それぞれが残りの人生をいかに豊かに生きようとしているかを描いていて、同年代の人にちょっと勇気を持たせてくれます。

 おそるおそるインドへなじみ始めた矢先、そのホテルの存続が危うくなり一波乱ありますが、思いがけない展開が待っています。

 街の喧騒、寺院の佇まい、田舎の静かな風景などジャイプールを切り取った映像も美しいです。

 2009年のお正月にデジタルリマスター版の「バクダッドカフェ」を観たときの感動と似たものが湧き上がってきました。

 インド、東側の都市、チェンナイ近郊に3週間ほど滞在していたことがあり、インドの水不足を身をもって感じていたことがあるので、必ずしもインドに神秘の国などというスピリチュアルな印象を持てないのですが、インドの色、インドの匂い・・・も含め蘇ってきました。

 この映画は、「恋におちたシェイクスピア」の監督ジョン・マッテンの作品で、イギリスの名優たちが出演している映画です。