近頃読んだ本

昨日のブログの前に読んだ本。

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 この本「永遠の0」は、メディアにも取り上げられ、”本の帯には、ものすっごく売れている。160万部”と書いてあった。

 作者は、百田 尚樹さん。 今まで読んだことがない知らない作家だ。2009年に初版されている。 知人が読んで「面白いよ。」というので、人に借りて読んだ。

 終戦から60年、ゼロ戦に乗って命を落としたという祖父のことを知りたいという姉と弟が,80歳近い祖父を知るという人に次々と会って、祖父がどんな人だったのかを聞いていくという形をとって話は進んでいく。

 天才的な飛行気乗りだが、臆病者・・・と想像とは違う人物像に戸惑いながら、会う人ごとにいろんな人物像が浮かんでくる。 

  祖父が「娘に会うまでは死ねない。妻との約束を守るために。」と いい続けていたのに、なせ自らゼロ戦に乗り、命を落としたのか。

 というなぞに突き当たる。

 最後の最後にあっと驚かされる真実にたどり着く。

 先日見た映画、「風たちぬ」の主人公はゼロ戦を設計した人の話。

 それぞれの作品は、国のために何かをしなくてはという人物を描いたわけではないが、どこかに国を憂うという気運があるのではないだろうか。微妙な危うさを感じてしまうのは、私だけならいいのだが・・・。

 とは、いえ、ゼロ戦といってもどのように優れた戦闘機であったのかよくわかったし、謎解きめいて面白い本だ。

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  この本「天と地の守り人」は、三部作で三巻で完結。けれども、この話に至るまでにたくさんの話が書かれているので、本来ならそれも読まなければ本当に話を分かったことにはならないのかもしれない。

 作者は、上条菜穂子さん。文化人類学者で、アボリジニーのことを研究している学者だと聞いている。その学者としてのベースを踏まえこの話を書いているようだ。

 4月にパキスタンの写真をアップした際に、氷河を抱えた山を背中に背負ったお城の写真があったのを見たブログのお仲間から、「天と地の守り人」の話に出てくるある場面のようだという感想をいただき興味が湧いて読んだというしだいだ。

 話は、「チャグム」というある国の王子と、その守り人、「バルサ」という女性が主人公。

 戦乱に巻き込まれていこうとする祖国をまわりの国々と協力しながら平和へ導いていくまでを描いたファンタジー。

 私は、出てくる場面がパキスタンのどの辺りの景観に似ているだろうか、発酵しないパンを食べているというからあの辺の国の話だろうか、服装はどうだろうか、そんなことを想像しながら読んでいたが、いろんな危機を乗り越えていくところに夢中になってしまう。

 これは、架空の国の架空の話であるが、今も世界のあちこちで戦争が行われ、罪もないたくさんの人がこの瞬間も殺され、平和なくらしとは程遠い生活を余儀なくされているわけで、誰が何のために戦いを続けているのかを想像するにはとてもよい読み物だと思う。

 この話は、ジュニアに向けたものでもあるため、難しい漢字にはカナがふられているが大人が読む本としても面白い。

 後日談。この話を読み終えてから、田植えの草取りに行った親しい友人がこのシリーズの本を全巻持っていることがわかった。お気に入りで、何回も読んでいる愛読書とのこと。

 きっかけは、ブログだが、なんだか、この本から不思議な縁を感じた。