八月の最後

 友だちが、30日予定がなければ日本舞踊の会があるのだけれど・・・・・とのお誘い。

 めったにそういう機会がないので、即参加の返事。

 半蔵門にある国立劇場で、「初代尾上菊之丞を偲ぶ会」 五十回忌追善 という、尾上流一門の踊りの発表会があったのです。

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 尾上流というのは、歌舞伎の役者の尾上菊五郎菊之助のすじの舞踊の宗家といえばいいのでしょうか。

 東京はもちろん、京都からもお弟子さんが来て出演されたので、会場は舞子さんや新橋の芸子さんと思われるきれいどころもたくさん見えていました。

 昨日は、東京は最高気温が36度の猛暑日です。

 素人は、着物を着ようなんて考えられませんが、普段から着物を着慣れている方が多かったようで、上手に着こなしていらっしゃるのでびっくりです。

 紗や絽の素敵な着物姿を見ると、華やいだ雰囲気を感じられていい気分になりました。

 途中で席を交代したのですが、一番前の席は、足元が見えないのが難でしたが、長唄、清元、常磐津・・・の生の演奏が目の前で聞け、踊っている人の斜め前の目線がぴったりあって、汗が滴り落ちる瞬間も見られ、それはそれは臨場感たっぷりでした。

 昼の部の最後は、三代目尾上菊之丞の舞踊、一中 「泰平船盡」」で締めくくられました。

 宗家は、まだ三十代の凛々しい若者でした。

 菊五郎菊之助の舞踊も見たかったのですが、残念ながら夜の部に出演ということでした。

 

 そして、今日31日は、横浜で歌のコンサートへ。

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 この写真は、関内方面から歩くと、馬車道から左へ入ったところにある横浜地ビールのブルワリーです。 

 2階は、イタリアンレストラン、「驛(うまや)の食卓」。そこでランチを食べてから歌を聴くという会で「まろんコンサート」といいます。

 ランチには、テーブルごとに出来立てのビールがピッチャーで出てくるので、昼下がり、ビールの酔いも効いて、眠くなったり、素敵に聞こえたり。そんな効果もあります。

 私は、飲めない口なので、ビール目当てではなく、知り合いが出ているので行くのですが、この演奏会は、素人さんからプロの人まで、シャンソン、カンツォーネ、日本歌曲、クラシックなどいろんな曲をいろんなレベルで聴けるというのが特徴でもあり、よさといえばいいのでしょうか。

 最後にメインゲストとして登場されたのは、斉藤忠生さん。

 この方は、岡村喬生さんに似た経歴の持ち主で、音楽大学を出ているわけではないけれども、才能を見出され、キャラクターテノールとして数々のオペラに出演され活躍されているそうです。

 「特に、日本の歌手には、ヨーロッパの歌で勝負してもなかなか難しいものがある。自分たち日本人にしかできないことをやるのが使命ではないか。」 と考え、現在特に日本の心を伝える歌に取り組んでおられるそうです。

 今日も、何曲か情感が伝わるすばらしい日本の歌を聴かせてもらいました。

 その他に、ウィーンなまりのドイツ語というちょっとやわらかい響きのドイツの歌をたくさん聴かせてくれました。MCもなかなか楽しく言葉がわからなくても、音楽にのめり込ませてくれました。

 八月も今日で終わりですが、横浜は台風の影響で南の湿った風が強く吹き込んでいるせいか、夜になってもむしむしとしています。

 暦では処暑も過ぎ、秋の虫の声も聞こえてきますが、まだしばらく夏と付き合わなければならないようです。