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奥多摩の秋 1

植物

レンゲショウマに魅了された翌日、

裏山にも咲いているのではないかと

探しながら散歩してみました。

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あまり期待はしていなかったのですが、ありました。

たった1本だけですが。

こちらは、まだかわいい蕾が残っていました。

この辺りは、いのししが下りてくるので、

林道を縦に切り裂くようなけもの道があちこちに見られます。

イノシシにも踏まれず、盗掘にも遭わないで

レンゲショウマが増えてくれるといいのになと思いながら、

立ち去りました。

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ヌスビトハギ

栄養がいいのかずいぶん丈が長く、花も立派です。

萩の花に似ているのですが、

なぜ盗人とついたのかというと、

実の形が、盗人の足跡に似ているからだそうです。

音をたてないように外側だけをつけて、歩くと

こんな半端な足型になるのだというのですが、

今度やってみようと思います。

この実の表面には、鉤がついているので、

そばを歩いた人間の洋服や動物の毛に

絡まって種を運んでもらうのです。

 

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キバナアキギリ

これも名前がわからなかったので、調べました。

しそ科の植物で、学名は、サルビアジャポニカ

日本のサルビアということになります。

洋種のサルビアや、ハーブとして有名なセージもこの仲間ですが、

西洋種に負けないようにみなさんに覚えてもらいたい花です。

機能として面白いのは、大きくあいた入口から虫が入り込むと

その重さで、花の上に伸びた糸のようなものが下がってきて

入り込んだ虫の背中を触るような仕組みになっていることです。

蜜をもらおうと、潜り込んだ虫は、

花の奥にある雄しべの花粉をたくさんつけ、

そんな罠にはまっていることにも気づかず、

めしべに優しく触られては、

次の花へと立ち去って行くのです。

単にうまくできたシステムなのでしょうが、

花と虫の小さなドラマが描けそうな気がします。

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マツカゼソウ

細かい葉と花が楚々とした雰囲気を感じさせます。

秋風に揺れる様から

こんな素敵な名前をもらったようですが、

なぜか草本では、唯一のミカン科の植物なのに、

葉にある油分からは、柑橘系のにおいがせず、臭いにおいがするのだそうです。

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近づいて見ると、

小さな花ですが、美しい。

ありふれた道端の草や、野菜の花を接写すると

はっとすることがよくあります。

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ヒヨドリバナ

前回出した、カシワバハグマに似た花の構造をしていますが、

こちらは、キク科の植物です。

よく似た花に、秋の七草にも入っているフジバカマがあります。

フジバカマは、芳香があり

それゆえに愛されてきた花なのだそうですが、

今では、山野にあまり見かけなくなりました。

代わりにヒヨドリバナ七草候補に入れてあげてもいいかもしれません。

ヒヨドリがちょうど鳴きはじめるころに咲くので

この名前がついたそうです。

でも、ヒヨドリの鳴き声が聞こえるのは、晩秋なので

ちょっと無理があるという説もありました。

名前は知っていましたが、

ヒヨドリがこの時期になると山から下りてきて

里で過ごすことになるんだと

逆に鳥の生態を教えてもらいました。

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タマアジサイ

まだまだタマアジサイは健在です。

蕾から一枚一枚薄衣をはいでいくように開いていくさまも

ドキドキしますが、

咲き誇ったあとのタマアジサイもため息が出るような美しさです。

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自分の生を全うした終わりの美とでもいうのでしょうか。

乱れ落ちた花たちの輝きは、まるでガラス細工のようです。