ニマンへミンへ行った時に見た菩提樹です。
チェンマイの木の中で一番背の高い木であり、
お釈迦様がこの木の下で悟りを開いたというところから
寺には必ずあり、しかも大事にされています。
たぶん、両手を広げて5人分くらいの太さではないでしょうか。
血管のような枝が何本も時間をかけて撚り合わされ、もう離れようのないほどしっかりとくっついていて、太い1本の幹よりもはるかに強い感じがします。
植物は、優しげで可憐でそんなイメージを持っていますが、
こういう植物の姿を見ると、動物にはない執念深く獰猛なものを秘めている気がしてきます。
何もこんな樹の下で悟りを開かなくても と、思ってしまうのですが、インドから伝わってきた仏教ですから、この気候に適した樹、そして大きく枝を広げ日陰をつくる菩提樹が選ばれたのではないかと思います。
これは、私見で、菩提樹にはもっと別の意味があるのかもしれません。
どの寺の菩提樹の根元にも、仏様の像が置かれたり、花などが供えられています。
これは、「ワット・パンタオ」の境内の仏様です。
川のような水の流れを手前に配置し、たくさんの黄色の旗の向こうに大きな菩提樹があり、その根元に金色の仏様が静かに微笑んでいらっしゃいます。
文字通り、仏様が大きな枝を広げた菩提樹の根元で悟りを開いているようすを
模したのだと思います。
夜は、木から下がった提灯にも灯が点り、あたり一面金色に輝くようでした。
街歩きに慣れてくると、方向感覚が働くので、わざと大通りを外して歩けるようになります。
これもその路地歩きで見つけたものです。
ようく見ると、赤かったり、ピンクだったり、緑色だったり、細い糸が垂れ下がっています。
確かめていませんが、たぶんガジュマルの気根ではないかと思います。
路地の道の端に 数えきれないほどの数の気根が
のれんのように垂れ下がっています。
1本1本がさまざまな色で、存在そのものがアーティスティックだなと感心しながら見ていました。
路地を歩くと、ガイドブックにない発見があるのが楽しみです。