三渓園1 「エバレット・ブラウン湿板光画展」

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 昨日、三渓園に行きました。

 昼間は、日差しがやわらかく、散策するには気持ちのいい日でした。

 昨日は、三渓記念館で特別展示されているーエバレット・ブラウン湿板光画展ーに

関連した特別講演会に申し込んでいたので、梅見を兼ねて行ったのです。

 上の写真に写っているのは、鶴翔閣(かくしょうかく)という建物です。

 建物全体を見ると、鶴が羽を広げて飛翔しているような形に広がっています。

 この建物は、三渓園を作った「原 三渓」が家族の住まいとして自ら建てたものでたいへん広いです。

 三渓は、自らも 絵も書もたしなみましたが、芸術への造詣が深く、

芸術家を育成することにも熱心な人でした。

 この鶴翔閣には、横山大観、下村観山ら数多くの芸術家が訪れていると

いわれています。

 その場所を使っての講演会です。

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  明治時代の建物ですから痛みもありますが、建物の良さを残しながら修繕し、

この建物を維持しています。

 格子の窓ガラスを通すと、見えているものすべてを過去へとタイムスリップさせるような気がします。

 廊下に漏れる光のすじも昨日は、暖かそうでした。

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  エバレットさんは、アメリカ人。

 写真家であり、日本のことを深く理解するために、

ここ数年は、千葉県で農耕に携わり、発酵という食文化にも挑戦している方です。

 日本の各地を回っていろんな古いものと出会い、

日本人よりも日本人の感性を備えている素敵な方とお見受けしました。

 今回は、この三渓園を対象に、

四季のある自然や 歴史を通り抜けてきた古い建物などを、

湿板光画という方法を使って写した作品を展示しています。

 私にはよくわからない技法ですが、

ガラスに薬剤を塗り湿ったガラスに露光させる方法だそうです。

 レンズも古い時代のものを使っているような話も聞きました。

 日本の古いものには、そこに宿る気配があり、

 その気配を写し撮るには、湿板光画が最適だと考えてのことです。

 露光にかかる時間や現像など難しいもののようですが、

焼き物の窯変にも似た偶然性が

その気配というものを醸し出しているような気がしました。

 

 三渓園を散策していると、特に朝早かったり、雨が降っている時には

三渓さんが 見ていてくれるような気がしたと話されてたのが、

心に残りました。

 三渓園には、奈良よりも奈良らしい、京都よりも京都らしい

空気感をもつ場所があると言っておられましたから、

 しげしげと通ってその気配とやらを静かに感じ取りたいと思いました。

 2月の報道写真展に続き、この写真展と

いろんな表現があることを知って、

少しは、肥やしにして写真を撮りたいと思ったのですが‥‥‥

 壊れたカメラに続くカメラもやっぱりそれほど変わらぬデジカメ、

(重いものはやっぱり持てません。)

望遠レンズが前より少しましになっただけなので、芸術写真は撮れません。

 せめて心を研ぎ澄まして自然に向かう心構えだけ学びたいです。

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 鶴翔閣の格子窓から見えていた黄色い花は、サンシュでした。

 この花も初春を彩る花ですが、もう満開。

 春も本番に近づいていますね。

 (三渓園は次回に続きます)