映画の2本目は、「カプチーノはお熱いうちに」。
イタリアのアカデミー賞である ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を
取った作品。
命もカプチーノも熱いうちだよ という意味のようだ。
私は、単純にイタリアが好きで、時々イタリア映画を観るのが秘かな楽しみだ。
この映画の舞台は、イタリアの長靴のかかとにあたるところにある レッチェ。
初めて聞く街の名だ。
アドリア海に面したとても美しい街である。
街の建物は、みな砂岩色していて、いかにもイタリアらしい。
この街は、日本では知られていないが、高級な避暑地なのだそうだ。
街からちょっと行くと、海が見える。
映画の一番初めのシーンは、ザーザー降りの雨。
急な雨で、人はバスの待合所に次々に走り込んでくる。
飛び込んできたアントニオが人の足を踏んだのに
あやまらなかったことをめぐって
主人公のエレナと言い争い、お互いに嫌な印象を持つが、
そのうちお互いに引かれあい、考え方が正反対の二人は結婚する。
ここまでは、わくわくどきどきの恋のお話だ。
エレナのカフェ経営も順調に行き、二人の子どもにも恵まれるが、
13年後、エレナは乳がんと診断され、闘病生活に入る。
人生のピンチ状態をどう乗り切るかを丁寧に写し撮っていく。
この映画には、ゲイの問題や、移民の問題や、ベジタリアンにかかわる話など
イタリアの今日的な課題も出てくる。
街角を走るスクーターが、ベスパだったのも、
私には、何だか嬉しい。
主人公のエレナとアントニオが恋に落ち、
オートバイで出かけたブルーの海の色が印象的で
映画鑑賞後もしばらくその色が脳裏に残った。
*上映はJack&Bettyで20日まで。