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渡り鳥と一緒に

近頃は、大岡川を通って鳥、特に渡り鳥を見るのを楽しみにしています。

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 この写真は、2月3日に撮ったもので、マガモです。

 カルガモと同じように、割合ポピュラーかなと思っていた割には、

この日1日しか私の前には現れませんでした。

 この日は、引き潮で水位が下がっていたので、

護岸に張り付いた藻を食べているようでした。

 この辺りは、海から10㎞も離れていない地点だと思われるので、

潮の満ち引きで、1mくらいは水位が変化します。

 ですから、津波が起きた時には、この辺りにも波が遡ってくることが考えられます。

 なんでこの辺りを水鳥が好んでやってくるのかと思っていましたが、

この緑色の藻を見るとわかる気がします。

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 これは、2月28日に撮ったもので、セグロカモメです。

 いつものユリカモメよりも一段と大きく、カゼキリ羽は、白黒模様、

足はピンク、嘴は、黄色です。

 3日前に通った時から、この浅瀬に打ち上げられていた鯉の死骸を食べていました。

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 これは、同じく2月28日に大桟橋へ出かけた時のオナガガモの写真です。

 ここは、川ではなく水上警察のパトロール船が停泊しているところです。

 二羽ではしけに付いた藻のようなものを仲良く食べては、パトロールしていました。

 

 鳥については全くと言っていいほど知らなかった私が、

昨年の11月ごろ、たまたま庭に現れた「アオゲラ」と「ツグミ」に触発されて

ぐっと鳥のことに興味を持ちだしたのです。

岸辺のヤービ (福音館創作童話シリーズ)

 もう一つのきっかけは、本です。

 この本は、梨木香歩さんの著作で、たまたまブログでえこさんが

紹介されていた本でした。

 この表紙の絵がとても気に入って、図書館に借りる手続きをとったのですが、

順番がすぐに回ってこないようなので、

梨木香歩さんのまだ読んでいない著作を数冊借りました

 

 その中にあったのが「渡りの足跡」という本です。

 渡りの足跡 (新潮文庫)

 

 これもまた表紙の写真が素敵で、読まないうちから心惹かれました。

 3月末に北海道知床半島オジロワシオオワシワタリガラス

北へ帰っていくところに出会いたくて行った旅から始まり、

初秋の新潟福島潟へ飛来するオオヒシクイ

諏訪湖に現れるオオワシ、果ては、ウラジオストックカムチャッカで繁殖をする

ウミバト、ウミガラスエトピリカ、チシマガラス、オオセグロカモメなどを訪ねる

旅の話も出てきます。

 また、この本の中には、人間の渡りについても書かれていて

単に鳥だけの話ではなく、梨木さんなりの渡りに対する考えを文章にした随筆です。

 この本の中に出てきたオオヒシクイが気になって、次に読んだのが、

なぞの渡りを追う―オオヒシクイの繁殖地をさがして (地球ふしぎはっけんシリーズ)

 

 この「なぞの渡りを追う」(池内俊雄 著)です。

 オオヒシクイの繁殖地を探して という副題が付いた児童でも読める本です。

 日本に渡ってきたオオヒシクイ(ガンの仲間)のほとんどは、

梨木さんが訪ねた新潟県の福島潟に飛来します。

 このオオヒシクイが3月になると北海道へ渡り、1か月滞在、そして北へ旅立つ。

 その時点では、だれもがまだその繁殖地を知らなかったのです。

 ロシアの学者の協力を得ながら、まだ誰も知りえなかった

繁殖先を見つける旅に出るというドラマティックな内容の本です。

 この中で、オオヒシクイヒシクイが比較されて出てきますが、

同じ仲間とは言え、繁殖地も、繁殖行動も違っていて興味深かったです。

鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡 (NHKブックス)

 

 同じく渡りの足跡の中で紹介されていた本で「鳥たちの旅」(樋口広芳 著)です。

 副題は、渡り鳥の衛星追跡。

 この本は、鳥に発信機をつけ人工衛星で繁殖先を見つける方法が書かれています。

 専門的な話も出てくる本です。

 

 鳥を研究している方々は、本当に鳥に対する愛情に満ち満ちていて

発信機を付けるときも鳥の負担にならないよう細心の注意を払うあたり、

人間的にも素晴らしい人たちだと思いました。

 極東地域では、日本、朝鮮半島、中国大陸北部、ロシアのことが、

そのほかにも、夏鳥の渡りでは欠かせない東南アジアのことも出てきます。

 

 鳥の繁殖地、越冬地、渡りの中継地と、どこも渡りには欠かせない場所なのです。

 一つが欠けても渡りには大きな影響があり、もしかしたら、

その種の絶滅に及ぶかもしれないのです。

 

 渡りの全貌を明らかにして自然環境の保全を図り、

鳥がこれからも生きていけるようにしなくてはなりません。

 国際的に考えていかなければならない時期が来ているようです。

 このように、国境のない鳥たちですので、各国の学者たちは、

必然的に一緒に活動することが多いのです。

 

 鹿児島の出水のマナヅル、ナベヅル、

ほかにもハクチョウ、サシバ、ハチクマが

おもな対象として出てきますが、

知らず知らず追跡する地点を想像し、

いっしょにドキドキしながら追いかける自分がいました。

 そして、樋口さんが最後に紹介してくれたのが、

アリランの青い鳥」(遠藤公男 著)

アリランの青い鳥(改訂版)

 

 鳥類学者の「元 洪九」(ウォン ハンク)一家は、

日本の占領下で苦しい時代だったけれども、

日本が敗戦するまでは曲がりなりにも親子が水入らずで暮らせていました。

 日本の敗戦後、朝鮮戦争がはじまり、

38度線を挟んで家族はバラバラになってしまいました。

 お父さん(ウォン ハンク)は、北朝鮮

幼い頃からお父さんと同じ仕事をやりたいと言っていた一番年下のピョンオーは、

38度線の南の地へと分かれてしまったのです。

 

 ピョンオーは、やがてお父さんと同じ鳥類学者となりますが、

手紙の行き来もままならず、お互いの消息すら分かりませんでした。

 日本占領時代の話は、読むのはつらいものがありますが、

シベリアムクドリが幸せを運ぶ青い鳥となったラストは、感動的です。

 

 後は、やはり樋口さんの紹介で知った映画が二本。

グース コレクターズ・エディション [DVD] 

 1本は、「グース」

 カナダガンシジュウカラガン)が卵から孵った時に初めて見たのが

この主人公の女の子。

 ガンは、刷り込みという習性から、孵ったひなたちは、

女の子を親と思い、どこにでもついていきます。

 夏が過ぎていきます。

ガンは、渡りをする鳥なので、秋になると南へと渡っていく

習性をもっています。

 でも、連れて行く親がいません。

 そこで、お父さんが、小さなウルトラライトプレーンで渡りの先導をと

いう計画を秘かに立てますが‥‥‥‥

 

 これは、ファミリー向けの映画(吹き替え)だったのですが、

ガンの生態について興味深い作品でした。

 

WATARIDORI ディレクターズ・カット -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

 

 もう1本は、「WATARIDORI」

 この映画も、知ってはいましたが、観ていませんでした。

 音楽と若干の鳥の渡りについての説明以外は、ナレーションもありません。

 様々な渡り鳥と同じ目線で鳥たちを追う臨場感あふれる映画です。

 

 フランス映画なので、ヨーロッパの渡りを多く扱っています。

 主な登場鳥

 ハイイロガン(地中海からスカンジナビアの間、3000km)

 クロヅル(イベリア半島から北方の森林帯4000㎞)

 オオハクチョウ(極東からシベリアのツンドラ地帯 3000km)

 インドガン(ガンジス一帯から中央アジアステップ地帯 2500km)

 アオガン(東ヨーロッパ縦断)

 モモイロペリカン(大陸を横断)

 中でもすごいのは、

 キョクアジサシ(北極から南極 20000km)

 

 樋口さんが、この映画のアドバイザーになっていたとのことですから、

たくさんの学者、カメラマンなどが参加して作られた映画のようです。

 作るのにたいへんな苦労があったことが想像できます。

 3年の月日をかけた映画だそうです。

 (どちらも古い映画ですので、レンタルで108円で借りれます。)

 

 のめり込むとどんどん深みにはまってしまう性質ですので、

この勢いをどこかで止めないと、ポーンと野鳥の会に入ってしまいそうなので

そろそろ私の渡りの本の旅を終えたいなと思っています。

 今は、主に庭にやってくる鳥たちと岩手県に住む自分や家族の生活のようすを描いた

とりぱんというコミックを読んでいます。

 ブログでこみちさんに紹介されました。

 

 鳥の渡りを調べているうちに、

 鳥は、生きるために渡りをしているんだ

ということが深く心に残りました。

 人間もいい加減に生きてはいけないなと

ひしひしと感じる旅でもありました。