*ご存知ない方へ
このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、
左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに
それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。
見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて
時々記録しているものです。
ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。
5月18日
スポーツセンターからの帰り大岡川へ来ると、「カワセミ会」の熟年男性たちが
カワセミポイントに集まっています。
(きっと何か来ているな)と、思って近づくと 視線の先に何かいるようです。
「何がいるんですか?」
と、聞くと
「カワラヒワだよ。」
とのこと。
向こう岸を見ると、春に黄色い花を咲かせていた菜の花(アブラナ)に停まって
鞘の中に入っている種をつまんでいるようです。
上にいたのがオスで、下のがメスだと聞きました。
スズメより尾が長くて、ちょっと大きいくらいです。
小鳥は軽いんですね。
アブラナが軽くしなるくらいで停まれるのですから。
尾の先がVの字に切れているところが1つの特徴です。
さて、ホシくんはどこにいるかな。
ウツギがきれいに咲いています。
ウツギの花の間からホシくんが見えました。
弘岡橋を越えたいつもの浅瀬にいました。
仲良くカメさん二匹と一緒にいましたと言いたいところですが、
いつもカメは顔を上げてホシくんの方を見ているし、
ホシくんも険しい目をしてカメの方を見ています。
にらめっこして遊んでいるのならいいですが、
私が見ていない時間に どんなドラマが展開しているのかわからないので
もしかしたら険悪な状態なのかもしれません。
だんだん水が上がってきます。
おもむろに立ち上がると、軽くカメたちをけん制してから
ひたひた寄せてきた水に口をつけます。
水を飲むとまた陸に上がりました。
「カメくん、何か言いたいことある!」
と、ホシくん。
「いいえ、別に。」
と、カメくん。
そんなところでしょうか。
5月24日
大岡川まで来ると、川岸の下にカニがいました。
体色は、赤っぽいですが何というカニかはわかりません。
大きいのと小さいのとペアーでしょうか。
ペアーといえば、カルガモさん。
いつもの場所に近づくと、カルガモご夫妻がお食事中です。
いち、に、さん、それ。
ちょっと方向が合わないね。
もう一度、いち、に、さん。
もっとずれちゃった。
いち、に、さん、
今度は、角度も方向もぴったり!
ようやく息がぴったり合いました。
カモ類は、潜ることはできないみたいで お尻を持ち上げてエサを見つけます。
「カルガモくん、もうそろそろヒナを連れてきてもいいんじゃないの?」
お食事中のカルガモくんをじっと見つめているホシくん。
ホシくんもおもむろに立ち上がったと思ったら、水の中に入りました。
ホシくんも、カルガモさんと同じことを始めました。
首を突っ込んで、お食事。
ホシくんもカモの仲間、やっぱりお尻を上に上げてますね。
カルガモくんが陸に上がっているのを見つけると
ホシくんもすぐに上がってきました。
ま ね っ こ です。
やっぱりカモは仲間だものね。
この日は、お天気も良くホシくんの定住の浅瀬にも
アゲハチョウのお客様がやってきましたよ。
5月25日
翌日の夕方です。
散らかっているので恥ずかしいのですが、ホシくんのテリトリーです。
左と右のようすを見比べてください。
あっという間に水が上がってきました。
潮干狩りの時に経験しましたが、潮の満ちる速さというのは本当に速いです。
いよいよ陸がなくなると、とたんに水に入りました。
と思ったら、潮の流れに逆らってどんどん下流に泳いでいきます。
すごく速いので早歩きでついていきました。
いつもはついていかないのですが、この日初めて付いていきました。
どこまで行くのか知りたいと思ったのです。
ずっと遠くだったらどうしようと思ったら、
一つ先の大井橋を越えた先にあったコンクリートの管のようなものの上に
私より早く到着していました。
いつも満ち潮の時は、そそくさと泳いでいくと思ったら
ここへやってきていたのです。
距離は2百メートルくらいしか離れていなくて
避難するにはちょうどよかったのでしょう。
1日に2度も潮の満ち引きがあるのですから、
その度に遠いところまで行くのはたいへんですよね。
ホシくんもハンディを抱えているから移動も大変、
いいところを見つけてよかったね。