ホシハジロ日記 その6

  

*ご存知ない方へ

 このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、

左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに

それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。

 見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて

時々記録しているものです。

 ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。

 

 この記事は、6月28日のものです。

 結構梅雨らしくたくさん雨が降った後で 大岡川の水かさも増していました。

 川べりの緑もぐんぐんと伸び、葉を茂らせ花を咲かせています。

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 地味な花ですが、トウネズミモチの花です。

 鳥が実を食べて増やしてくれているようで、

この辺ではたくさん生えている植物です。

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 これは、植栽されたものでクチナシの八重。

 川っぷちの歩道に植えられています。

 梅雨時の湿った空気に漂う香りは、控えめであり高貴です。

 さてさて、肝心のホシくんはどこにいるのでしょう。

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 満ち潮らしいので、いつものところにはいないと思って、下流へ進んで行くと

いました、いました。

 大井橋のところまで来ていました。

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 橋をくぐり始めました。

 くぐっても、なんだか嘴を水に浸けてぐずぐずとしています。

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 お腹がすいているのでしょうか。

 それにしても、きみの赤い目はチャーミングだね。

 まるでルビーのようだといつも思っているんだけど・・・

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 満潮の時の避難場所が見えています。

 「そこだよ、そこ。」

と、私が叫んだところで、ホシくんはわれ関せず。

 増水した川の水には、よほど美味しいものがあるに違いありません。

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 あれれ、通り過ぎてしまいました。

 いつもは満潮と見ると、すごいスピードでこの土管のような高みに

避難するというのに、今日は、一体どうしたのでしょう。

 

 ようやく戻ってまいりました。

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 トコトコとよじ登って、やっと着いたー!

 すっくと立つ姿は、なかなかかっこいいよ。

 いつものカメくんもいないし、今日は広々ホシくんだけの陣地だね。

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 左の脇腹、右のお腹もこすりたい・・・

 手がないから首使うしかないんだよね。

 お手伝いしてあげたいけれど、そういうわけにもいかないし。

 最後にバタバタと羽ばたいて終わり。

 でも、やっぱり、左は翼があがらなかったね。

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 やっと羽繕いが終わって、一安心。

 それじゃあ、帰るから、またね!

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 大井橋のたもとのお地蔵さん。

 ここを通ると、ホシくんの無事をお願いしています。