ホシハジロ日記 10

 

ホシハジロをご存知ない方へ

 このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、

左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに

それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。

 見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて

時々記録しているものです。

 ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。

 8月23日

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 大岡川へ出て川を覗いた瞬間、対岸にカワセミ君(オス)が来ていました。

 「この前、会ったよな。」

と、カワセミくんはおしゃべりする代わりに、大きな目で語っている気がします。

 「そうだよ。覚えていてくれたんだね。」

私も、小さな目で負けずに答えました。

 

 19日には、もっと下流にいましたが、同じ子だと思います。

 太陽の光を浴びるとエメラルドグリーンが鮮やかに浮き出してくるカワセミは、

川面を流れるように飛んでくるだけで、見つけられます。

 

 近頃は大岡川へ出た時に、満ち潮か引き潮か 護岸の水の浸かり具合と

流れの方向を見て、その日のホシくんの居場所の見当がつけられるようになりました。

 この日は、満ち潮から引き潮へ向かう最中です。

 たぶん、ホシくんは、大井橋の向こうの土管跡にいるだろうと思いながら、

ずんずん歩いて行きました。

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 大井橋をくぐったホシくんがぐんぐん上流へと向かってくるのを見つけました。

 カルガモさんたちも一緒に泳いでいきます。

 

 見つけたのは、もっと手前でしたが、水鳥の歩みは速くって

写真を撮ろうとぐずぐずしていたら、あっという間に通り過ぎていきました。

 

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 私もおちおちしてられません。

 流れに逆らっているのに、水鳥の歩みは意外と速いんです。

 急いで後をついていきました。

 ようやくいつもの浅瀬に到着です。

 先に着いたカルガモさんは、なんだか護岸に張り付いたまま。

 ホシくんは

(どうしたんだろう?)

と カルガモさんを横目で見ながら上陸しました。

 

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 上陸したはいいけれど、足の動きが止まってしまいました。

 (どきっ)

 そこには、先客がいるのに気がつきました。

 ここでカルガモさんが上陸しなかったわけがわかったようです。

 先客は、アオサギさん。

 サギは、大きいし気も荒そうだしね。

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 それでも少しずつ近寄ってアオサギさんが何もしてこないことがわかると

微妙な距離をとって毛づくろいを始めました。

 大雨の後で、ゴミがいつもよりたくさん打ち上げられています。

 とっ散らかっていて見苦しいところをお見せしてすみません。

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 アオサギの師匠と一緒に毛づくろいに忙しいホシくん。

 今日も会えてよかった!