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ホシハジロ日記 11

*ご存知ない方へ

 このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、

左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに

それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。

 見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて

時々記録しているものです。

 ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。

9月4日

この日は、満ち潮。

たぶん、ホシくんは土管の上にいるだろうと見当をつけて歩いて行きました。

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 当たり!

 予想した通り、土管の上にホシくんが座っていました。

 

 護岸のヒメツルソバの葉が赤く紅葉し始めました。

 ヒメツルソバは、ピンクの金平糖のような花をつける

グランドカバー用の外来植物ですが、

今では雑草化して こんな狭い護岸にも生えるようになりました。

 

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 対岸へ廻ってそろそろ帰ろうかと思ったら、ホシくん、立ち上がりました。

 いつまでいてもきりがないので、やっぱりこれを機に帰ることにしました。

 この日も元気そうでよかった!

 

 9月10日

 この日、観音橋そばの水位を見ると、やはり満ち潮。

 ホシくんは、土管だなと思いながら歩いて行きました。

 

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 たくさんの魚が上流に向かって泳いできました。

 おおっと、今日のは特別大きい。

 体長が30cmくらいありそうです。

 いつもは、15cmから20cmくらいなのに。

 これって、やっぱりボラですかね?(魚のことはよくわからない)

  満ち潮の時は、魚もたくさん上がってきているようです。

 

  時々、魚を見ながら、

もしも釣り人から「ボラをどうぞ」と分けていただくことがあったら、

食べるべきか食べざるべきか、考えることがあります。

 まだ言われたことがないので、こういうのを杞憂というのでしょうか。

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 ホシくんは、予想通り土管付近にいました。

 うろうろ泳いでいます。

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 よく見ると、口ばしのまわりに泡が立っているので、食事中のようです。

 きっとお腹がすいていているのでしょう。

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 この真剣な表情を見てください。

 私が手すりの金属のところに持っているものをぶつけた時に出た

コーンというような音に反応して近寄ってきたのです。

 始めはよくわからなかったのですが、

金属音がするたびにホシくんは向きをこちらに変えて突進してきます。

 そのまま護岸をよじ登ってきそうな勢いなので、正直びっくりしました。

 こんなホシくんを見たのは、初めてです。

 

 ちょっと前に、今私がいる場所にご近所の方と思しき女性が

ホシくんを見て立っているのをふと思い出しました。

 ホシくんを優しく包むように見ていたので

もしかしたら、ホシくんは、ここにいる時に、その女性から

何かエサになるものをもらっているのかもしれないなと思いました。

 あくまで想像ですが・・・

 

 私は、野生の動物にはえさをやるつもりはないのですが、

その真剣な表情を見て、餌が足りてないのかなとちょっと切なくなりました。

 後ろ髪を引かれるような気持ちになりましたが、

この日はこれで帰ることにしました。

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 帰ってくる道々、

「お母さん、黒い鳥がいるよ。カラスじゃないみたい。」

と、幼稚園くらいの男の子がお母さんに話しているのが耳に入りました。

 子どもは、大人よりよく見ているなと思いながら、

カワセミポイントの木の下にカワウがいるのを見つけました。

 

 しばらく見て帰ろうとすると、

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 「見て見て!」

と、引き留めるように羽を広げて見せてくれました。

 クジャクならみんなが集まってくるのでしょうが、残念ながら観客は私一人です。

 「すごい、すごい!」

と、小さく拍手してあげました。

 カワウも久々の太陽に体を温めているのかもしれません。

 

 この日は、ホシくんのすがるような真剣な目が痛く突き刺ささりました。