冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その1

 写真は、伊豆沼です。

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 去年の冬、横浜の大岡川にも冬鳥が来ているのを見たのがきっかけで

野鳥に興味を持ち始め1年が経とうとしています。

 たくさんの本を読んだり、DVDを見たりしながら調べているうちに、

マガンが宮城県の伊豆沼・内沼に飛来していることを知り

ぜひ実際に見たいと思っていました。

 10月下旬には多数のガンは渡ってきているのを知って、

11月4日から6日まで出かけてきました。

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 今回行ったのは、宮城県北部、栗原市にある伊豆沼です。

 ここは、北海道の釧路湿原に続き、日本で2番目にラムサール条約

登録されました。

 日本に飛来するマガンのほぼ8割から9割がここで越冬。

 多くの飛来は、水が凍らないこと、周りに田んぼがたくさんあることが

その理由に上げられるようです。

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 新幹線の栗原高原駅からタクシーで10分のところにある

ウェットランド交流館というところに宿をとりました。

 交流館の窓からは、この伊豆沼の風景が手に取るように見え、

マガンやハクチョウやカモたちの声が沼から這い上がってくるように聞こえます。

 

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 さっそく夕方のねぐら入りを見るために、

宿から15分くらい歩いた「獅子が鼻」といわれる土手に行ってみました。

 日の入り前、ガンはまだ帰ってきていません。

 枯れた蓮の茎がいろんな形を作り、それが水面に映って静けさを感じさせます。

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 西の方から帰ってきました。

 この日過ごしていたまわりの田んぼから一家族や

もっと大きな単位の家族が一緒になって次々沼をめざして飛んできます。

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 北からも南からも東からも飛んできます。

 歌にもあるように、「鍵になり、竿になり・・・」帰ってきました。

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 ぶつからないように高度もいろいろで、低く飛んでいくのもいます。

 

 スピードを上げて飛んできたガンが沼の水面が見えると、

翼を動かすのをストップし、左右に体をくねらせて落ちてゆく姿は、

ちょっとユーモラスでした。

 飛行機の錐もみ状態と同じで、それを落雁と呼ぶようです。

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 沼が蓮で覆われているため、水があるところに着水するので

この時間帯は、ちょっとしたラッシュ状態で宿の方も、

「今日は、黒い団子状態でびっくりした。」なんて話していました。

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 10月21日で55000羽くらい来ているということでしたので、

もう8万羽にはなっているのではないでしょうか。

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 西の空がわずかに明るんでいますが、陽が沈みました。

 ガンたちは、今日1日の出来事をしゃべっているのかいつまでも声は止みません。