冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その2

午前5時起きで、昨日の夕方ねぐら入りを見た同じ場所へ。

まだ辺りは暗いのですが、東の空には太陽の気配がしています。

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 この土手には、すでにたくさんの車がずらっと停車し、

三脚を立ててカメラをセットしている人が鈴なりです。

 みなさん、太くて長い、素晴らしいカメラをお持ちです。

 コンパクトカメラは、おそらく私一人だったでしょう。

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 だいぶ明るくなってきました。

 赤い雲を水面に映しながら、徐々に朝がやってきます。

 蓮のオブジェも鳥がいるのも見えてきました。

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 ガンたちは、とっくに起きていたようでお食事中です。

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 午前6時過ぎ、飛び立ちました。

 沼を飛び立つのは一斉なんです。

 いつどのガンが合図をするのか、

それとも各々が明るさを計る照度計を持っているのか、とても不思議な光景です。

 水面から飛び立つ瞬間を撮りたいと思うのですが、間に合いません。

 飛び立ってから数秒後にやっとシャッターを切るので、

こんな写真になってしまいます。

 ガンの飛び立ちは姿だけでなく、声もすごいのです。

 一斉に「キュルキュル」と鳴きながら飛び立つのですから、

それはそれは大迫力です。

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 自分の餌場へと思い思いの方向へ飛び出します。

 この日の日の出はいつまでもどんよりとしていましたので

日の出の太陽を背景に飛び立ちを撮ろうとしていた人には

ちょっと残念だったことでしょう。

 行っていらっしゃい!

 

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 昨夕宿に着いた女性「Oさん」とここで出会いました。

 「Oさん」は、車できていたので、私を隣の内沼へ誘ってくれました。

 車で2,3分くらいのところに内沼があります。

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 内沼は、見てもわかるように、伊豆沼より小さい沼です。

 こちらには、まだガンがたくさんいました。

 どうも、雲が多く暗かったのか、飛び立ちが遅れているようです。

 ハクチョウは、毛づくろいに余念がありません。

 ガンたちは、いつ飛び立とうか思案中なのでしょう。

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「Oさん」が食パンをたくさん持ってきて

「コッコちゃん、コッコちゃん、おいで。」と言いながらパンを投げるので、

オオハクチョウオナガガモがすぐ近くまでやって来ます。

 中には、取り合いをして喧嘩するのもいたりして

姿は優雅なのに、気が荒い鳥なんだと思いました。

 野生の鳥にとって、食べ物は死活問題ですから、恨みは大きいのでしょう。

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 灰色のは、今年生まれた幼鳥です。

 3500kmくらいを親と一緒に飛んできたのです。

「Oさん」は、この子たちに優先的にあげようとしていました。

 成長は、大きな声を出して要求しますが、

この子たちは、まだ大きな声も出ないので どうしても負けちゃうのです。

 

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 オオハクチョウの陰でちょこまか動いているのは、オナガガモです。

 オスが2羽、後はよく見ないとわかりませんが、メスと幼鳥らしいです。

 小さくても、ハクチョウよりも素早くパンを取り、

その場を去る俊敏な動きには感心しました。

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 「ちょっと、ちょっと見てよ!」

 羽を広げると私などよりもずっと大きなハクチョウです。

 時には、冷たい風に逆らいながら翼を動かしてやってきたハクチョウの

胸の筋肉に思わず見取れてしまいました。

 オオハクチョウは、体重が12㎏くらい。

 10㎏のお米の袋よりも重いのですから、体を持ち上げるだけでも大変です。

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 満を持して、ガンが飛び立ちました。

 伊豆沼のが飛び立ってから30分くらい遅れての飛び立ちです。

 残ったハクチョウは、大好物の蓮を食べたりできるので、

あわてて田んぼへ飛び立って行かないようです。

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 この2羽は、きっとご夫婦でしょう。

 因みに、白鳥の寿命は20年くらいだそうです。

 一度ペアーになると、どちらかが不慮の事故や病気で亡くなったりしない限り

一生添い遂げるのだそうです。

 健げな感じがするのはどうしてでしょう。

 ガンも同じです。

 そういう鳥は、メスもオスも外見上はっきりとした違いがありません。

 

 カモは、寿命が5年程。

 しかも毎年ペアーを変えるので、

オスは、メスから選ばれるように美しく強くあらねばならないのだそうです。

 メスの前で求愛のダンスも踊れなくてはならないし、結構大変そうです。

 人間のオスの方が楽かもしれませんね。

 

 午前七時、そろそろ朝ごはんの時間なので私たちも帰ることにしましょう。

「ハクチョウさん、ゆっくりお休みください。」