冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟3

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 雨が小降りになったので、潟口橋を渡りビュー福島潟の対岸にあるという

オニバスの自生地を訪ねてみました。

 オニバスというのは、東南アジア産の大きな蓮かと思っていましたら、

日本に昔から自生していたそうです。

 ここでも、潟を干拓して田んぼを増やしていく開発の過程で、

一時は絶滅したと思われていたのですが、

辛うじて残っていたものを保護して今日に至っているということです。

 日本の各地にあったものもどんどん消えていったそうです。

 現在では、福島潟が北限となっているので、観光資源にもなっています。

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 この辺りがその自生地らしいのですが・・・

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 どうもこれが茎の一部のようです。

 オニバスは、一年草の植物なので、冬は枯れて何もありません。

 葉や茎には大きな棘があり、葉は大きいものだと2m近いものがありますが、

花はそれに比してもっと大きいのかと思ったら、

直径10cmくらいの小さな花だそうです。

 違う季節に来る楽しみが1つできました。

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 自生地のすぐ後ろに水田が広がっています。

 朝飛び立っていったコハクチョウオオヒシクイが仲良く田んぼでお食事中です。

 

 いっしょに観察している人たちとお話しすると、米を食べに行くといわずに

「ここの鳥たちは、コシヒカリを食べに行くんだ。」と さも自慢げに話されるので、

この辺りの方は、コシヒカリのことをとても誇らしく思っている節が窺えました。

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 (ちょっと遠くからで、ぼけた写真ですみません。)

 オオヒシクイは、特に神経質な鳥なので、300mくらい離れたところでも

警戒して首を上げて様子をうかがうようなところが見られます。

 その中の一羽が飛び立つと仲間はことごとく飛び立ってしまいます。

 

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 行く途中にあった、カモ打ち小屋です。

 ちょうど、真ん中より右に寄ったところにあるヨシで作った小屋で、

ヨシ原と同じように見せて鳥に警戒感を持たれないようにして

猟をしていることがわかります。

 ここは、公園内になるので、実際には使われていないのだと思います。

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 ちょうど菱風荘の隣に、「環境と人間のふれあい館」があります。

 近くを流れる阿賀野川水系で起こった新潟水俣病の原因や現状などを

この地域の人々の生活のようすと合わせて展示されているところです。

 阿賀野川水系にあった昭和電工の工場からのメチル水銀を含んだ排水によって

引き起こされたのが新潟水俣病です。

 阿賀野川流域に住む人たちは、川の恵みの恩恵を受けて暮らしてきたので

当然魚も食べただろうし、ごく普通に生活していてこの病気にかかったわけです。

 たくさんの人が亡くなり、今もなおその病に苦しむ人もいます。

 熊本の水俣病と同様、まだ患者さんの認定などの裁判は続いており、

決して過去の問題ではないことを知ることになりました。

 この館は、将来にわたってこのような公害で苦しむことがないように

作られたものだそうです。

 

 おまけ

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 夕方になって、ビュー福島潟のカフェで食べたオニバス。

 抹茶色のオニバスの葉を模した焼き菓子です。

 (つづく)