冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟4

 20日は、福島潟の旅の最終日でした。

 やはり朝早起きをして、雁晴れ舎まで飛び立ちを見に行きました。

 まだ曇っていましたが、雨は降らない予報でした。

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 コハクチョウは、水かきで水面をたたきながら加速をつけていきます。

 結構体が重いので、本当に大変そうです。

 実際には、バシャバシャと水面を打つ水しぶきの音しか聞こえませんが、 

「わっせわっせ」という声が聞こえてきそうな気がしました。

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 前日と違って鳥は、天気をしっかりと読んでいるのか

コハクチョウオオヒシクイも次々と飛んでいきます。

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 体が浮くと見ている方もほっとします。

 まわりのカモたちは、ハクチョウの大騒ぎにもさして驚く風もなく

平然としたものです。

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 今日は、いい日和になりそうです。

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 帰り道のハンノキにツグミが止まっていました。

 ツグミと出会ったのも去年の今頃、1年ぶりの再会です。

 去年、突然姿と名前がわかった鳥です。

 興味がないと、たとえ目の前に来ていたとしても’目に入らないものだということを

このツグミを知ることで経験しました。

 

 このツグミシベリアから長い旅を経てやってきた渡り鳥だと知って、

思い入れも一段と強くなりました。

 今年は、うちの方へはまだ来ていません。

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 青い空がのぞき始めました。

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 昨日の雨のしずくを宿したノイバラの赤い実。

 

 この日は、午前十時から福島潟の鳥の観察会へ申し込んでいたので

宿へ帰って朝ごはんを食べてから、ビュー福島潟まで出かけました。

 

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 私のほかには、近所に住む女性と佐潟のレンジャーの男性とお子さんを3人連れた

家族連れの参加でした。

 案内人は、福島潟のレンジャーの若い男性と女性。

 三脚付きの望遠鏡を持ちながらめぼしい鳥がいるとすぐに見せてくれます。

 

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 歩き始めてすぐに見つけたのがこのノハラショウブです。

 茎も私の背丈よりも高く、びっくりです。

 今年は、10月の終わりが寒かったりして植物も季節を違えてしまったようです。

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 遠くの木に止まっていたノスリです。

 草の中に潜む野ネズミなどを主に狙うようですが、猛禽類ですから小さい鳥は

油断できません。

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 遠くで、カルガモオオヒシクイか定かではありませんが、

嘴のところに空き缶が刺さっています。

 エサが取れないのではないかと心配な状態です。

 水鳥もいろんな困難に立ち向かわなければならず、

生を全うするのは大変なことだと思いました。

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 ヤシャブシに似た実をつけていたので、てっきりヤシャブシかと思ったら

ハンノキだそうです。

 ここは、湿地なのでハンノキの成育には適しているのでしょう。

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 そこここの樹の割れ目にカタツムリがいました。

 冬眠にちょうどいいのかもしれません。

 小さい子どもは、遠くの鳥よりもカタツムリだとか、

草原を飛ぶバッタに興味があるようで捕まえるのに一生懸命でした。

 

 ビュー福島潟へ戻ったのがちょうどお昼でしたので、

3階のカフェ「まこも」でお昼を食べました。

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 ヒシの実入りのちまき定食です。

 ヒシの実は、特にくせはなく、ゆでた落花生のようなホクホクした食感でした。

 オオヒシクイは、このヒシの実を食べるというところから名前がついているので

どんな食べ物なのかすごく興味がありました。

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 上の階に行くとヒシが展示されていました。

 左は、花と葉、右の黒いのは、オニビシの実です。

 どちらも菱形をしています。

 菱形の言葉の由来は、この植物からきたもののようです。

 ついでに、

忍者が撒いた「まきびし」は、この黒いとがったヒシの実を使ったそうです。

 

 ハクチョウの食べ物のレンコンも、ヒシクイのヒシの実も

長い旅を支える滋養のある食べ物だということがわかり、

自分の食べ物にも生かしたいなと思った次第です。

 

 旅から帰って、一週間くらいしたころ、福島潟からそんなに離れていない瓢湖

鳥インフルエンザのハクチョウが出たということでした。

 人間にとっても家禽に移ることは、死活問題ですが、

渡り鳥にも拡がらないよう祈りたい気持ちです。

 

 福島潟の旅はこれでおしまいです。