東京湾フェリーで房総へ

 東京湾フェリー 久里浜港

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 4日の月曜日、久里浜から東京湾フェリーに乗り、友だちの家へ。

 3年ぶりの訪問なので、今回は金谷港からロープウェーへ乗って

東京湾の景色を眺めようかと計画していたのだが、

朝6時半、電話が入って房総半島は雷が鳴ってすごい雨で視界もないとの知らせ、

今回は、鋸山登頂はあきらめることにした。

 こちらも曇っていて、今にも雨が降りそうな天気。

 休日だと駐車場にたくさんの車が並んでいるのだが、月曜日ではお客さんも少なくて

たぶん10台くらいしか乗らなかったのではないだろうか。

 

 午前10時20分、出港。

 蒸し暑いのだが、さすがにデッキは寒そうで、

冷房の効いた客室のソファーに座り、浦賀水道を行き交う船を眺める。

 

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 雲でどんよりとした空なので、海の色も冴えない。

 対岸も煙っている。

 港を出ると青い旗を立てた小さな船が前を通り過ぎていく。

 後から聞いた話では、青い旗は、漁船が操業している印なのだそうだ。

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 浦賀水道は、東京湾と外海を結ぶ船の往来だけでも大変な数なのだが、

このフェリーだけは、南北に進む船の間を東西に横切るので目が離せない。

 

 前を行く小さな白い船は、猛スピードで進んで行くのだが、

このままフェリーが同じスピードで進めば接触するのではないかと心配していたら

やはり、舵を左に切って船をやり過ごしているのがわかった。

 見ているだけでもなかなかスリリングである。

 このフェリーの舵を預かる船員さんは、楽ではないなと思われた。

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 ちょうど真ん中あたりで、金谷を出港した「しらはま丸」とすれ違った。

 船は、互いを左に見るようにしてすれ違うようだ。

 ここで久里浜を出て20分。

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 ちょうど、11時。

 予定通り、無事金谷港へ到着。

 この狭いところでフェリーはUターンをして向きを変えて接岸するのだ。

 

 友だちが改札のところまで迎えに出てくれていた。

 この年になると、3年は結構大きなブランクで、

頭の髪の毛がうすくなったなとか、しわが増えたなとか思うものである。

 私がそう思ったのだから、同じように思われているんだろうなと思いながら

再会の挨拶をした。

 もちろん、そんなことはお互いに口には出さない。

 

 前から地魚の寿司が食べたいと言っていたので

友だちは、列車で何駅か先の安房勝山まで車で連れて行ってくれた。

 富津市ではなく、安房鋸南町となる。

 お寿司屋さんは、いつもは11時半からだが、今日は都合で12時からだというので

勝山港の辺りをぶらぶら散歩して時間をつぶした。

 港の上にある山の上に小さなお城の屋根のようなものが見えた。

 ここは、昔はクジラ漁をしていたとかで、その物見台だったところだそうだ。

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 12時に戻って、お昼を食べた。

 このお店の名前は、「惣四郎寿司」。

 ごくごく普通の街のお寿司屋さんという感じの小さな店だ。

 お手軽・お得なセットメニューというのがあって、これはAセット。

 寄せ物のデザートも付いて1,050円。

 かつお、たい、たちうおなどちゃんと、ネタの名前も書いたメモがあったが、

老化で名前をすべて覚えられない。

 すし飯が小さいので、男性はこれでは物足りないと思う。

 焼き鯵のついた味噌汁は、初めてだ。

 (Bセットというのは、これになめこそばが付いている。)

 

 同じ町にある廃校になった学校をリノベーションして作った道の駅にも寄ってみた。

 写真はないが、食堂・カフェ・お風呂・お土産売り場のほか、

ここには、教室を使った宿泊施設がある。

 廊下には、「長い廊下には、走らないでください」という標語も貼ってあり

インテリアとしてのランドセルや靴いれ袋も下げてある。

 合宿や集団の研修には向いているかもしれないが・・・私は、ちょっと遠慮したい。

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 帰りながら、コーヒーを飲もうということになり、

この岬カフェに行ってみた。

 私は、映画を観ていないが、「ふしぎな岬の物語」という映画のロケに使われたカフェである。

 吉永小百合がここの女主人、阿部寛がそのすぐそばの小屋に住む青年という設定らしい。

 映画の写真を見ると、ペンキがはがれた素朴な感じの建物になっているのだが、

今はずいぶんときれいになっている。

 ロケに使われたということで月曜日だというのに、

店が埋まるくらいお客さんが来ていた。

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 ジャズが流れるカフェ、コーヒーは一つ一つ違うカップでサーブされる。

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 窓からも行き交う船が見える。

 晴れた日だとここは、とっても気持ちのよい居場所になるだろう。

 ここにソーダ水をおいたら、貨物船が映るかもしれないなと思いながら

ちょっと酸味の強いコーヒーを飲みほした。

 

 富津の友人宅で一休みして、

帰りも金谷港まで送ってもらい、フェリーで久里浜へ戻った。

 本来夕日が見える時刻なのに、そんなドラマもなく

快い疲れと船の揺れでちょっと目をつぶっている間に到着してしまった。