宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅1

 18日、19日と去年に引き続き、宮城県のラムサールトライアングルの見学ツアーに参加してきました。朝早くうちを出たので、まずは腹ごしらえ。東京駅でさっそく駅弁を買って食べました。

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 これは、「野菜弁当」。以前から「野菜弁当」なんてあったかなあとふと考えましたが、たぶんなかったと思います。近頃は、それだけベジタリアンも増えて需要があるということなのかもしれません。単にサラダっぽいものだけでなく、油で揚げたものやカボチャを甘く仕上げたデザート風のものも入っていて、それなりに工夫されているようです。

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 ここから突然宮城県です。

 東北新幹線で約2時間半、「くりこま高原駅」で下車します。今回は友人も一緒だったので駅でレンタカーを借り、ナビを使って栗原市から25キロくらい離れている隣の登米(とめ)市まで昼食を食べに行きました。レンタカーを借りたら隣の市まで行って食べようと思っていたものがあったからです。登米市というのは、宮城県でも有数のひとめぼれの米の産地です。道中刈り取ったあとの茶色い田んぼがずっと続いていました。

 

 この街に一時宮城県の県庁があったというので昔懐かしい木造の洋風建築の建物やら古い酒屋や味噌やが集まっていて、歩いて回る価値のありそうな町です。街の東側に東北の大河、北上川がとうとうと流れています。昔からこの川を好ましく思っていたので蛇行して流れているその先へも行きたくなります。川岸の大きな木の上に猛禽類の鳥がじっと止まって川面を見つめていました。近づいて写真を撮ろうとしたら、対岸へ飛び去ってしまいました。近頃は、景色の中に鳥の姿があるとどうしてもそこへ目がいってしまいます。大きさといい、色といい、おそらくトビだと思います。

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 土手の上に車を停めて、下りたところにお目当てのうなぎや「清川」があります。江戸時代から続いているうなぎ屋さんですが、建物も新しくされたようで快適な空間になっていました。2階の部屋から北上川の景色を見ながら食べることができます。

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 私はうな重、友人はひつまぶし。どちらも肝吸いと漬物が付いています。それに肝焼きを余分に注文しました。夏場だと北上川で捕れるうなぎが食べられるそうですが、今の時期はないそうなので養殖うなぎでしたが、うなぎもご飯も多くて満腹を通り越した感がありました。伊豆沼へ2回目に行った時は、このうなぎを食べようという思いが叶いましたが少々苦しかったです。

 どなたから「ベジタリアンになるんじゃないの?」という突っ込みが聞こえてきましたが、こういう時は、居直って美味しいものを食べることにしています。ただ間違ってもステーキには手を出しません。うちではベジをめざして日夜野菜、大豆製品、キノコ、海草(たまに魚)の生活を続けております。

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 うなぎを見に来たわけではないので、すぐに折り返して伊豆沼の東側へ戻ってきました。ここは、東北本線の「新田駅」の近くで「野鳥観察センター」の古い建物がある小さな池のようになったところです。

 去年も立ち寄りましたが、やはりオナガガモがたくさん、それにオオハクチョウとほんの少し黒いキンクロハジロもいました。ここは、お客さんが米を膨らませたポン菓子をくれるので、オナガガモは、人懐っこく土手にも上がってきてついばみます。ハクチョウは、その辺は悠長でうまく食べることができなくてカモに取られてしまいます。

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 オオハクチョウの成鳥と灰色の幼鳥です。今年シベリア方面で生まれて数か月で3000キロから4000キロを親と一緒に飛来してきたのかと思うと「よく頑張ってきたね!」と声をかけたくなります。鳥というのはこの1回の飛行でルートや目的地をちゃんと覚えて次回からも間違いなくやってこれるというのですからすごい能力が備わっているのだと思います。

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 車で10分くらい西へ移動して内沼へきました。去年は、一人で土地勘もなかったのでこの道をずっと歩いて行き来していました。歩いているとコスモスのピンクやケイトウの赤が際立っていたなとか、赤とんぼやヒョウモンチョウがとんでいたなとか、ガンが鳴きながら飛んでいたなとかそんなことが、思い出されるものですが、車だとすぐに着いてしまうのでそんな余禄はありません。

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 またオナガガモがたくさんいます。こちらの黒い鳥は、オオバンです。谷津干潟でもオナガガモが優勢でしたが、今はオナガガモがたくさん押し寄せてきているのかもしれません。

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 オオハクチョウが毛づくろいをしています。大きなおなかが水について冷たくないのかなと思いますが、翌日案内してくれたガイドのお兄さんの話によると、お尻のところからろうのようなものが分泌されていて、それを体に付けて水をはじかせているので、こちらで思うほど冷たく感じていないそうです。足はいつも水に浸かっていますが、足の途中に熱交換システムが内蔵されていて、体からの温かい血液と足元から上がってくる冷たい血液が入れ替わるようになっているというような説明を聞きました。難しくてその辺りはこれ以上よくわかりません。それにしても大きなおなか、レンコンやお米をたくさん食べて満腹状態なのかもしれません。うな重で満腹の我がお腹をみるようです。

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 黒いものが背中に乗っているなと思ったら、水かきでした。ハクチョウの足は、意外と短くて太くてしかも黒いんですね。なんだかこうやって見る前は、アヒルと一緒で黄色い足と水かきというボーとしたイメージがありました。「あっらよっと」と言っているわけではないのでしょうが、フラミンゴのように1本足で立つこともあるのは、新発見でした。去年も見ているのに、見ているようで見ていないことってあるものだと思いました。左のハクチョウがくちばしにお弁当を付けていますが、それがポン菓子です。通りの反対側にある昆虫館で100円で売っているのを買うのです。それが野鳥保護の寄付になります。

 本当は、この日は午後から雨の予報でしたが、何とか持ってくれました。午後4時、伊豆沼の宿泊施設ウエットランド交流館へ行く途中、車を停めて、四方八方の出先から帰ってくるマガンたちをしばらく見上げておりました。ねぐら入りです。

 続きます。