宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅2

 23日付のブログの続きです。

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 19日明け方の獅子が鼻(伊豆沼をせき止めている西側の堤)です。朝5時半に伊豆沼のサンクチュアリセンターに集合して、ここまで車で連れてきてもらいました。日の出前のこの時間は一日のうちでも一番気温が低く、この日は晴れていたので一段と冷え込んでいます。靴下2枚、重ねズボンの上にレッグウオーマー、ライトダウンにゴアテックスの上着、耳あて、毛糸の帽子、マスク、手袋 去年の寒さを覚えているので、ダルマのように着ぶくれて夜が明けるのを待っていました。

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 だいぶ明るくなってきたところです。風も弱く、東の空の雲が少ないので今年は結構いい飛び立ちが見られるなと期待していました。

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 東の空が茜色に染まり、第一陣のマガンが飛び立ちました。でも、まだ一斉にという感じではありません。飛び立ってもなぜかUターンして戻ってくるマガンの群れも見受けられます。

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 飛び立ちが一区切りつき、しばらく元の静けさに戻ります。まだたくさん残っているようです。

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 太陽がちょっと顔を出し、まわりの雲は金色に縁どられています。

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 日の出です。太陽の光線が沼に金色の帯を引き沼全体が輝いて見えました。そろそろ飛び立ちが始まりそうな予感がします。今年の日の出は素晴らしい!

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 光線が強くてまっすぐに太陽を見ることができないくらいです。写真に撮ると四方八方に拡がる光線がピンク色に見えるのに気づきました。沼の中では、そろそろだぞとウオーミングアップしているのもいるはずですが、そこまでは見えません。

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 だれが合図を送ったのかはわかりませんが、2回目の飛び立ちです。

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 2回目でほぼ全部のマガンが飛び立ちました。去年は、西からの風が強くて西へ向かおうとしたのは、風に押し流されて沼へ戻ってきたㇼ、南や東へと方向転換したりなかなかそろわなかったのですが、今年は見事に思う方向へ飛び立つことができました。美しい日の出とマガンの飛び立ちの瞬間を見るとまた来年も来てみたいと思うのです。

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 一区切りついたところへ手拭いで作った袋に小鳥を入れている男性が現れました。手に持っているのは、ウグイスです。こんな近くでまじまじと見たのは初めてです。美しい毛並です。ガイドさんが、この方は、バンダーだと教えてくれました。バンダーというのは、野鳥調査のためにカスミ網で鳥を捕まえ、必要な情報を記録した足輪をつけて離し、また捕獲した時に足輪がついていたら、その情報を提供するボランティアなのだそうです。こうやってこの地域の鳥の生態の研究に役立てるということです。

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 次にまた袋から出して見せてくれようとしたら、一羽逃げてしまいました。エナガだったそうです。私たちのためにもう一羽出して見せてくれたのが、この子です。「羽がウグイスよりもきれいだろう。」と 広げて見せてくれました。これも始終見ているシジュウカラなのにこうして見ると確かにとても美しいと思いました。こうしたボランティアは全国で450名ほどいるということ、バンダーになるにはバンダーとしての鳥の知識や実地訓練も必要でだれもが成れるというわけではないということが後で調べてわかりました。

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 午前七時、マイクロバスでセンターに戻って来て朝食です。寒かったのでこの朝食が昨年もすごく嬉しかったのを思い出します。さっそく湯気の上がった朝食をいただきました。日曜日だけセンターでランチ食堂を開いてくれている農家レストラン「四季味」さんが、今日のような朝のイベントがある時だけは明け方から用意をして出してくれるのです。去年の朝食と同じメニューを期待していたらその通りでとっても嬉しかったです。

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 野菜が盛りだくさん入った豚汁、しかも薄味でいうことないです。サラダや漬物、それにとろろご飯です。このとろろご飯は、出汁が効いていて皆さんとろろだけをお代わりしていたくらい絶妙な美味しさなんです。

 農家さんですから野菜は自家製、米も有機栽培のもの。奥様は料理がとても上手で、この地域の料理の講習をされているそうです。ご主人のことをいつも立てて、「このご飯は、うちの主人が夏の暑い時に田んぼの草取りに汗を流して作ったものです。」と挨拶されます。残念なことですが、今年はとうとう米作りをやめることにしたので、来年はこのご飯は出せないし、日曜日のレストランもどうするか決めていないと言っていたのが、すごく寂しかったです。

この続きは次回に。