先週水曜日から3泊4日で長野県へ出かけていた。
昨年9月に行った友人の知人の別荘へ滞在。
梅雨が明けているといいけれどと決めた日程だったが、梅雨どころか毎日毎日が猛暑日の横浜。ここを抜け出られるだけでありがたい。
下界の暑さをよそに着いた日の午後の気温は23度。窓を開ければ涼風が入り、エアコンも扇風機も必要がない。被災地では、毎日この暑さの中懸命に働いている人たちがいると思うと申し訳ない気持ちになる。
着いた翌日は、美ヶ原へ出かけた。
昨年は、9月に入ってからだったので高山植物も少なかったが、今年は夏の盛り、しかも高原の花も下界の花と同じように例年より前倒しで季節が進んでいるようだ。
駐車場から南の方角に頭を雲の上に出した富士山が見え、西の方には、雲の上にわずかに槍ヶ岳のとんがり帽子が見えた。天気は去年よりもずっとよかったにもかかわらず北アルプスの山はその一瞬のみで再び姿を見せてはくれなかった。
歩き出すとすぐに目に飛び込んできた花は、「ハクサンフウロ」と「ウツボグサ」。薄いピンクの花と紫のお花畑は、ロマンチックな気分にさせる。
去年と同じように両脇に牧場を従えた真ん中の通路を進む。
タテハチョウもアカトンボもこの一時を逃してはなるまいと懸命に花から花へ飛び回る。「ノアザミ」の赤が美しい。お花畑の向こうに見える水色の空が舞台だ。
花と虫が自分の生をかけて懸命に生きる様は何よりも美しい。美ヶ原の一番好きな光景になりそうだ。
ポニーが4頭草を食む。その向こうに雲の上に頭を出した富士山が微かに見えた。もう頭に雪は見えない。
アルプス展望コースへ入り、王ヶ頭をめざして歩くが肝心の北アルプスは一向に見えてこない。ずっと雲の中。
こんな岩場に咲くのは、うす紫の「ヒメシャジン」と黄色の「イワキンバイ」。こんな過酷なところでなくともいいのではと思うが、他人にはわからないわけがあるのだろう。
下界のホタルブクロは、もうとうに咲き終わっているが「ヤマホタルブクロ」は咲き始めたばかり。この花も岩の割れ目から顔をのぞかせていた。
王ヶ頭ホテルが見えてきた。草原の中にぽつぽつカラマツ?の木があるが、風が下から吹き上げるせいか左側の枝が育っていない。冬の美ヶ原はどんな風が吹きつけるのだろうか。
道々本当にたくさんの花々が咲いていて、季節を違えて山へ来る喜びを知ることができた。この道の両側に咲いていた花たちを紹介しよう。
「コウリンカ」 「ウスユキソウ」
「ハナチダケサシ」 「エゾカワラナデシコ」
「コオニユリ」 「シシウド」
時折麓から風が吹きあげる。タテハチョウが羽を拡げバランスを取りながら次の花へと向かう。耳からはウグイスの声がしきりと聞こえていたが、姿は見ることができなかった。王ヶ頭ホテルの真下に来た時に、ホテルの屋上に停まってるたくさんのツバメを見かけた。2000ⅿもあるところにもツバメは巣を作ることを初めて知った。
頂上は、晴れて日差しを遮るところもない。こちらは晴れていても北アルプスの方角の雲が取れない。残念だ。また来るときには、アルプスが見えるだろうか。どんな花が咲いているだろうか。
高原のさわやかな風を感じてもらえたでしょうか。
続く。