鮎そば

 東北旅行へ行く前日の4日に、八王子祭りの日が命日の友人の墓参りに行きました。 早いものでその彼女が亡くなってからもう4年が経ちました。

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 帰りにいっしょに行った友人が見つけてきた蕎麦屋さんに寄りました。6月に一度来ているので、二度目です。このお蕎麦屋さんは、実はかつて1年だけいっしょに働いたことがある人がやっている店でした。

 6月に会った時は、びっくりでした。顔と名前は覚えていたけれども、お互いにまだ若かった頃のことです。声には出さねど、これまで重ねてきた年月をずっしりと感じたものです。

 その頃から、彼は釣りをやったり、名古屋コーチンを飼っていたりと 一味違う趣味に生きていた人だったので、定年退職をしてから、趣味のそば打ちが高じて蕎麦屋を開くことになったのはわかるような気がしました。

 彼は、どこのそばが美味しいか日本全国そば行脚を重ね、自分のめがねに叶ったそば粉を取り寄せているようです。食べる直前に、粉に挽き、そばを打ち、ゆでて出す、いわゆる三たてのそばを出してくれます。三たてを看板にしているので、予約を入れておけばその時間に食べられるようにしてくれます。ふらっと行っても食べられますが、その工程にかかる時間を待つ覚悟をしなくてはなりません。

 儲けることだけを考えていたらそんな悠長なことをやっていられませんが、「暇なときは、趣味の釣りにも行きたいので、ちょうどいいんだ。」と言っていました。

 

 今回は、「鮎そば」という食べたことがない物を食べに行ったのです。初めて行った時に、「8月になったら釣ってきた鮎を使ったそばが食べられるよ。」という話がずっと頭にこびりついておりました。食べたい食べたいと思いながら待つこと2か月。

 これがその「鮎そば」です。

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 相模川水系は今年鮎が豊漁だったようで、その鮎を乾かし(ここのところを聞き洩らしたのでいい加減ですが、遠火で蒸すようにするのかもしれません。)それで出汁を取り、汁そばに仕立てたものです。

 本当にさらっとさっぱりした出汁なのにコクがあるのです。口に入れただけで幸せな気持ちになります。鮎の出汁だけで何もほかの物は入れていないと言っていました。

 これは、皆さんご存知の鮎の塩焼き

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 もちろん、彼が釣ってきた天然ものです。ちゃんと苔の香りがする鮎です。めったに天然物は食べられないので、これで鮎は香魚っていうんだということが納得できました。今は、柑橘類のいいのがないので、付いていたのはライムです。

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 後から出てきたのは、出汁を出すのに使った鮎をから揚げにしたものです。これがまた美味しいのです。日本酒を飲む人は、これを肴にするとお酒が進むだろうと想像できるお味です。もう一度鮎の出汁でそばを食べてみたいものだと思うけれども、あの時点であと10人分くらいで終わりだと言っていたので、今年は、もう1回というわけにはいかないようです。

 これは特別メニューで、2500円。普通は天ぷらそばが1500円(せいろ2枚と野菜中心の天ぷら)です。ほかにもメニューがあるのでしょうが、よく覚えていません。そばは、十割そばです。

 参考までに、店の名前は「川崎」といいます。場所は、町田市の大地沢青少年センターへ行く途中にあります。(八王子と町田の市境付近)