セツブンソウの自生地を訪ねて

セツブンソウ

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 2年前には「頭位めまい症」という耳の病気で耳鼻科に通院、去年はリンパ球の腫瘍で手術入院、今年はひどいドライアイで眼科への通院、冬は私にとっては鬼門の季節です。

 ということもありパソコンにはあまり近づかないようにしていたためご無沙汰をしておりました。乾燥も少し収まり目薬の効果もあって何とかパソコンに向かう勇気も出てきました。老化との付き合い方を学ぶにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

 3月1日、秩父のセツブンソウ自生地に行ってきました。といっても、この日カメラの充電をしておかなかったため、写真はありません。仕方がないので、2017年に近くの植物園で撮った写真を代わりに掲載しました。

 セツブンソウは、2年前に見ていたので知ってはいましたが、自生地とはどんなところなのかをぜひ見てみたいと思ったことと、埼玉県に住む友人と一緒にハイキングをしたいなと思ってのことでした。

 前もってアクセスを調べたり、天気予報を調べたり前準備にずいぶん時間がかかりました。

 当日は、うちから横浜経由で池袋を目指し、そこから西武池袋線で飯能まで行き、西武秩父線に乗り換えようやく西武秩父駅へ到着です。都合3時間半、ここで秩父鉄道経由で来た友人と待ち合わせました。

 この日は曇りのち晴れの予報だったのですが、朝の横浜は小雨が降っていて気分はどよーんと盛り下がりましたが、北へ行けば天気は良くなると信じて行ったので、秩父駅では雲の間から陽の光が漏れていたのでほっとしました。

 この日一番心に残ったのは、セツブンソウではなく駅前から正面に見える「武甲山」の姿でした。奥多摩などからも遠く武甲山を眺めたことがありますが、こんなに間近で見たのは初めてかもしれません。

 武甲山石灰岩の採掘で削られている事実は知識としてはありましたが、こんなに痛々しいものだと自分の目で確かめたのは初めてでした。

 12月3日に行われる秩父夜祭は有名なお祭りですが、その起源は、秩父神社の女神と武甲山男神が途中のお旅所で年に一度の逢瀬の日だったと聞きました。武甲山の伏流水が農業にとってとても大事だったので、収穫後の感謝のしるしに湧水を返す神事だともいいます。

 その武甲山は、石灰岩質の山であるため、特に北斜面は大正期からは大規模に採掘され、1900年には1336mあった頂上が削り取られ、今では頂上がずれて1304mになってしまったそうです。石灰岩質の土壌が育む貴重な植物は消滅しているという話も聞きます。

 近頃ちょくちょく港区方面にでかけるのですが東京の臨海部は開発がめざましく建設中のビルが多いのに驚かされます。武甲山を見てからというもの、山を削り取った石灰岩を原料にしたコンクリートが使われているのかと思うとなんだかやりきれない思いに捕らわれます。

 

 駅は、ユネスコ無形文化遺産に登録されたということもあり、温泉やフードコート、お土産物やさんなどが並んだこぎれいな建物になっており、びっくりしました。

 

 その駅前から10時20分発の町内バスに乗って「薬師の湯」という日帰り温泉まで約1時間、さら別の町内バスに乗り換え10分で最寄りの「上堂」という停留所へ到着です。着いたのは、11時半です。

 セツブンソウの自生地は、道のすぐわきにあり光がよく入る雑木林といった場所で、枯れ葉の間から10センチ程の丈で3センチ足らずの花をつけています。花に見えるのはガクで黄色の・・部分がめしべで紫色の・・部分が雄しべにあたります。地味に見える花ですがよく見るとなかなか味わいのある花です。雑木林を埋める白い淡雪のように広がって咲いています。野草の開花は一斉で、この日は見ごろでした。天気が悪くまた日程を調整したりしていたら、今年はダメだったかもしれません。

 

 その自生地から15分ほど歩いて戻ると、道の反対側に位置する「あずまや山」の登り口があるというので、ちょうど良さそうな山道でしたのでハイキングすることにしました。頂上部分は、クサリ場だというので、今回は友人も手首を骨折して力が入らないと言っていたので、中腹のフクジュソウロウバイの花があるところまで行って昼食としました。

フクジュソウ

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 この写真も2年前のもの。実際はまわりに立派に葉が茂り、花が見ごろを過ぎていました。橙色のフクジュソウが珍しかったです。

 薬師堂まで下り神社をお参りするとそこは目のお薬師さんなのか、めとめを書いた絵馬には、目がよくなるようにとの願いが書かれたものがたくさんありました。友人は、緑内障で 治すことはできなくてできるだけ維持させるしかないとのこと、一緒にお祈りさせてもらいました。

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 「薬師の湯」の売店で、購入した「ヤマブシダケ」です。これは菌床栽培品ですが、βーグルカンが豊富に含まれ、アがリスクだとかサルノコシカケとかと同じ成分をもった優れものだとわかりました。うま味成分もあり出汁なしでも汁物に入れるといいようです。

 帰りは、駅でおしゃべりをしてから帰ったので朝と違って連絡が悪く、6時半に出てうちへ着いたのは、11時。さすがに疲れました。埼玉の西の方は遠いです。