関東の梅雨明けは、7月29日でしたでしょうか。
それまでも蝉は地味に鳴き続けていました。「ジー、ジー、ジー」音のメリハリなく鳴いていたのが、ニイニイゼミ。一番早く鳴き出す蝉ですが、今年は、後に続く蝉がなかなか出てこなかったのでずーっと主役が続いていました。
この辺では少ないヒグラシも鳴き出し、昼間はミンミンゼミとアブラゼミ、昨日はもはやツクツクボウシの鳴き声が聞こえました。蝉の夏も佳境に入っています。
さて梅雨が明けた翌日の30日、朝早く目を覚まし外に出ると、草むらにエメラルドグリーンというのかコバルトグリーンというのか珍しい色が目に入りました。眼が悪い悪いという割に、こういう時は目敏いなと思います。よく見ると、蝉が脱皮し始めているところでした。これが5時半くらいです。
続けて観察してみようと思いましたが、根気がなくてまた30分後にやってくるとずいぶんと下の方まで殻を破って出てきていました。もう一息です。これが6時ごろです。
7時に来るともうすっかり脱皮は終わっていました。突然上向きになっているのでその過程を知りたいなと思いましたが、後の祭りです。まだ羽の付け根は美しいエメラルドグリーンです。折りたたまれた白い塊は見事に拡がってレースのようです。
羽が乾くまで1時間くらいかなと8時にまた出ていくと、あれれ、殻だけでもう姿が見えませんでした。あれは、たぶんミンミンゼミだろうと思うのですが、ちゃんと確かめないうちに姿を消してしまいました。またまた後の祭りでした。
人間の赤ちゃんもお母さんの産道を上手に出てこれなくて命を落とすことがあるようですが、この蝉は草にうまく捕まって無事脱皮できて本当によかったです。
それにしても生まれたばかりの命は、なぜこんなにも美しいのでしょうか。