北海道の旅 その5 旭川から白老へ

 旭川のホテルを朝8時過ぎにチェックアウト。

 わずかな滞在だった旭川の街を駅まで歩いた。

 

 

 9月の10日なのにもはやナナカマドが色づいている。日当たりの加減だろうか。

 紅い実とオレンジ色のがあるのを発見した。

 ナナカマドをなぜ街路樹に選んでいるのか、そのわけが何かに書いてあったが、

ナナカマドは、かまどにくべてもなかなか燃えないのだそうだ。

 そこから転じて火事や交通事故から町を守るという意図があるらしい。

 北の街ではよく見かけるのは単に植生を考えてのことだと思っていたが、

新しい発見だった。

 買い物通り平和公園という歩行者天国になっている通りを歩くと、サックスを吹く男

性と目を細めて聴いている猫の彫像があった。時間があれば、男性の横に座ってしばら

くジャズの演奏を聴いていないなと思った。

 この通りには他にもいくつか彫像があるそうだ。

 通りをまっすぐ5分も歩けば旭川駅だ。

 旭川駅のホームは、天井は鉄骨むき出し、何本かある線路が見渡せるこんな駅を近頃

とんとみることがない。ふと思い浮かんだのは、パリのサンラザール駅というモネの絵

だ。サンラザール駅ホームの屋根は、三角になっているのでちょっと違うが、視界が広

けていて日本ではなかなか見られない駅だと思った。

 

 右側のホームに4本の傘の骨のような柱が見えるだろうか。その柱が肝だそうだ。

 この駅を設計した方のユニークな建造物で駅内には地元のタモ材がいろんな所に

使われているそうだ。10年前にできたのだそうだが、とても新しい感じがする。

 

 9時、ライラック号に乗って札幌へ。

 札幌で乗り換える前に、駅弁を買った。

 

 秋のごちそう御膳

 ホタテのチーズちゃんちゃん サンマとマイタケの和風おろし、鮭とひじきの

炊き込みご飯、知床鶏の竜田揚げなど デザートに札幌名物の柳もちも入り、北海道

産のものがたくさん入っていて楽しい弁当だった。

 白老までは、普通列車。苫小牧を経由して午後1時ごろ白老駅に到着。

 (つづく)

映画 2887

 今日は、名画座シネマリンで「2887」を観てきました。実は、この映画は昨年の  

9月にもう一つの名画座ジャック&ベティで1週間だけ上映されていますので2回目で

す。

 

 企画制作は、映画で社会を読む会監督は、横浜の高校教員だった河野優司さん

 素人の集団が作った映画なので、配給会社ももちろんありません。

 横浜の会なので何とか横浜の劇場で上映したいとの思いで「ジャック&ベティ」を訪

ね、それが実現できたようです。

 

 私が行った日は、鑑賞後の監督さんの挨拶がありました。

 教員を定年で辞めてからも映画製作にお金がかかるので、年金だけではやっていけ

ず、タクシーの運転手をやりながら映画製作に取り組んだとのこと、かなり無理をされ

たのだろうなと想像しました。

 クラウドファンディングでお金も集めていらしたのは後で知りました。

 

 そして今年の4月、映画で社会を読む会から手紙が届きました。手紙には河野優司監

督の訃報が記されていました。少しずつででしたが、映画が全国に広がりつつある最中

のことです。3月に宮崎で上映があったため出かけた先で倒れられたとのことでした。

 

 この映画の追加、英語版も企画されていたのに、道半ばで亡くなられた無念を思い、

やりきれない気持ちになりました。追悼の映画会があったのに伺えなかったので、今回

は、追悼の気持ちを込めての参加でした。

 私は、Webで予約を取っていきましたが、人気ゲストの参加のせいもあったのでしょ

うが、補助席を入れてもチケットはたくさんの人を残して完売。入れなかった人がずい

ぶんといたようです。

 

 この映画の2887という題名は、安倍元首相が在位した日数です。最長を記録した

という報道がされていた時に、安部元首相が在位期間に何をして何をしなかったのか

記録に残しておく必要があるだろうというのがこの映画製作の意図だったようです。

 

 憲法改正福島原発拉致問題、経済政策(アベノミクス)、辺野古の新基地建設

の5つのテーマを取り上げ、その足跡を検証しています。

 

 今日は、特別ゲストとしてお笑い芸人の松元ヒロさんが上映後のトークに見えて存分

に政治ネタを披露してくださいました。松元ヒロさんは、テレビには出られない芸人と

いうキャッチフレーズがあるくらいで、政権のおかしなことをズバズバ言える芸人さん

です。有名なのは、けんぽうくん あの長い憲法前文を聞いている人の耳に届くよう

にさわやかに語ってくれます。

 この映画でもその けんぽうくん が語られますし、要所要所で登場されるので映画

にアクセントが付き、引き締まります。

 そのほかにも澤地久枝伊藤真ジャン・ユンカーマン蓮池透、浜矩子

元山仁士郎 など(敬称略)たくさんの方のインタビューを通しての検証が行われてい

ます。

 幾分心のもやもやも笑いですっきりとしたいい気分で映画館を後にしました。(ヒロ

さんも言っていましたが、海外では政治ネタを語るのは当たり前で、テレビでそれがで

きないのは日本だけのようです。)

 国葬を明日に控え、この映画を改めて観て検証するということは、とても意義深いこ

とでした。

 

 8月31日国会前で撮った写真。

 

北海道の旅 その4 旭川

 旅に出る前にアイヌのことを知りたいと、図書館で検索して一番トップに出ていた

石村博子さんの書いた「ピリカチカッポ 美しい鳥 知里幸恵 アイヌ神謡集」という

本を借りたのだが、時間がなくて読むことができなかった。

 

 もし、行く前にこの本を読み終えていたならば、知里幸恵さんが旭川尋常小学校

尋常高等小学校時代を過ごしていたことを知りもっと訪ねて歩けたのだろうが、今回は

旭川博物館を訪ねることしかできなかった。

 

 知里幸恵さんは、アイヌに口承で伝わる話をアイヌのことば(ローマ字表記)を

日本語に表した初めての人だった。心臓が弱く、19才で彼女の書いた原稿が本になる前

にこの世を去ってしまったそうだ。

 

 先日本屋さんで北海道旅行の話のついでに知里幸恵さんの話をしていたら、

 「今その人のことを扱ったNHKBSのテキストがあるよ。」

というので見せてもらった。

 「100分で名著を読む」というタイトルのテキストだ。なんでNHKで取り上げられて

いるのかと思ったら、今年が彼女の没後100年にあたるからだという。

 それに「カムイ伝」というコミックが若い人に人気があって、アイヌの話が話

題になっているからじゃないかと話してくれた。

 

旭川駅



 ちょっと横道にそれてしまったが、動物園からの帰り、駅のうら側へ出た。

 駅のすぐそばを忠別川が流れている。河川敷は、散策路が作られ散歩にはちょうど良

さそうだ。

道路標識

 駅を挟んで二本の通りがあり、往きは川にかかる「氷点橋」を渡り、「氷点通り」

と書かれた道を辿る。氷点と言えば、ずいぶん昔に読んだことがあったなあ と思い出

した。

 

 

大雪クリスタルホール

 駅から15分くらい歩くと、大きな公園があり、その一角に「大雪クリスタルホール」

という大きな建物があった。

 入口を飾るモニュメントはいかにもクリスタルという感じが出ている。

 中に 音楽堂ホール、博物館、会議場が入っている。

 

 博物館に入ると、1階はアイヌの暮らしや生活、文化にかかわる展示がされ、地下に

普通の博物館のような石器時代からの歴史を追った生活全般、そして自然史的な鉱物、

生物などの展示がされていた。

 だいぶ疲れていて、たぶん写真も許可されていたものがあったのだろうが、見て歩く

だけで精いっぱいで写真がない。たった一枚だけ撮った写真がこれだ。

上川盆地を一望する嵐山

文章が読めるように大きくしたもの

 石狩川の上流に住んだ「上川アイヌ」は、「川は山へ遡る生き物」と考え、激流が逆

巻く川を無事通過できるよう、神に祈りをささげていた。

 アイヌの精神性がよくわかる文章だと思った。

旭川駅の立ち食いソバ

 旭川の名物は、旭川ラーメンしか知らなかったが、なんだか日本そばが食べたくて、

幌加内そば」という幟に引き寄せられ、遅い昼ご飯を駅で食べた。天ぷらをつけたか

ったが、もうすべて売れていてかけそばになってしまった。

 店の前にテーブルと椅子も用意され、座ってたべることができて助かった。

 

 幌加内というのは、旭川よりさらに北でコメの減反作物としてそばを生産し始め、結

果的に日本一の生産となったところだ。

 旭川が、最低気温41度を記録した後、幌加内は、それよりマイナス0点2度低い、41,

2度を記録したことでも有名だそうだ。

 

 (つづく)

北海道旅行 その3 旭川

 私が旭川でこの動物園を訪ねたきっかけだったのは「シマフクロウ」。

シマフクロウ

 ふわふわモフモフした毛に被われ、北海道の森では鳥類の頂点に君臨する生き物なが

らどこかかわいげがある。大きさは、体長が70cm、翼開長は、180cm、体重は

4kgと言われる。思っていたより小柄である。

 フクロウの中でも、小さな哺乳類や両生類などを食べるよりも、川に生息する魚を主

な食べ物にしているフクロウだ。だからこそダムがあったり、河川改修したような川で

は魚もいなくてエサが足りない。広いテリトリーの森の中に自然な川がないとこのフク

ロウは生きていけない。北海道の原始的な森がないと命をつないでいけない鳥なのだ。

 

 現在北海道に140羽ほどしかいない絶滅危惧種

森を開発から守る活動や、太い巣を作る木が足りないところでは人工的にドラム缶のよ

うな巣を木に取り付ける活動や、エサが捕れない時期に魚をいけすに放ち給餌するなど

その保護活動が急がれている。

 シマフクロウは、人間の自然破壊や開発により滅び去ろう

としているのを何とか支えていかないと次に滅んでいくのは、人間だ。

 

 このフクロウ舎には、上の枝にも2羽いたので、合計4羽飼われている。

 夜行性の鳥なので、この時間はほとんど目を閉じて眠っている。目が合えばいいと思

っていたので、残念だ。

 

 私が今通っているヨガの時間の始めに未来瞑想をする時間がある。

 先生は、「将来ありたい自分、行ってみたいところ、やりたいことなどを自由に想い

描きなさい。」とおっしゃる。

 この頃の私の未来瞑想に登場するのは、シマフクロウ。なぜか北海道の森でシマフク

ロウに背中を掴んでもらいながら滑空する姿なのだ。

 いくら翼開長180㎝と広いとはいえ、常識的な左脳では私の体重を支えて飛び回る

ことは不可能だろうと考えつつも、右脳のどこかではその快感を味わっている。

 そんなこんなで、昔からこの丸顔のフクロウに親近感を持っていたのが、シマフクロ

ウを知ることで表面に出てきたのだと思うこの頃である。

 

 同じく北海道に生息するエゾフクロウ。

エゾフクロウ

 顔だけアップで大きそうだが、実際は体長50cm、翼開長100cm、体重600g

から800g。体長はさほど違わない気がするが、シマフクロウのおよそ半分の大きさ

だ。

 

 ほかにも、北海道舎には、エゾユキウサギや、エゾタヌキ、アカゲラオジロワシ

オオワシなどが一角に集められていた。

 

シンリンオオカミ

 オオカミは、北海道にも1頭もいないし、日本にはもう1頭もいない、絶滅してしま

った動物だ。それなのになぜ? と思ったら、この動物園に飼われているのは、カナダ

から譲ってもらったシンリンオオカミだという。 形状は、似ているのだろうが、これ

も夜行性のためか、日陰で眠ってしまっていて顔も立ち姿も見ることが叶わなかった。

 

 北海道の森林が開発されることにより、牧場の家畜を襲う邪魔者として1頭残らず殺

されてしまったらしい。肉食動物の頂点にいたオオカミがいなくなったことにより

エゾシカが増えすぎて困っている。動物をやたらに人間の手で殺してしまったつけがこ

うして回ってきたのだ。

 北海道ばかりでなく、日本中シカが増えすぎて、仕方がないのでジビエなどとシカの

肉を人間が食べているがそれだけではらちが開かない。

 

 生物多様性をいうのが遅すぎたようだ。オオカミが生きている頃は、生き物のバラン

スがうまく取れていたのに、これからが私には見えてこない。

 

 

ヒグマ

 ヒグマの頭数も減っているそうだ。

 肉食ではないはずだが、ちょっとしたアクシデントで、牧場に飼われている牛を襲う

クマがいたとか。一度味を覚えると、クマは人を襲うが食べたりしないとは言い切れな

くなる。人とクマの距離が近い北海道などでは人間のごみの管理がとても大事になって

くる。

 なんだかヒグマの将来も見えない気がする。

 

動物園の入口にある記念写真場所

 いかにも旭山らしい、そしてモダンで素敵なデザインのスタンドだ。もう1か所行き

たいところがあったので、午後1時半、ちょっと早い時間に動物園を後にした。

 

 

 お詫び 前回のブログで「旭山動物園」のことを旭川動物園と書いてしまいましたが、訂正します。もう一つ、ホッキョクグマのことをシロクマと言ってしまいました。正しくは、ホッキョクグマです。失礼しました。

 (つづく)


 

北海道の旅 その2 旭川

 出発の日(8日)は、横浜は雨こそ降っていなかったが雨の予報が出ていた。

 でも、私が家を出た午前5時には、傘を差さずに済んだ。

 東京駅ではやぶさ1号に乗車すれば、もうこっちのもの。北上するにしたがって天気

は良くなり、北海道に入ると空は青空、ピーカン状態。5日間ずっと天気に恵まれた。

 

 本当は、苫小牧の北、平取町にある二風谷を訪ねるつもりだったが、宿が取れなくて

急遽この日は旭川に向かった。札幌以北へ行くのは初めてだ。

 札幌で北斗号からライラック号に乗り換えて、1時間半。目的地の旭川に到着。

 駅を散策していたら、ここにも自由に演奏してよいピアノが置いてあった。

 ちょうど通りかかったときに聞こえてきた曲は、ウクライナを舞台にした映画「ひま

わり」のテーマ曲だった。どこで聴いても心にしみる名曲だ。

 

 旭川も駅前のビジネスホテルはいっぱいで、駅からちょっと遠いビジネスホテルに泊

まることになっていた。初めての町だが、札幌と同じように計画的に作られた都市なの

で、横の通りと縦の丁目さえ知っていれば、目的地に着くのもたやすい。

 

 初めての訪問先は旭川動物園。

 翌朝、始発のバスに乗り、開園よりずいぶん前に到着した。

 9時半にシャッターが開いた。

 気温は,20、4度。朝からカラッと晴れて空気がさわやかだった。

 

 旭川動物園は、シロクマやペンギンなど水中での生態も分かるように見せ方が工夫さ

れていて、お客さんが増えた動物園だと聞いていたので、とても楽しみだった。

 

まずシロクマ館。

 ちょうどシロクマ館に入ったときは、地上を歩いていたのだが、

すぐに水の中に入ってしまった。

 そこで、人間も階段を下りて水の中をみる。

 母クマ「ピリカ」と去年12月に生まれた子ども「ゆめ」(メス)が水中でじゃれあっ

ているところ。ほかに兄弟もいないので、母親と思いっきり遊ぶしかないんだなと思っ

た。 同じようなシーンを和歌山のパンダの親子でも見たことがあるなと思い出した。

 シロクマの足裏もご覧あれ! ちゃんと足裏にも毛が生えていることを見ることがで

きる。生足で氷の上を歩くわけだから、冷たさから身を守る秘密がこんなところにも

あるのがわかった。ゆっくりと時間をかけるともっといろんなことがわかるのだろう。

 

ほとんど水中にいたのは、カバ。

カバファミリーの紹介。お父さんの百吉は、太りすぎでダイエット中だそうだ。この同

じプールには不在だった。お母さんの「旭子(あさこ)」と子どもの「凪子(なぎ

こ)」がこのプールにいる。

 顔だけでは、親か子かわからないが、たぶん「旭子」だと思う。

 この子は、「凪子」だと思う。

 とっておきのツーショット。どっちがお母さんでどっちが子ども?

 首のくびれも同じようだし、しいて言えば足の大きさかなと。

 カバの親子も寄り添ってしっかりと遊んでいる。シロクマもカバも独り立ちするまで

はべったりスキンシップしているが、人間の親子はしっかりと遊んでいるかなとちょっ

と心配。

 

ふと見上げると レッサパンダが小屋から出て吊り橋を伝って左側へ歩いている。

 木登りしてしばらくしたら下りてきて

 また吊り橋を伝って右側の住処へ帰っていく。近くの動物園にもいるので、わざわざ

見に行く予定もなかったが、通路の上を歩いているので目に入ってしまった。木を伝え

ば外にも出られるはずだが、出ようとしないのはなぜなのか聞いてみたいと思った。こ

れもこの動物園の工夫の一つなのだろう。

 

 (つづく)


 

北海道の旅 その1

 

 (新函館北斗駅から、北斗号に乗り札幌へ向かう途中の「もり」駅。すぐ向こうは海でオオセグロカモメが堤防に停まっていた。青い空と青い海それだけしかない駅に惹かれた。) 

 

 9月に大人の休日クラブWeb限定の特別切符が売り出された。

 今までは、みどりの窓口へ予定を伝えれば切符を取ってくれていたのに、

Web限定となると まず、えきねっとの会員登録をしないと始まらない。

 特別切符だけならすぐ終わるのだが、6回まで座席指定券が買えるので、その

予約をするのに手こずった。

 間違ってダブって取っていたものがあったので取り直しをする必要があったことが駅

コンシェルジュに指摘されてわかった。

 まあ、それも多少の料金を支払うことで何とか解決。

 

 ホテルもしかり、"ウポポイ’の予約もしかり、今回の旅はすべてWebばかりで行く前

にどっと疲れた。JRもみどりの窓口のある駅を減らしているし、これからは年寄もパソ

コンか、スマホを使わないと旅にも行けないよ ということなのだろう。

 

 ここ2年続けて泊っている浜中の宿"霧多布里”のオーナーが絶滅危惧種とな

っている「シマフクロウ」の保護活動をやっているということを知って、私も今年の夏

シマフクロウエイドに加わることになった。

 

 シマフクロウは、北海道では最大のフクロウでアイヌコタンの守り神として大事にさ

れてきた鳥だ。

 北海道は、本土からの移住者によって畑や牧場などの開発が進められてきたことによ

り木の伐採が進み森はどんどん減ってきた。

 何百年という大きな木がないと巣が作れないシマフクロウは、その数をどんどん減ら

してきているのだ。

 

 きっかけはそんなところにあるのだが、現代の生活を問い直すことはとても大事だと

つくづく思う毎日。

 アイヌが大事にしてきたことは何だったのか、アイヌの生活を知ることは意味のあ

る事ではないかと漠然とした思いもあって今回の旅を計画した。

 

  (つづく)

東京港野鳥公園ー夏の終わり

 東京港野鳥公園では毎日ブログを発信してくれる。

 シベリアなど北の方で繁殖を終えたシギやチドリが越冬のため南へ帰る途中

野鳥公園にもエネルギーの補給と体を休めるためにやってくる。

 

 ここ2年は、東京都の管轄なので、コロナ禍の中閉鎖期間も長くてなかなか行けなかった。

 7月から8月には、やってきたシギ・チを紹介してくれていた。チュウシャクシギ

キョウジョシギ、ソリアシシギ、キアシシギコチドリイソシギ、タカアシシギ‥

早くいかなきゃ、早くいかなきゃと思いつつ行かれないでいた。

 

 というわけで久しぶりに出かけてみた。

 と言っても、結果から言うと天気が思わしくなく、昼すぎに到着したのでお目当ての

シギやチドリには会えなかった。

 島で休んでいたのは、コサギ、カワウ、それにカルガモ

 

 東淡水池にある水路の木の枝に止まっていたカワセミ。ずいぶん遠くだったのでこれ

で 精いっぱい。(左下にいる)

 

 そろそろ帰ろうかと思ったころ、カワウの狩りが始まった。カワウのリーダーがいる

のかどうかわからないが、それまで木の枝に止まっていたカワウ、島で休んでいたカワ

ウたちが次々にこの追い込み漁に集まって来る。

 総勢100にもなろうとする数で狩りを始める。すごい迫力だ。

 

 レンジャーに聞くところ、漁がいつ始まるのかはわからないが、ふつうはも

っと潮が引いたときにやるのだそうだ。今日は、満ちているのでたぶん不漁だろうとの

こと。カワウたちもなんだか物足りなそうにいつの間にか解散が始まる。

 

 面白いのは、近所にいたサギたちがカワウが追い込んだ方向を目指して次つぎにやっ

てくることだ。自分たちは、労力をかけず、(もっともサギは泳げないので仕方がな

いが、)魚にありつこうとする。カワウも結構獰猛な感じの鳥だが、サギの方が一枚上

手かもしれない。

 この日は、「三須広絵」さんの展覧会の最終日だった。

 ガラス絵なので、部屋の様子が写り込んでいる。鳥がメインだが、鳥と関係のある植

物、魚 昆虫、風景も絵の題材にしている。これは、カイツブリとスズメ。

ガラス絵は、描いたことがないが細かい神経と根気がないと描けないなと思った。

 

 おまけ 公園内で見つけた植物と昆虫。

 キツネノカミソリ。林の木の下にひっそりと咲いていた。

 田んぼのイネにちょうど花が咲いていた。お米の花だ。

 もうすぐお米も収穫の季節を迎える。

 いよいよ公園の出口に差し掛かろうとしたところで、このガに出会った。薄いブルーグリーンに紅のふち飾り、とてもおしゃれ。

 先に若い男性が写真を撮っていらしたので、このガの名前をご存じかと聞いたとこ

ろ、スマホを見て、

 「アプリにオオミズアオと出ているので、たぶんそうだと思う。」

とのこと。

 今は、植物にしろ昆虫にしろ、写真を撮ると名前がすぐわかるものがあって便利だ

と思う。私は一度聞いたきりではやはり覚えられない。この写真を載せる段になっ

て、やっぱりもう一度調べることになった。

 

 シギもチドリもほとんど帰ってしまったので、暑かった今年の夏は、もう終わりに近

いなと妙な寂しさを覚えた。