カンレンボク

喜樹

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 花の時期は毎年見過ごしてしまうくらい白くて丸い地味な花ですが、秋になってこの木の近くを通ると、まだ黄緑のまま地面に落ちていることがあって気がつきます。直径5cmくらいのボール上の実で、一つ一つは小さなバナナのようです。

 カンレンボクは、カンレン、キジュ(喜樹)ともいわれる落葉高木。原産地は、中国の雲南省、日本に入ってきたのは、大正のころ。

 英名では、「happy tree 」 「cancer tree」と言われるそうです。happyの方は、漢字の喜という意味からついたのだと思いましたが、cancerは、癌だよなと思いながら調べてみると、この根から抽出されるカンプトテンというアルカロイドに抗癌作用があると注目されているので、こういう名前がついたようです。

 中国では、街路樹にも植えられているとのことですが、日本では、自生しているわけではないので、植物園のようなところでしか見かけることはないと思います。私も近くの植物園で見つけました。この植物園は、小麦の遺伝子の研究で有名な「木原 均博士」の研究植物園だったものが横浜市に寄贈されたもので、今は横浜市が管理しています。

 「木原博士」が喜寿を迎えたお祝いに、親しい人から喜寿とこの木の名前の喜樹をかけて贈られたとの説明がありました。

 今は、もう見上げるような大木です。