”はじまりは 5つ星ホテルから”
主人公の女性イレーヌは、独身の40歳 高級ホテルの覆面調査員。
普段は、庶民にはなかなか見られない実在の5つ星ホテルが舞台。
どんなことを調査しているのかという仕事の裏側も見える映画。
イレーネは、
世界を飛び回り、憧れの素敵なホテルに泊まることができて、
はた目にはうらやましい生活。
自由気ままな生活が気に入っていたが、ある旅先での出会いがきっかけで
自分の人生が今のままでいいのか心が揺れる。
およその筋立ては、そんなところだ。
調査の秘密チェックは、ホテルの玄関で車を降りるところから、もう始まっている。
部屋へ入るとカバンから七つ道具の白い手袋、ノートパソコンが出てくる。
800項目を審査。
なかなか厳しい。
厳しい審査をクリアーできての5つ星ホテルなのだ。
イタリア映画で、監督は、マリア ソーレ トニャッティ。
女性ならではの視点で描かれている。
イレーヌ役は、マルゲリータ ブイ。
美しいだけでなく、実力派女優と言われている。
4月公開ですでに終わっている。
”夢は牛のお医者さん”
報道記者だったテレビ新潟の ’”時田 美昭”さんが
昭和62年、新潟の山間の小さな小学校に3頭の子牛が”入学”したことを取材したことがきっかけでできたドキュメンタリー映画。
数年後には廃校になるかもしれないということを聞かされ、
せめてその時まで、素朴で純粋な子どもたちの姿を継続して
追ってみたいということで
時々訪れては、フィルムを残し、
ローカルニュースとして流していた。
その時は、この映画の主人公の知美さんを
個別に追いかけていたわけではないけれども、
廃校後数年たったある日、電話をしてみると、
知美さんは、小学生の時に描いた自分の夢をかなえるべく、
下宿をしながら高校へ通っていた。
そこからこの夢のゆくえを密着取材し、そしてこの映画はできた。
この映画のちらしに描かれている絵は、知美さんが小学生のころのフィルムのひとコマを絵に描いたもののようであるが、雰囲気がよく伝わってくる。
日本の山間部にも こんな素敵な子どもがいたんだと
しみじみと感動が伝わってくる映画だ。
この映画も、Jack and Betty で23日まで 上映中。
”コーヒーをめぐる冒険”
最後は、ドイツのアカデミー賞を6部門受賞したというモノクロ映画。
主人公のニコは、ある朝コーヒーを飲み損ねた。
その日は、いろんな人と出会うが、不思議なほどツイていない。
出た先で 何回かコーヒーを飲もうとするのだが、運が悪くことごとく飲み損ねる。
ちょっと変わった映画を作ったのは、ヤン オーレ ゲルスター。
テレビアカデミーの卒業作品にして初監督デビュー作品。
ベルリンの街が舞台なので、
東西を隔てたベルリンの壁跡など
ベルリンの歴史を感じるところが頻繁に出てきたり、
現代の演劇やらアートやらもちりばめられている。
この映画は、Jack and Betty では、9日で終了。