なまいきチョルベンと水夫さん
「わたしたちの島で」が元になって作られている。
この映画を見ようと決めたきっかけは、
ちょっと太め、胸当てズボンがよく似合うチョルベンの姿だ。
自由に動き回り、大人にも生意気な口をきくが
何をやってもかわいい。
そんなチョルベンにいつも寄り添っているのが
「水夫さん」という大きなセントバーナード犬。
「水夫さん」も、チョルベンは、始終海に落ちるし
きっと、ほっとけないと 思っているようだ。
この島でずっとくらしている人は、数家族だけで、
夏になり、避暑客がやって来ると、少しにぎやかになる。
ある夏、ストックホルムからメルケル一家がこのウミガラス島へやってくる。
北欧では、夏になると家族がストックホルムなどの都会を離れ、
大金をはたいてまでも、ひと夏を別荘で過ごすことが多いとか。
冬は、数時間が明るいだけで、あとは、夜なのだから、
白夜の夏を存分に太陽の下で過ごしたいと願うのは、
私など日本人が思うのとは桁が違う。
子どもたちが繰り広げる動物をめぐるファンタジックな話が軸になり、
手つかずの自然、白夜の太陽を謳歌するのんびりとした生活、不便だけれども
家族や近所の人たちが助け合いながら過ごすひと夏を描いた映画である。
(*ジャック&ベティでは、今日で上映は終わり)
ちいさなあかり
こちらの映画は、静岡県の山間部にある小さな集落「大沢」を
最小限の機材で撮ったドキュメンタリー映画だ。
村の人と話しながらカメラを向けて撮っている場面が多い。
この集落には苗字は3つ。
家族は全部で23。
このチラシは、撮影の最後の日に全員が集まって撮った写真なので
これだけの人が住んでいるということだ。
お茶の生産を主な生業にしている山間の集落で、
若い人は出て行ってしまい、年寄りが多い。
いわゆる過疎の集落である。
仕事、病院、学校、と生活するには、不便なこともたくさんあるけれども
ありのままを受け入れ、家族と近所の人が元気にくらしていればそれでいい
といった、村の人のあっけらかんとした表情がよく撮れている。
監督は、生きていくことの原点みたいなものをここで見つけて
映像に撮りたいと思ったのだろう。
監督、撮影は26歳の大野雄介。今作が劇場公開第一作だとか。
宿泊施設もないので、静岡から大沢へ何回もバスで通って撮ったそうだ。
この大沢が映画になってから、無名の村へ映画を見た人が訪れるようになり、
村の人たちも活気がでてきたとのことだ。
(*ジャック&ベティでは7月末で公開は終わっている)