御岳山の初秋

9月の初め、御岳山へ行ってきました。

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空から雨が降ってきそうな雲に覆われていました。

ケーブルカーの山上駅から下界がかろうじて見られましたが、

遠くは望めません。

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日の出山方向を見ると、

ススキの穂が出ています。

細い穂の揺らぎは、その場の空気を瞬間的に

秋へと誘うまじないでもあるかのようです。

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レンゲショウマ

いつも時期を逸して見る機会がなかった

「レンゲショウマ」。

ようやく見に行くことができました。

林の中の斜面一帯をうめるように咲いています。

ところが、やはり見頃を過ぎていました。

こんなにたくさん群生しているところは、

この辺りでは、御岳山だけのようです。

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もう、ほとんど開いてしまっていて、蕾が少ないのですが、

この蕾がちいさなリンゴのようで本当にかわいいのです。

少しずつ色づき膨らんでいく様をずっと見ていたい気にさせます。

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下向きに咲くので、背をかがめて覗くようにしないと見られません。

近づいてみると、ほわっとピンクを感じる白い花です。

透き通っているような透明感に魅了されます。

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花は、蓮の花のようなので、蓮華、

葉はショウマの仲間と同じような形をしているので、ショウマ。

ということで、レンゲショウマという名前なのだそうですが、

キンポウゲ科の植物です。

レンゲショウマのほかにもいくつか初秋の花が咲いていました。

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ヤマホトトギス

歩く道の端の方にぽっと咲いていました。

みんながレンゲショウマに見とれていると、

踏まれてしまうのではないかと冷や冷やしました。

花の色が白く、斑点の色も淡い感じです。

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カシワバハグマ

うろこを想わせるようなガクに覆われているところが

印象的です。

コウヤボウキに似ています。

この花の名前は知らなかったので調べました。

カシワバは、単に葉が大きいのでつけられ、

ハグマというのは、高僧が持つ払子(ほっす)になぞらえてつけられたようです。

払子は、ヒマラヤ地域に生息するヤク(白熊)の毛で作られるそうです。

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キレンゲショウ

花が黄色のレンゲショウマということで、名前がついていますが、

花の形も違うし、分類も異なり、ユキノシタ科だそうです。

何だろうと思って撮ったのですが、

調べてびっくりでした。

四国の剣山の群落が有名で、絶滅危惧種で保護されています。

宮尾登美子の「天涯の花」に紹介され、有名になったそうです。

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ツリフネソウ

湿り気のある山には、どこにでも咲いているありふれた花です。

名前に雰囲気があって愛着を感じる花です。

この小さな釣り舟にのって、どこまでも海をさまようのもいいですが、

三日月にそっとつりさげてもらえたらなんていいでしょうね。

この船に乗るのは、この時期花に潜り込めるサイズの蛾のような

お客さんなのですが。