夏の頃から何冊か読みたい本を図書館に予約していたのが、半年以上たって、
ようやく私のところへやってきた。
なかなか来ないので、つなぎに借りていた本もとんとん拍子にやってきたので、
ここのところ読む時間を確保するので忙しかった。
そんな中からの1冊。
憲法9条が問題になっている昨今、
ちょっと真面目に憲法を読まないといけないなと思って、この本をリクエストした。
お恥ずかしいが、学生の時以来手に取ったことがない。
記憶も彼方へ飛んでいる。
この本は、生協の情報で知った本で、
大阪弁でしゃべるおばちゃんんが憲法について井戸端会議でしゃべったら、
どないなるか? というコンセプトでできた本だと、
著者の谷口真由美氏が言っている。
このおばちゃんは、その辺のおばちゃんではなくちゃんとした大学の先生。
憲法の授業など昔は人気がなかったけれども、
近頃は生きたネタがころがっているせいか、今は、人気の授業だそうだ。
ヒョウ柄の服が好みで、いつもあめちゃんを持っているこの大阪のおばちゃん、
2012年に全日本おばちゃん党を立ち上げ、
その代表になっている。
本の中身は、たとえば、
”9条 戦争は捨てましてん”
というようなタイトルになる。
小難しい文章がおばちゃんにかかると、実に読みやすい言葉となって表わされる。
ここで、私が今まで知らなかったことだけを書いてみる。
1、この本は、さすがに大事な9条から書き始めているが、
読み進めていて、1条から8条までは、なんだっけ?という疑問が湧いてきた。
1条から書かれているのは、天皇に関することだった。
この日本国憲法で大事なことといったら、
それは、後から出てくるような配列になっていた。
この憲法は、大日本帝国憲法の「改正」という形でできあがったものなので
並びが同じだということだった。
教科書に出ていたのかもしれないが、覚えていなかったことだ。
2、次に、99条 「憲法尊重擁護の義務」の項で
この憲法を大切にして守っていかなければいけないのは、
「天皇」「摂政」「国務大臣」「国会議員」「公務員」となっている。
権力者を縛るのが、立憲主義。
安保関連法案関連の集会でよく出てきた言葉が、この立憲主義。
ようやく、言葉の正確な意味を知ったというわけだ。
国民は、12条に書いていたみたいに、憲法が保障している自由と権利は、
「不断(普段)の努力」によって保持していかなければならない。
努力をさぼってはダメなのだ。
これは、権力を持っている人にも認識してもらわねばならないが、国民にも
もう一度努力をさぼってはいけないことを改めて知ってほしい。
14日に神奈川県では藤沢市の市長選挙があった。
投票率は、27%。天候が悪かったのでとか言い訳はできるかもしれないが、
前回の35%を大きく割っていて、今までで最低。
これで、権利を行使したと言えるだろうか。
国民主権がどこかへ飛んで行ってしまいそうである。
3、最後に、おまけの章というのがあり、
そこにこの憲法の成立史が書かれていた。
押し付けられたというが、「憲法研究会」が出してきた「憲法草案」など
民間から出されてきた案も憲法を作る時に
参照されたことが明らかになっているそうだ。
社会主義の考え方から出てきている権利も含まれている。
これは、東西冷戦状態に入っているアメリカから出してこないはずの権利で、
日本の議員が帝国議会で提案して入ったそうである。
憲法改正を唱える人たちは、
すべてがお仕着せで作られたかのようにいうが、
そうでもないことがたくさんあるのだそうだ。
戦後70年になってなじんでなかったら、
国民の意志でとっくに変えられていただろう。
だが、選挙の結果などから見ると 国民の努力不足が不安材料だ。
番外だが、もう一つ、憲法と直接関係はないが、
United Nation 連合国が作ったのが国際連合(国連)で連合国の中心メンバーが
国連安全保障理事会の常任理事国になっていて、拒否権を持っている国は、
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国(旧中華民国)。
ここまでは知っていたが、次のことには驚いた。
日本はまだ旧敵国のままになっているのだそうだ。
日本、ドイツ、イタリアがよその国を侵略するような行動をしたり、
国際秩序を破壊するんじゃないかと思われたら、
国連に入っている国々は、安保理をすっ飛ばして独自の軍事行動を旧敵国に取れる。
戦後70年になっても、国連がこんな状態だったとは‥‥‥
唖然としてしまった。