今日は、名画座シネマリンで「2887」を観てきました。実は、この映画は昨年の
9月にもう一つの名画座ジャック&ベティで1週間だけ上映されていますので2回目で
す。
企画制作は、映画で社会を読む会、監督は、横浜の高校教員だった河野優司さん。
素人の集団が作った映画なので、配給会社ももちろんありません。
横浜の会なので何とか横浜の劇場で上映したいとの思いで「ジャック&ベティ」を訪
ね、それが実現できたようです。
私が行った日は、鑑賞後の監督さんの挨拶がありました。
教員を定年で辞めてからも映画製作にお金がかかるので、年金だけではやっていけ
ず、タクシーの運転手をやりながら映画製作に取り組んだとのこと、かなり無理をされ
たのだろうなと想像しました。
クラウドファンディングでお金も集めていらしたのは後で知りました。
そして今年の4月、映画で社会を読む会から手紙が届きました。手紙には河野優司監
督の訃報が記されていました。少しずつででしたが、映画が全国に広がりつつある最中
のことです。3月に宮崎で上映があったため出かけた先で倒れられたとのことでした。
この映画の追加、英語版も企画されていたのに、道半ばで亡くなられた無念を思い、
やりきれない気持ちになりました。追悼の映画会があったのに伺えなかったので、今回
は、追悼の気持ちを込めての参加でした。
私は、Webで予約を取っていきましたが、人気ゲストの参加のせいもあったのでしょ
うが、補助席を入れてもチケットはたくさんの人を残して完売。入れなかった人がずい
ぶんといたようです。
この映画の2887という題名は、安倍元首相が在位した日数です。最長を記録した
という報道がされていた時に、安部元首相が在位期間に何をして何をしなかったのか
記録に残しておく必要があるだろうというのがこの映画製作の意図だったようです。
憲法改正、福島原発、拉致問題、経済政策(アベノミクス)、辺野古の新基地建設
の5つのテーマを取り上げ、その足跡を検証しています。
今日は、特別ゲストとしてお笑い芸人の松元ヒロさんが上映後のトークに見えて存分
に政治ネタを披露してくださいました。松元ヒロさんは、テレビには出られない芸人と
いうキャッチフレーズがあるくらいで、政権のおかしなことをズバズバ言える芸人さん
です。有名なのは、けんぽうくん あの長い憲法前文を聞いている人の耳に届くよう
にさわやかに語ってくれます。
この映画でもその けんぽうくん が語られますし、要所要所で登場されるので映画
にアクセントが付き、引き締まります。
そのほかにも澤地久枝、伊藤真、ジャン・ユンカーマン、蓮池透、浜矩子
元山仁士郎 など(敬称略)たくさんの方のインタビューを通しての検証が行われてい
ます。
幾分心のもやもやも笑いですっきりとしたいい気分で映画館を後にしました。(ヒロ
さんも言っていましたが、海外では政治ネタを語るのは当たり前で、テレビでそれがで
きないのは日本だけのようです。)
国葬を明日に控え、この映画を改めて観て検証するということは、とても意義深いこ
とでした。
8月31日国会前で撮った写真。