翌日は、2つ目の宿題を解決するために朝9時半ごろ宿を出ました。11時までバス
がなかったので、ビジターセンターを訪ねる前に手前にある「早馬神社」(はやまじん
じゃ)へ行ってみることにしました。
車道の標識通りに行ってもよかったのですが、近道があるはずだと思って交番を訪ね
ると運のよいことにお巡りさんが在所していました。確かに近道があるとわかり、言わ
れた通り進んでいくと山道へ出ました。
珍しい植物に出会いました。たぶん「アキギリ」?だと思いながらはっきりしないま
ま今朝調べたら思った通りでした。ほとんど見かけない植物なのになんで覚えていたの
か自分でも不思議です。以前調べたことがかすかに脳内のどこかに残っていたのだろう
とちょっと嬉しくなりました。(年寄になると忘れていくばかりなのでね)
そこから先の道の検討が付かなくて人に聞こうにも人がいないので困っていると一人
私と同じくらいの女性が向こうからやってくるではないですか。渡りに船というわけで
神社への道を尋ねると、ちょっと手前の山道を下るとすぐだと教えてくれました。
ただし、日常人が通らない避難路だから草も生えてるし気を付けて歩くようにと言わ
れました。
道に入るとすぐに動物の糞がしてあるのを見つけてしまい、クマではないかとちょっ
とドキドキしました。道の脇は、小さな沢になっていてちょろちょろと水が流れる音が
聞こえるのみ。杉の木がうっそうとした暗がりの道を何とか下り、神社の屋根が見える
ところまで無事下りてこれました。
早馬神社は、梶原景時(鎌倉殿の13人)の兄、影実が創建し、頼朝の夫人北条政子
の安産祈願をしたと言われています。
境内にある馬をなでると万事うまくいくといわれ、お参りした人が撫でていくよ
うです。
この写真は、2011年の震災の時のものです。神社の下にあった民家など跡形もな
く流され、今は右手にある港の設備のほかは何もなく、広い空き地になっていました。
ここへ来るまでは、こんなところに海が迫っているなんて知らなかったので、入り組
んだ地形なんだと改めて知りました。ここは、「舞根湾」(もうねわん)です。
「森は海の恋人」運動のカキじいさんこと、畠山重篤さんの住んでいる舞根地区は、
右手の奥の方です。一番どん詰まりのここにも容赦なく津波が押し寄せたということで
す。
この日は前日の日曜日が運動会だったらしく中学生の男子が10人ほど釣りを楽しん
でいました。サバが釣れるんだと話してくれました。
左の方へ行くとバスの停留所があるはずだと思って歩き出すと、いきなりかつての小
学校の門がありましたが、裏には何もありません。門の左側になんと「二宮金次郎」の
像が倒れないように鉄棒に支えられて何とか立っているのを見つけました。
あれから13年経つんだなとしみじみとした気持ちになります。
「下二本杉」と呼ばれる大杉。道の反対側に「上二本杉」がかつてはあったはずです
が、
平成11年の強風で2本あったうちの西側にあった株に亀裂が入って周辺住民の安全
を考えて伐採されたそうです。もう1本の東株も道路の拡幅のためやむを得ず伐採され
たそうです。樹高28ⅿ、根元8、7ⅿどちらも樹齢が800年。県指定文化財「上二
本杉」跡として保存されています。
この杉の前にあるバス停からバスに乗り、ビジターセンターに向かうことにします。
なんとお客さんは私一人でした。宿題も次回に持ち越しです。