いよいよ4泊5日の旅の最後の日です。
来るときは、川渡温泉駅へ宿からお迎えの車を出してもらいましたが、帰りは一つ向こ
うの鳴子御殿湯駅まで歩くことにしました。
昔のメインの通りだった道をしばらく歩きます。郵便局の手前に山の方から流れる川
がありました。川の土手には桜の木が植わっていてだいぶ赤く紅葉していました。欄干
の下の方にペットボトルに何か言いたげなこけしが入っていました。
「ここも鳴子温泉。また来てくださいね。」
とでも言っているかのようです。
左側に「遠藤屋嘉吉」と看板が出ている豆腐屋さんがありました。白い暖簾をくぐっ
て店に入るような佇まいの豆腐屋さんです。買いたいなと思ったけれども気温も高め、
新幹線の中も温かいし、これは持って帰れないとあきらめて素通り。
お弁当箱くらいの大きさの胡桃豆腐とごま豆腐がメインのようでした。
もうしばらく行くと畑の中に大きな杉の木が立っていました。
鳥居と木の根元に小さな石の祠があるだけの神社です。名前も何もわからなかったの
でうちへ帰ってからネットで調べると「住田の杉」と名前が付いていました。
高さが20m、胴回りが5,6mだそうです。とても力強い枝ぶりでとても元気そう
な木でした。平原に突如立っている木なのでこの辺りのラウンドマークです。
地図に「芭蕉庵」というお菓子屋さんが載っていたので、ここで甘い和菓子をと心づ
もりをしていました。道の左側にこぎれいなこの店を見つけた途端中に入りました。
食べる前に写したのがこのまんじゅう、「いもねえちゃん」。周りの黄色い皮にあた
るところがスイートポテト、中は生クリームが入っていました。和菓子というより洋菓
子テイストですね。
もうとっくにお腹の中ですが、このほかに「鳴子ゆべし(中はトロっとしたクルミ
餡)」「草ゆべし(中は小豆餡)」この二つのゆべしは普通のゆべしとは違ってしっと
りとした餅菓子で新しい発見でした。しかも一口で食べられるくらい小さくて値段も
1個65円。こういう和菓子だと食べ過ぎないでいいなと思いました。
このお店は、和菓子のほかにケーキなどの生菓子や焼き菓子も作っているので、すご
くたくさんの種類を作っているなと感心してしまいました。
畑の向こうに「鳴子御殿湯駅」が見えてきました。色々寄り道をしたので30分もあ
れば着くところ、50分くらいかかりました。
去年泊まった宿も最寄りの駅はこの「鳴子御殿湯」でした。
背が高い駅舎の壁いっぱいに飾られているのは、この駅のファンだという版画家「大
野隆司」氏の作品です。ネコこけしがキャラクターだそうです。たくさんあるうち私が
選んだのは
「本日開運 きょうが本日」
毎日「本日開運 きょうが本日」と心で唱えて一日を出発すれば、きっと毎日が幸せな
気分でいられるような気がしました。
鳴子温泉郷には日本中にある11の泉質のうち9つあるそうです。まだまだ
入るべき温泉があるということなので、もう少し長い湯治をしたいと思いながら
鳴子を後にしました。