茅ヶ崎里浜の植物観察(8月)

8月の観察会は、19日。ちょうど17日から急に涼しくなった3日目でした。

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 集合場所は、7月と同じ浜須賀災害無線塔。

 手前の134号線は交通量が多いので横断歩道を渡ろうと待っていてもなかなか信号が変わりません。せっかちな私は、階段を上って歩道橋を渡ります。この日は、上に上り切った時に(わあー)と思わず声を出してしまいました。目の前の相模湾の海が水平線の彼方まで青く美しく見えたからです。右の端にうっすら見えるのは伊豆諸島の大島です。こんな日は、ここで深呼吸するだけで十分な気がします。

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 台風が過ぎ去った後でしたが、まだ波は高めでサーファーにとっては波日和。たくさんのサーファーが波と戯れておりました。

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 見ていると、1回だけでなく、寄せくる波を捕まえて、何回も乗りこなす人もいて見ているだけでワクワクします。

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 この日は、無線塔のある所から、東の方向(鵠沼海岸)へ向かって歩きました。竹で作られた垣根が砂丘とサイクリングロードの間に作られているのが見えます。この垣根は、「静砂垣」(せいさがき)と呼ばれています。サイクリングロードに砂が積もらないようにするのとサイクリングロードの後ろに植えてある黒松の防砂林を守る役目をしているのです。

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 ところが、このように静砂垣(せいさがき)が壊れているところがありました。手前に置いた棒が、指し示している方向は、南西です。冬の間、この浜には南西から強い風が吹くために垣根がこうして壊れてしまうのだそうです。冬は、南西から吹く強風で砂が舞い上がり大きく移動してしまうので、その砂を押さえる役目も果たすのも砂草なんです。

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 その南西から吹く風に乗ってやってくるのか、潮の流れが連れてくるのかわかりませんが、ヤシの実の落し物です。毎日ここを歩く人は、いろんなものが流れ着くのを見るのだと思います。島崎藤村の書いた「椰子の実」がちらっとよぎりました。

 この日見た砂草

 ツルナ マオリの人たちが食べていたのでニュージーランドスピナッチ、日本ではハマナ、ハマホウレンソウとも呼ばれている。食べられるが、シュウ酸があるのでゆでた方が良い。

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 オカヒジキ 生協の注文にもあるのでかなりメジャーな野菜になってきている。ここに生えているのは食用として作っているものではないので、茎も葉も太くてちょっと見た目が異なり、ずんぐりした葉である。

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 ハマニガナ 7月にものせたが、あえて載せたのはこれも食用になるからだ。出てきたばかりの若い葉を食べられるということがわかった。

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 砂草の中には、食べることが可能なものが多い。気候変動、天災、これからはなにがあってもおかしくない。知っているといいことがあるかもしれない。山に生えていれば、山菜。砂浜に生えていれば砂草。どちらも自然の贈り物だと思うがどうだろうか。

 

 ケカモノハシ 群生しているケカモノハシを初めて見た。丈は50cmくらいで穂が出ている。似ている名前のがついていないカモノハシは、湿地に生えている植物だそうだ。海岸のカモノハシは、強風と高温にさらされる過酷な状況の下に生えているのでが保護する役目を負っているのだそうだ。

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 花はすでに咲き終わって、実ができている。実の回りにもがたくさん生えているのがわかると思います。珍しいのは、この穂は1本じゃなくて2本がくっついて1本のように見えるというところだ。手前のは、開いて2本になっている。なぜこうなのかはまだ調査中。

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 「海と自転車」(この日の好きなスナップ。)

 真ん中あたりの水平線に大島が見えるでしょうか。夏に見えるのはすごく珍しい。

茅ヶ崎里浜の植物観察会

  

 7月の観察会は8日の土曜日だった。

 毎月場所を移動して砂浜の状態と植生の状態を観察している。

 この日は、浜須賀防災無線塔が立っているところに集合してそこから西の方を歩く。

 

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 この日も天気は上々。浜へ出てみるとたくさんの家族連れが波打ち際で遊んでいる。 どうも町内会のレクレーションという雰囲気だ。

 約束の時間よりずいぶんと早く着いたので様子を見ていると声がかかり、移動が始まる。どうも観光地引網のようだ。

 

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 集まった人たちは、漁師さんの指示で両側に分かれ、綱を引っ張って行く。なかなか本体は現れない。ひたすら引いていく。

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 やっと網がやってきた。昔は、網目があるものだったような気がするが、布の袋になった本体だ。黒いところはチャックになっている。

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 チャックを開くと中からあふれるほどの魚が現れ、歓声が上がる。それを漁師さんが網ですくって水色のポリ樽に入れていく。

 

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 ほとんどはアジだが、サバの小さいのやごくまれにカマスなんかも入っている。

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 底の方に入っていたのが生しらす。これはほしい人が手を出してそのまま食べていた。

 なにせこの日は大漁だったようでこの樽に10杯以上の魚が取れていた。1人何匹ずつかわからないが、分け前は十分だろう。とれたてのアジのたたきにしたり、焼いて食べたり、この日の家庭の食卓はさぞにぎやかだったに違いない。

 魚の観察に来たのではないがこんなハプニングも見ているだけで楽しい。

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 さて、本題に戻って、浜須賀あたりの砂浜は、漁港付近やハイランド付近に比べて狭くなっている。

 風や波の影響を受けやすいのか、砂浜が浜辺からすぐせり上がって形成されている。

 その最前線はやはりコウボウムギハマヒルガオとコウボウシバだ。こうやってみていると彼らがやっていることがよくわからないと思うが、

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 砂がえぐれたところを見てみると、その舞台裏がよくわかる。地上に出ている茎の長さの何倍かある根を縦にも横にも縦横に絡みつかせるようにして砂を押さえる働きをしている。一番過酷な場所を選んで砂の移動を防いでくれているのだ。ほんとうに縁の下の力持ちといってもいいだろう。

 こういう働きがある海浜植物は、東北大震災があった東北の海浜津波などの災害を少しでも軽減していく力があるのではないかと防災という観点からも見直されているのだと聞いた。

 このことは以前座学で聞いたことがあるのだが、こうして本物を見て感じるのとではずいぶんと納得の度合いも違ってくる。

この日観察できた植物

ハマボウフウの実 白い花がすっかり茶色く結実している。

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ハマヒルガオ はなは少ないがまだ可憐な花をつけている。葉はハート形。

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ハマニガナ ニガナはまだ結構咲いている。葉がイチョウに似ている。

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 海浜自然生態園でトイレ休憩と吸水。私はここは初めてだ。

 ここの庭には海浜植物がたくさん植えられている。浜辺の過酷な状況のところに生える強い植物なのに、今や人間が保護していかないと絶滅の危機に瀕しているものも多いという。ここは、その保護施設の一つ。そこに咲いていた花。

ハマゴウの葉ノカンゾウ           ハマエンドウ

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 最後にもう一つ予期せぬ出来事。

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 観察が終わって浜須賀の防災無線塔があるところへ戻ると、びっくりするほど大きな鯛がまな板にのっている。聞いてみると、地引網の二回目の網にかかっていたのだという。さばいている手元をじっと見ていたら、私たちの手のひらにそのタイの切り身をのせてくれた。思わぬプレゼント。醤油とワサビがあったら最高だった。

 

 

鮎そば

 東北旅行へ行く前日の4日に、八王子祭りの日が命日の友人の墓参りに行きました。 早いものでその彼女が亡くなってからもう4年が経ちました。

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 帰りにいっしょに行った友人が見つけてきた蕎麦屋さんに寄りました。6月に一度来ているので、二度目です。このお蕎麦屋さんは、実はかつて1年だけいっしょに働いたことがある人がやっている店でした。

 6月に会った時は、びっくりでした。顔と名前は覚えていたけれども、お互いにまだ若かった頃のことです。声には出さねど、これまで重ねてきた年月をずっしりと感じたものです。

 その頃から、彼は釣りをやったり、名古屋コーチンを飼っていたりと 一味違う趣味に生きていた人だったので、定年退職をしてから、趣味のそば打ちが高じて蕎麦屋を開くことになったのはわかるような気がしました。

 彼は、どこのそばが美味しいか日本全国そば行脚を重ね、自分のめがねに叶ったそば粉を取り寄せているようです。食べる直前に、粉に挽き、そばを打ち、ゆでて出す、いわゆる三たてのそばを出してくれます。三たてを看板にしているので、予約を入れておけばその時間に食べられるようにしてくれます。ふらっと行っても食べられますが、その工程にかかる時間を待つ覚悟をしなくてはなりません。

 儲けることだけを考えていたらそんな悠長なことをやっていられませんが、「暇なときは、趣味の釣りにも行きたいので、ちょうどいいんだ。」と言っていました。

 

 今回は、「鮎そば」という食べたことがない物を食べに行ったのです。初めて行った時に、「8月になったら釣ってきた鮎を使ったそばが食べられるよ。」という話がずっと頭にこびりついておりました。食べたい食べたいと思いながら待つこと2か月。

 これがその「鮎そば」です。

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 相模川水系は今年鮎が豊漁だったようで、その鮎を乾かし(ここのところを聞き洩らしたのでいい加減ですが、遠火で蒸すようにするのかもしれません。)それで出汁を取り、汁そばに仕立てたものです。

 本当にさらっとさっぱりした出汁なのにコクがあるのです。口に入れただけで幸せな気持ちになります。鮎の出汁だけで何もほかの物は入れていないと言っていました。

 これは、皆さんご存知の鮎の塩焼き

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 もちろん、彼が釣ってきた天然ものです。ちゃんと苔の香りがする鮎です。めったに天然物は食べられないので、これで鮎は香魚っていうんだということが納得できました。今は、柑橘類のいいのがないので、付いていたのはライムです。

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 後から出てきたのは、出汁を出すのに使った鮎をから揚げにしたものです。これがまた美味しいのです。日本酒を飲む人は、これを肴にするとお酒が進むだろうと想像できるお味です。もう一度鮎の出汁でそばを食べてみたいものだと思うけれども、あの時点であと10人分くらいで終わりだと言っていたので、今年は、もう1回というわけにはいかないようです。

 これは特別メニューで、2500円。普通は天ぷらそばが1500円(せいろ2枚と野菜中心の天ぷら)です。ほかにもメニューがあるのでしょうが、よく覚えていません。そばは、十割そばです。

 参考までに、店の名前は「川崎」といいます。場所は、町田市の大地沢青少年センターへ行く途中にあります。(八王子と町田の市境付近)

世界谷地原生花園(宮城県栗原市の旅その2)

 朝のうちに蓮舟に乗った後は、宿舎の方にお世話になった挨拶をして駅へと戻りました。駅を挟んで伊豆沼と反対方向にある「世界谷地原生花園」(せかいやちげんせいかえん)へ行こうと思ったからです。まず、前日までの天気で行けるかどうかを確かめるために駅にある案内所へ行って聞いてみました。

 前日まで思っていたほど雨が降ったわけではなかったようで、「行けますよ。」とのこと。

 ナビの設定をどこにしたらいいかということと、お昼を食べられる場所を教えてもらい出発です。西の方へ向かって車を走らせること約1時間、世界谷地原生花園の駐車場へやってきました。道は細いところもありますが、この日はほとんど対向車もなく楽に行くことができました。

 世界谷地原生花園は、栗駒山の麓に広がる湿原で標高700ⅿくらいのところにあります。名前の頭になんで世界がついているのかが不思議でしたが、それくらい広いという意味でつけられたようです。

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 駐車場からしばらくブナの林の中を歩きます。ブナの原生林は、東北といえども少なくなってきているので貴重な森になっているのだそうです。この時間、空が曇ってしまって木漏れ日の輝きがありません。

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 今観察路の木道が設置されているのは二か所。まず、第一湿原へ入ります。

 この湿原は、ニッコウキスゲの大きな群落があるので有名ですが、残念ながらもう茶色い実ができてしまっていて一輪の花も見つけることはできませんでした。

 8月はちょっと寂しい湿原ですが探せば咲いているものです。

サワギキョウ               ミカヅキグサ

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駒ヶ岳にも咲いていたコバギボウシ    赤い木の実(木の名前がわかりません。)

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 右側の雲に隠れた山が栗駒山ですが、この日は姿を現してはくれませんでした。

 だんだんと雲行きが怪しくなってきました。

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 入口に戻って、山道をしばらく行くと第2湿原が始まります。この第二湿原は、10年前に起きた岩手・宮城内陸地震の影響で、木道がくずれたりしたため10年間出入りができなかったのですが、幸運なことに今年やっと整備が終わり入ることができることになったのだそうです。

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 こちらの湿原では、第一じゃ見られなかった花が見られました。

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 遠目からだとまるでアザミの仲間です。でもよく見ると葉っぱが違います。棘のある立派な葉っぱではなく、華奢な葉なのです。これは、タムラソウ。ひときわ鮮やかに見えました。

 こちらは、ミズギクといいます。第一湿原にもありましたが、こちらの方がたくさん咲いていました。茎に白い毛が生えているのがわかるでしょうか。

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 実は、第二湿原を歩いていたら、怪しげな雲からいきなり雨が降りだしました。あわててレインコートを着て傘をさしました。湿原では雨宿りをするところもないので、元来た道を急いで戻りました。

 林に戻るころには雨も止みましたが、この日はやはり不安定な天気だったようです。

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 帰りのブナ林で面白いブナの木を見つけました。1本の木ですが、まるで親しい人同士寄り添っているような姿です。通り過ぎて行く人がいろいろ想像していいるのではないかと思いました。

 ブナの根の保水力というのは素晴らしいものがあり、たくさんの雨が降ってもちゃんと土の中に貯めてくれる貯水タンクの役割を担ってくれるのです。洪水を防ぐためにもこうしたブナの原生林を保護して開発から守ることが今問われているような気がします。

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雨後のタケノコといいますが、雨後のキノコも2本ほどみつけました。

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 駐車場に戻ってくる頃には青空になり、盛岡で見てきた岩手山の姿も北東方向に見えていました。この日、出会った人は2組だけ。静かな散歩ができました。

 お腹もすいたので、教えてもらったところへお昼を食べに行きました。ここから車でほんの3分ほど下ったところです。左に曲がる指示の看板がでていたのですぐにわかりました。

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 ここは、栗駒山の水の恵みを利用して岩魚の養殖を生業にしている食堂です。

 岩魚の塩焼き定食か岩魚丼かということで岩魚丼の方を注文しました。岩魚の味は食べつけないので、よくわかりませんが、なかなか食べることができない珍しい食材をいただけただけでも来た甲斐がありました。

 食べ終わってから庭にある養殖池をみせてもらいました。

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 上の方に小さな岩魚、下の方へ行くにしたがって型が大きいものの水槽になっています。

 小さな岩魚                大きな岩魚

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 夕方5時の新幹線に乗車。無事5泊6日の旅を終えることができました。

 振り返って

 まず、この旅行はJRの切符を取るところから結構ハードでした。8月5日出発の指定券を取るには、1か月前の7月5日にみどりの窓口へ行かなければなりません。これは何とか一度でクリアーできましたが、帰りの指定券は10日発売ですからもう一度みどりの窓口へ行かねばなりません。まして11日からお盆期間の繁忙期ですから、自由席だと疲れていても座席が確保できないなんてことになっても困るわけで、うちを午前6時半に出て午前7時にみどりの窓口が開く前の予約というのを取りました。こうしておくと、みどりの窓口が開く午前10時に並んだ人よりも先に手続きをしてくれるので、取れる確率が高くなるというわけです。3時間くらいモーニングコーヒーを飲みながら時間をつぶします。それでも取れないこともあるようで10時半過ぎてからまたみどりの窓口へ行くと取れているか取れていないかの結果が〇と×で表わされている表を見ます。取れていた場合は再び列に並んでやっと購入できるのです。ふだんこんな繁忙期にチケットを取るようなことがなかったのでたいへん手間がかかることを知りました。

 天気も大事。今回は予報よりは恵まれていい方へ変わったのでよかったですが、最悪毎日雨降りという場合もあるのでそれなりの覚悟が必要です。

 旅は、前と最中と後の3つを含めて旅だと思っているので、今回ブログで後の振り返りができてほっとしているところです。

 先日も友だちに「あなたって旅の話をするときはとても楽しそうだね。」と言われました。そうみたいです。体力がだんだん怪しくなってきているので、どこまでそんなことが許されるのかわかりません。できる間はせいぜい命の洗濯に出かけたいと思っています。

 長い旅記録にお付き合い下さった皆様ありがとうございました。

 

蓮の花咲く伊豆沼 (宮城県栗原市の旅その1)

 9日3時過ぎ宮城県の北部にあるくりこま高原駅に到着しました。

 栗原市にある伊豆沼へはここ2年続けてきています。10月になるとシベリアからやってくるマガンの群れがここへ渡ってくるからです。マガンだけでなく、オオハクチョウヒシクイやたくさんのカモたちもやってきて冬の間中伊豆沼はたいへんにぎやかです。

 今回は、伊豆沼を覆うように咲くという蓮の花を見に来たのです。このハスの茎(レンコン)は、冬にここへやってくるオオハクチョウの大事なエサになるのです。

 伊豆沼のそばにある「ウエットランド交流館」(宿舎)にいつもお世話になっているのですが、そこの夜勤の男性が夏は蓮舟をやっているからというので一度夏にもやってきたいと思っていたからです。

 この日は、台風が近づいて大荒れだと聞いていたので、駅へ下りた時に雨は少し降ってはいたものの、風は吹いていなかったのでこれで宿舎に着くまでは大丈夫だと安心したものです。

 伊豆沼のまわりには歩いて買い物に行けるお店は一つもないのです。バスなどももちろんありません。宿舎では夕飯を食べるお客さんが二人以上いると食堂をやっている方が出張してきてくれるのですが、こんな日ですから客は私一人。夕飯はでないことを聞いていたのであらかじめレンタカーを借りておきました。

 

 そこで、夕方6時ごろ、伊豆沼の東の端にある「くんぺる」というレストランへ行ってみました。歩くと1時間以上かかるところです。そのレストランも個室にお客さんが一組いただけであとは、私一人、広い館内は閑散としています。ここは、伊豆沼のまわりで生産される農産物や畜産物を材料にして提供してくれるところです。

前菜             サラダ          メイン

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スープ            デザート

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 ディナーコースです。本来私は、お肉を食べないようにしているのですが、この日は選べるメイン料理の魚が作れないというので、仕方なくここの加工工場で作っているソーセージやベーコンをメインにしました。何せ、ボリュームがすごくて本当にお腹がいっぱいになりました。ライスとコーヒーも付いて2000円でした。前菜に出た赤いのが気になり聞いてみたら、思った通りホヤの燻製でした。ホヤは皮ごと燻製するのだと教えてもらいました。やりたがり屋は一度やってみたいと思ったのです。

 

 翌朝の宿舎の窓から見た伊豆沼です。

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 もちろん、前の晩は晴れるように祈っていましたが、こんなに見事に晴れるとは思ってもいませんでした。水面にバラ色の雲や深い緑の木立が映り込んでいてそれはそれは美しい光景でした。

 夜勤の男性と朝の挨拶を交わし、朝一の蓮舟にのせてもらえるように頼んだのですが、「毎日順番があって、おれは今日は6番目なんだよ。もっと上手な人がいるから。」というので、仕方なく船着き場まで車で行きました。

 一番舟は8時出発だということです。モーターで動かす10人乗りくらいの舟が全部で11そう停まっていました。

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 右の方から1そうやってきました。沼の近くの人は舟で通勤なのでしょう。ところが待っている間に宿舎の男性があわててやってきて、みんなに「ウエットランドのお客さんだから、俺がいくわ。」と言いながら舟に乗せてくれました。ほかには乗る人もいなかったので「貸し切りだわあ!」と喜んでいるのもつかの間、数メートル進んだところで新しいお客さんが走ってきました。結局戻ったので乗客は3人になりました。

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 西の方は、蓮の生えていないところがあります。宿舎の方に聞くと、沼の水質が悪くなるので毎年一部を刈り取っているのだとのことでした。大きい葉は蓮、小さい葉はヒシです。ヒシの実は特にヒシクイの大事なエサになります。

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 さあさあ出発!一面ハスです。ハスの海を泳いでいくような感覚になります。舟はハスの茎や葉をひっかけないように細い水路を進んで行きます。

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 蓮の花って、中心部から光が放射状に出ているように見えて、バラの花とも違う美しさです。ハスの花の命は3,4日だと言われています。咲いて閉じて咲いて閉じて・・・最後は花弁がパラパラと落ちて花は終わります。花弁にしわしわができているのは、2日目とか3日目の花ではないかと思います。時間が経つとしわしわになるのは人間の皮膚も同じですね。わが身は、3日目当たりかと思いますが、あえて鏡を見ないように努めております。

 

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 花は、午前七時ごろから九時頃までが一番見ごろだそうです。午後になるとほとんどの花は閉じてしまいます。ちょうど来る前に調べた時は、7分咲きとのことだったので、一番いい時に来たのだと思います。

 この伊豆沼と隣の内沼では7月の20日頃から8月末までが「はす祭り」ということで、毎年舟が運行されています。

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 花粉がめしべに付き受粉が終わって役割を終えた黄色い雄しべです。ベトナムではこの雄しべを使い、お茶の葉に甘い香りをつけて「蓮の葉茶」として売っています。花が開いているわずかな時間にたくさんの雄しべを集める仕事は大変だと聞いたことがあります。一度日本で買って試したことがありますが、とてもいい香りです。

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 蓮の実です。蓮は捨てるものは何もないと言っていいほど役に立継植物です。できた種が大きくなったものも食べます。ほくほくしておいしいし栄養価も高いそうです。

 この伊豆沼に生えているピンクの花の蓮は、昔からある蓮で改良されていない種類です。できたレンコンは小さくて硬くて人間には食べてもらえないのですが、ハクチョウたち水鳥が食べてくれるのです。

 まわりの農家でも人間用の蓮を植えていますが、花の色は白くレンコンは大きく柔らかいのです。味をしめてしまえばハクチョウだって当然美味しいと思うだろうし、取られないようにネットをかけて栽培しているのを見かけました。

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 蓮の葉に乗っているコサギを何羽もみかけました。ダイサギアオサギは一羽もいません。「コサギは軽いから?」と聞いたら、その通りでした。コサギなら支えてもらえるけれど、それより大きくて重い鳥は、乗ったら沈んでしまうからだそうです。

 彼らは、蓮の葉のお立ち台から魚をねらって魚を独り占めです。水深は平均1,6ⅿくらいあるので、大型の鳥は水底に立つこともできません。一般的に大は小を兼ねるといいいますが、この場合小は大より勝るということになるのでしょうか。コサギは幸せ者です。

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 逆さコサギです。

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 蓮の葉にたくさん水玉ができています。

 蓮の葉の上で水がはじかれ水玉になるのをロータス効果というそうで、いろんなものに応用されていると聞きました。

 

 ぎっしりと生えた蓮の間を進む舟に揺られてお釈迦さま効果に酔いしれた30分でした。

 今まではこの夜勤の男性のことを気安く「おじさん」などと呼んでいたのですが、今回鏡を見ないおばさんと同じ生まれ年だと判明しました。「お互い健康でいましょうね。」「また来てくださいよ。」と言葉を交わして舟をおりました。遠い宮城県に友だちがまた1人できたような気がしました。

 次に続く。

蓮の花咲く伊豆沼 (宮城県栗原市の旅その1)

 9日3時過ぎ宮城県の北部にあるくりこま高原駅に到着しました。

 栗原市にある伊豆沼へはここ2年続けてきています。10月になるとシベリアからやってくるマガンの群れがここへ渡ってくるからです。マガンだけでなく、オオハクチョウヒシクイやたくさんのカモたちもやってきて冬の間中伊豆沼はたいへんにぎやかです。

 今回は、伊豆沼を覆うように咲くという蓮の花を見に来たのです。このハスの茎(レンコン)は、冬にここへやってくるオオハクチョウの大事なエサになるのです。

 伊豆沼のそばにある「ウエットランド交流館」(宿舎)にいつもお世話になっているのですが、そこの夜勤の男性が夏は蓮舟をやっているからというので一度夏にもやってきたいと思っていたからです。

 この日は、台風が近づいて大荒れだと聞いていたので、駅へ下りた時に雨は少し降ってはいたものの、風は吹いていなかったのでこれで宿舎に着くまでは大丈夫だと安心したものです。

 伊豆沼のまわりには歩いて買い物に行けるお店は一つもないのです。バスなどももちろんありません。宿舎では夕飯を食べるお客さんが二人以上いると食堂をやっている方が出張してきてくれるのですが、こんな日ですから客は私一人。夕飯はでないことを聞いていたのであらかじめレンタカーを借りておきました。

 

 そこで、夕方6時ごろ、伊豆沼の東の端にある「くんぺる」というレストランへ行ってみました。歩くと1時間以上かかるところです。そのレストランも個室にお客さんが一組いただけであとは、私一人、広い館内は閑散としています。ここは、伊豆沼のまわりで生産される農産物や畜産物を材料にして提供してくれるところです。

前菜             サラダ          メイン

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スープ            デザート

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 ディナーコースです。本来私は、お肉を食べないようにしているのですが、この日は選べるメイン料理の魚が作れないというので、仕方なくここの加工工場で作っているソーセージやベーコンをメインにしました。何せ、ボリュームがすごくて本当にお腹がいっぱいになりました。ライスとコーヒーも付いて2000円でした。前菜に出た赤いのが気になり聞いてみたら、思った通りホヤの燻製でした。ホヤは皮ごと燻製するのだと教えてもらいました。やりたがり屋は一度やってみたいと思ったのです。

 

 翌朝の宿舎の窓から見た伊豆沼です。

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 もちろん、前の晩は晴れるように祈っていましたが、こんなに見事に晴れるとは思ってもいませんでした。水面にバラ色の雲や深い緑の木立が映り込んでいてそれはそれは美しい光景でした。

 夜勤の男性と朝の挨拶を交わし、朝一の蓮舟にのせてもらえるように頼んだのですが、「毎日順番があって、おれは今日は6番目なんだよ。もっと上手な人がいるから。」というので、仕方なく船着き場まで車で行きました。

 一番舟は8時出発だということです。モーターで動かす10人乗りくらいの舟が全部で11そう停まっていました。

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 右の方から1そうやってきました。沼の近くの人は舟で通勤なのでしょう。ところが待っている間に宿舎の男性があわててやってきて、みんなに「ウエットランドのお客さんだから、俺がいくわ。」と言いながら舟に乗せてくれました。ほかには乗る人もいなかったので「貸し切りだねあ!」と喜んでいるのもつかの間、数メートル進んだところで新しいお客さんが走ってきました。結局戻ったので乗客は3人になりました。

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 西の方は、蓮の生えていないところがあります。宿舎の方に聞くと、沼の水質が悪くなるので毎年一部を刈り取っているのだとのことでした。大きい葉は蓮、小さい葉はヒシです。ヒシの実は特にヒシクイの大事なエサになります。

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 さあさあ出発!一面ハスです。ハスの海を泳いでいくような感覚になります。舟はハスの茎や葉をひっかけないように細い水路を進んで行きます。

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 蓮の花って、中心部から光が放射状に出ているように見えて、バラの花とも違う美しさです。ハスの花の命は3,4日だと言われています。咲いて閉じて咲いて閉じて・・・最後は花弁がパラパラと落ちて花は終わります。花弁にしわしわができているのは、2日目とか3日目の花ではないかと思います。時間が経つとしわしわになるのは人間の皮膚も同じですね。わが身は、3日目当たりかと思いますが、あえて鏡を見ないように努めております。

 

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 花は、午前七時ごろから九時頃までが一番見ごろだそうです。午後になるとほとんどの花は閉じてしまいます。ちょうど来る前に調べた時は、7分咲きとのことだったので、一番いい時に来たのだと思います。

 この伊豆沼と隣の内沼では7月の20日頃から8月末までが「はす祭り」ということで、毎年舟が運行されています。

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 花粉がめしべに付き受粉が終わって役割を終えた黄色い雄しべです。ベトナムではこの雄しべを使い、お茶の葉に甘い香りをつけて「蓮の葉茶」として売っています。花が開いているわずかな時間にたくさんの雄しべを集める仕事は大変だと聞いたことがあります。一度日本で買って試したことがありますが、とてもいい香りです。

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 蓮の実です。蓮は捨てるものは何もないと言っていいほど役に立継植物です。できた種が大きくなったものも食べます。ほくほくしておいしいし栄養価も高いそうです。

 この伊豆沼に生えているピンクの花の蓮は、昔からある蓮で改良されていない種類です。できたレンコンは小さくて硬くて人間には食べてもらえないのですが、ハクチョウたち水鳥が食べてくれるのです。

 まわりの農家でも人間用の蓮を植えていますが、花の色は白くレンコンは大きく柔らかいのです。味をしめてしまえばハクチョウだって当然美味しいと思うだろうし、取られないようにネットをかけて栽培しているのを見かけました。

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 蓮の葉に乗っているコサギを何羽もみかけました。ダイサギアオサギは一羽もいません。「コサギは軽いから?」と聞いたら、その通りでした。コサギなら支えてもらえるけれど、それより大きくて重い鳥は、乗ったら沈んでしまうからだそうです。

 彼らは、蓮の葉のお立ち台から魚をねらって魚を独り占めです。水深は平均1,6ⅿくらいあるので、大型の鳥は水底に立つこともできません。一般的に大は小を兼ねるといいいますが、この場合小は大より勝るということになるのでしょうか。コサギは幸せ者です。

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 逆さコサギです。

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 蓮の葉にたくさん水玉ができています。

 蓮の葉の上で水がはじかれ水玉になるのをロータス効果というそうで、いろんなものに応用されていると聞きました。

 

 ぎっしりと生えた蓮の間を進む舟に揺られてお釈迦さま効果に酔いしれた30分でした。

 今まではこの夜勤の男性のことを気安く「おじさん」などと呼んでいたのですが、今回鏡を見ないおばさんと同じ生まれ年だと判明しました。「お互い健康でいましょうね。」「また来てくださいよ。」と言葉を交わして舟をおりました。遠い宮城県に友だちがまた1人できたような気がしました。

 次に続く。

初めての盛岡その2

 啄木新婚の家

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 石川啄木の歌碑はあちこちにあるのですが、ゆかりの史跡というのはかつて新婚生活を送ったこの家のみだそうです。玄関を入ると左側に床の間付き8畳がありました。縁側から小さな庭に不釣り合いの大きな蕗の葉っぱがありました。両親と妹がそこで寝起きし、ふすまを隔てた右側の四畳半が啄木夫婦の部屋だったそうです。

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 ここで結婚式をすることになっていたのに、啄木は予定の日になっても帰ってこず、それでも媒酌人と家族のみで式をあげたそうです。しかも、この家には3週間余り住んだだけ。そんな縁しかない家なのに、なぜかこの住居の佇まいにはその頃を彷彿とさせるものが漂っているような気がしました。

 啄木と宮沢賢治は、二人とも盛岡中学に在学していたので、賢治ゆかりの詩碑や史跡ものこっています。

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 これは岩手医大の玄関横にあったものです。創立50周年を記念して建てられた詩碑だそうです。

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 前日食べたお蕎麦屋さんのすぐ近くにあった「賢治清水」。盛岡農林高等学校に入学した賢治と盛岡中学に入学した弟が一緒に下宿していた家が下の橋の辺りにあり、賢治も使っていた井戸を整備して保存してあるのだそうです。今でも飲める水だそうで、私も一口飲んでみました。日の照り付ける午後、とてもさわやかなおいしいお水でした。

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 これは、材木町にあった出版社「光原社」の看板。かつて、賢治が「注文の多い料理店」を友人の経営するこの会社から出版しました。今でこそたくさんの童話が出版されていますが、生前に世に出た童話集はこれのみだそうです。

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 今は、主に陶芸、織物など民芸品のお店として営業されています。

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 裏手に回ると、趣のある庭があり、コーヒーを飲むことができます。

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 奥の方へ行くと賢治の作品が塀を飾っています。

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 庭のどんづまりは、北上川です。ノウゼンカズラが今を盛りと咲いていました。

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 後先になりましたが、この通りは「いーはとーぶアベニュー材木町」と言います。後ろ姿は宮沢賢治の像です。前から見た写真も撮りましたが、なぜか私は後姿の方が気に入っています。

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 材木町は、昔からある街の名ですが、賢治ゆかりの光原社を中心にしていーはとーぶらしく看板もおしゃれに作られた通りです。

 ここで賢治などと呼び捨てにしていますが、友人の話では、岩手県人は賢治のことをすごく大切に思っているので、「賢治さん」とさん付けで呼称すると言っていました。

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 前日女子高生が川遊びしていた橋の1本上にある「上の橋」です。擬宝珠が付いている昔からあった古い橋のようです。下流に「下の橋」というのもあるので、その二本がもともとの橋だったのでしょう。

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 この橋の手前に建物自体はリノベーションしてあるけれども隣の家との境に防火壁になる屋根より少し高く作られている「うだつ」がある一角がありました。

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 お昼前ですが、そろそろお腹もすいてきてだんごの文字を見たとたん、中へ吸い込まれてしまいました。

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 中は、テイクアウトのお店でしたが、椅子とテーブルが置いてあるのでここでも食べられるのか確かめたら、いいとのことでしたのでいただくことにしました。

 あべかわとかしょうゆとか知っているのもありましたが、私が選んだのは食べたことがない「黒豆だんご」と「きりせんしょ」。

 「黒豆だんごは、甘くないですよ。」との忠告があったのでわかっていたつもりですが、中には黒豆が1つ入っているだけのお団子でした。ここのお団子は、うちの方で売っているものに比べるとちょっと小ぶりで上品な気がしました。

 もう一つの「きりせんしょ」、実はこちらで食べる「切りザンショ」と同じで山椒の香りのものだとばかり思いこんでいたら、違っていました。ほんのり甘くて中に茶色の甘いタレが入っていました。「食べる時、中からタレが出てくるから気をつけて。」と言われたのに、注意散漫な私は、ズボンの上に垂らしてしまいました。

 後から調べたところ盛岡とか花巻の地方食だそうで、クルミとかごまと砂糖を入れ込んだゆべしのようなものでお節句などに作って食べるのだそうです。

 ご主人は、見るからに優しそうな方でした。お茶も出してくれたのでなんだかゆったりしてしまって、お客さんがいない間つい話し込んでしまいました。

 このお店の前身は、お母さまがやっていらしたお餅やさん。引き継いで今はだんごやになったそうです。古い建物が残されていていい街だというと、「駅の周辺からちょっと距離があるから開発が急激に進まなくていい具合なのかもしれないです。」との答えが返ってきました。

 どちらも120円。値段は、盛岡だからって安いわけではないので、きっと地物の米粉を使って作っているのだろうと思いました。

 ほっこりしたいい気分になりました。

 街の中に残っている私が見た古い建物を並べます。

紺屋町ござ九(雑貨屋)            紺屋町番屋(消防団の建物)

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上の橋たもとの古本屋            啄木賢治青春館になっている建物

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盛岡信用金庫                岩手医大玄関

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 まだまだたくさんあるとのこと。建物を探して回るだけでも面白い街です。

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 9日朝、ホテルの窓からの風景です。白い鉄橋が「開運橋」です。盛岡というとよくこの橋の向こうに岩手山を配置した写真が出てきます。晴れてはいるけれども、雲の流れが速くて台風の到来を予感させる天気です。

 荷物を預かってもらっていたので、最後にホテルへ寄ってから駅へ行きました。朝はこんなだったのに駅へついてまもなく雨が降り出しました。新幹線は午後2時の出発でしたが早めに駅へ戻っていたので、降られずに済みました。ただ1時間後は宮城県に入るのでこの日の台風の進路予想では雨風強くなる覚悟が必要で、またまた深刻な出発となりました。

 次は宮城県です。またよろしくお願いいたします。