宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅1

 18日、19日と去年に引き続き、宮城県のラムサールトライアングルの見学ツアーに参加してきました。朝早くうちを出たので、まずは腹ごしらえ。東京駅でさっそく駅弁を買って食べました。

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 これは、「野菜弁当」。以前から「野菜弁当」なんてあったかなあとふと考えましたが、たぶんなかったと思います。近頃は、それだけベジタリアンも増えて需要があるということなのかもしれません。単にサラダっぽいものだけでなく、油で揚げたものやカボチャを甘く仕上げたデザート風のものも入っていて、それなりに工夫されているようです。

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 ここから突然宮城県です。

 東北新幹線で約2時間半、「くりこま高原駅」で下車します。今回は友人も一緒だったので駅でレンタカーを借り、ナビを使って栗原市から25キロくらい離れている隣の登米(とめ)市まで昼食を食べに行きました。レンタカーを借りたら隣の市まで行って食べようと思っていたものがあったからです。登米市というのは、宮城県でも有数のひとめぼれの米の産地です。道中刈り取ったあとの茶色い田んぼがずっと続いていました。

 

 この街に一時宮城県の県庁があったというので昔懐かしい木造の洋風建築の建物やら古い酒屋や味噌やが集まっていて、歩いて回る価値のありそうな町です。街の東側に東北の大河、北上川がとうとうと流れています。昔からこの川を好ましく思っていたので蛇行して流れているその先へも行きたくなります。川岸の大きな木の上に猛禽類の鳥がじっと止まって川面を見つめていました。近づいて写真を撮ろうとしたら、対岸へ飛び去ってしまいました。近頃は、景色の中に鳥の姿があるとどうしてもそこへ目がいってしまいます。大きさといい、色といい、おそらくトビだと思います。

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 土手の上に車を停めて、下りたところにお目当てのうなぎや「清川」があります。江戸時代から続いているうなぎ屋さんですが、建物も新しくされたようで快適な空間になっていました。2階の部屋から北上川の景色を見ながら食べることができます。

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 私はうな重、友人はひつまぶし。どちらも肝吸いと漬物が付いています。それに肝焼きを余分に注文しました。夏場だと北上川で捕れるうなぎが食べられるそうですが、今の時期はないそうなので養殖うなぎでしたが、うなぎもご飯も多くて満腹を通り越した感がありました。伊豆沼へ2回目に行った時は、このうなぎを食べようという思いが叶いましたが少々苦しかったです。

 どなたから「ベジタリアンになるんじゃないの?」という突っ込みが聞こえてきましたが、こういう時は、居直って美味しいものを食べることにしています。ただ間違ってもステーキには手を出しません。うちではベジをめざして日夜野菜、大豆製品、キノコ、海草(たまに魚)の生活を続けております。

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 うなぎを見に来たわけではないので、すぐに折り返して伊豆沼の東側へ戻ってきました。ここは、東北本線の「新田駅」の近くで「野鳥観察センター」の古い建物がある小さな池のようになったところです。

 去年も立ち寄りましたが、やはりオナガガモがたくさん、それにオオハクチョウとほんの少し黒いキンクロハジロもいました。ここは、お客さんが米を膨らませたポン菓子をくれるので、オナガガモは、人懐っこく土手にも上がってきてついばみます。ハクチョウは、その辺は悠長でうまく食べることができなくてカモに取られてしまいます。

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 オオハクチョウの成鳥と灰色の幼鳥です。今年シベリア方面で生まれて数か月で3000キロから4000キロを親と一緒に飛来してきたのかと思うと「よく頑張ってきたね!」と声をかけたくなります。鳥というのはこの1回の飛行でルートや目的地をちゃんと覚えて次回からも間違いなくやってこれるというのですからすごい能力が備わっているのだと思います。

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 車で10分くらい西へ移動して内沼へきました。去年は、一人で土地勘もなかったのでこの道をずっと歩いて行き来していました。歩いているとコスモスのピンクやケイトウの赤が際立っていたなとか、赤とんぼやヒョウモンチョウがとんでいたなとか、ガンが鳴きながら飛んでいたなとかそんなことが、思い出されるものですが、車だとすぐに着いてしまうのでそんな余禄はありません。

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 またオナガガモがたくさんいます。こちらの黒い鳥は、オオバンです。谷津干潟でもオナガガモが優勢でしたが、今はオナガガモがたくさん押し寄せてきているのかもしれません。

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 オオハクチョウが毛づくろいをしています。大きなおなかが水について冷たくないのかなと思いますが、翌日案内してくれたガイドのお兄さんの話によると、お尻のところからろうのようなものが分泌されていて、それを体に付けて水をはじかせているので、こちらで思うほど冷たく感じていないそうです。足はいつも水に浸かっていますが、足の途中に熱交換システムが内蔵されていて、体からの温かい血液と足元から上がってくる冷たい血液が入れ替わるようになっているというような説明を聞きました。難しくてその辺りはこれ以上よくわかりません。それにしても大きなおなか、レンコンやお米をたくさん食べて満腹状態なのかもしれません。うな重で満腹の我がお腹をみるようです。

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 黒いものが背中に乗っているなと思ったら、水かきでした。ハクチョウの足は、意外と短くて太くてしかも黒いんですね。なんだかこうやって見る前は、アヒルと一緒で黄色い足と水かきというボーとしたイメージがありました。「あっらよっと」と言っているわけではないのでしょうが、フラミンゴのように1本足で立つこともあるのは、新発見でした。去年も見ているのに、見ているようで見ていないことってあるものだと思いました。左のハクチョウがくちばしにお弁当を付けていますが、それがポン菓子です。通りの反対側にある昆虫館で100円で売っているのを買うのです。それが野鳥保護の寄付になります。

 本当は、この日は午後から雨の予報でしたが、何とか持ってくれました。午後4時、伊豆沼の宿泊施設ウエットランド交流館へ行く途中、車を停めて、四方八方の出先から帰ってくるマガンたちをしばらく見上げておりました。ねぐら入りです。

 続きます。

谷津干潟(ラムサール条約登録地)

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 11月は外出予定も多く、図書館にリクエストを出していた本も次々に届いて忙しい日々でした。

 11月5日は、朝起きると天気がよかったので、前々から行ってみようと思っていた谷津干潟へ行くことにしました。谷津干潟は、ラムサール条約特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)登録地です。東京湾の千葉県側に位置し、南半球からはるかシベリアまで行ったり来たりするシギやチドリの仲間が途中で休憩する飛来地としてとても重要な干潟です。

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 東京駅から京葉線に乗って南船橋駅で下車。そこから10分ほど歩くと公園内の散策路に到着です。散策路へ入ったところでさっそくカモたちが迎えてくれました。ここに写っているのは、オナガガモの雄と雌です。

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 見たことがない鳥がいます。近くに観察をしている人がいたので、聞いてみるとセイタカシギ別名水辺の貴婦人という名前で呼ばれている)だということです。長くて赤い足が特徴で、一度覚えると忘れずに済みそうな鳥です。

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 公園の入り口から10分ほど歩くと、センターの建物があります。中は、干潟を臨めるようにガラス張りの広い窓に望遠鏡が数台設置され、レンジャーがいろんな質問に対応してくれます。子どもたちもたくさん訪れるので、鳥の特徴を表わした帽子が展示され自由にかぶって鏡で変身ぶりを見ることもできます。

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 これは、鳥のぬいぐるみです。特徴を布で表わしているだけでなく、抱くことでその鳥の重さもわかるようになっています。

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 これは、バードデコイです。鳥の特徴をつかむにはとても便利だし、実際の鳥の大きさがよくわかります。

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 お昼も過ぎていたので、センター内のカフェで昼ご飯を食べることにしました。淡水池を眺めながら食事ができる素敵な場所です。カワセミもよく現れるらしいですがこの日は、オナガガモでした。

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 11月の特別メニュー、おでん定食を食べました。私から食べ物を取ったら何も残らないほど食べ物に執着するたちなので、何が食べられるのかがとても気になります。肉は食べないことにしているので、魚のすり身に落ち着きました。

 この後、茨城県の涸沼(ひぬま)から鳥の写真を撮っているボランティアの方からスライドを見せてもらいました。涸沼は、水戸からまた電車に乗らないといけないところだそうなので、ちょっと日帰りでというのは難しそうです。オオワシの素晴らしい写真を見て、ぜひ今度は、涸沼へ行ってみたいものだと思いました。18年くらい同じ個体が律儀に涸沼へ通ってきているのだそうですが、オオワシの寿命が20年か25年くらいといわれているので、いつまでも見られるわけではなさそうです。オオワシのピンバッジやスズガモとオオワシのイラストのついたステンレスポットや鳥の絵ハガキ10枚をお土産にもらってなんだかとっても嬉しかったです。

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 初めて来たので、ちょうど引き潮の干潟を半周してみることにしました。公園のまわりは住宅地になっていて、散策路はジョギングをしたり、犬を散歩させたり、思い思い三連休の最後の夕暮れを楽しんでいる人たちでにぎやかでした。

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 サギの大集合。ダイサギアオサギコサギ、何羽もいます。中には魚を取ったサギのそばへ近寄って魚を落とすのを待って横取りしようとするサギもいます。

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 引き潮の干潟は、入れ食いに近い常態ですから大岡川ではめったに見られない魚を捕まえるシーンを何回も見ることができました。このアオサギは、嘴で串刺しにしてから徐々に挟むようにして口の中に入れていきました。ボラかなと思いましたが、ハゼのような気もします。

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 たぶんボラです。

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 大岡川でも一度見かけましたが、たぶんアカエイ。これが大小4匹ほど泳いでいましたが、エイにはだれも手を出しませんね。

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 午前中見たセイタカシギ。オスメスでも色が違うのでしょうし、夏羽と冬羽でも色が変わるので詳しいことがわかりませんが、たぶん背中が黒いのでオスだろうと思われます。近頃では、このあたりでも繁殖するのがいるそうで、遠くへは行かない種類のシギだそうです。

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 センターへ戻ってきたら、小さいのがたくさん来ていました。去年の11月宮城県の蕪栗沼で見たハマシギです。このシギは、アラスカの方から渡ってくる冬鳥です。体長21cm、小さいけれども長い嘴を突っ込んでいるところは、やっぱりシギの仲間なんだなと思いました。

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 一羽色は似ているけれど、体型がちょっと違うのがいたので、レンジャーさんにこの写真を見てもらったら、イソシギだということでした。胸の白いところが上に食い込んだように入り込んでいるところで見分けるそうです。あの映画いそしぎの曲から想像するともう少しスリムなイメージでいましたが、冬仕様ですからダルマのように膨らんでいるのは仕方がないのかもしれません。チドリやシギの仲間は、ほとんど見たことがないので、もっと見る機会を増やさないと名前は覚えられないなと改めて思いました。

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 声はよく聞くのだけれど、なかなか写真が撮れないでいたモズです。ヨシ原のこの鉄の棒がお気に入りのようでよく止まっているのだそうです。体長20cm、こんなに小さくても肉食の鳥です。

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 午後4時、元来た道を駅の方へ帰っていく途中、夕焼けにたたずむアオサギ2羽に出会いました。同じアオサギだとはとっても思えませんが、首の長さを自在に変えることができるのです。向かい合ってどんな話をしているのでしょうか。

 三連休の最終日、ディズニーランドの帰りのお客さんと一緒に東京駅に着くと、そこは旅の思い出をたくさん詰め込んだキャリーバッグを引いた人でごった返していました。

今、ドキュメンタリー映画がおもしろい 6

台湾萬歳

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 9月に2本、10月に入って3本映画を観に行っている。伊勢佐木町界隈には、何と3つの名画座がある。どの映画館もドキュメンタリー映画をよく取り上げるのだから私にとっては危険この上ない。まあ、年齢が年齢なので、2本観る代金で3,4本観られるのだから、ささやかな特典ということにしておこう。

 

 昨日も今日もいい天気で、どこかへ出かけたくなる衝動にかられる。毎日せめて歩くくらいの運動をしないとと思うばかりで、ただ歩くのは性に合わない。そこで映画というニンジンを鼻ずらにぶら下げてはでかけることになる。

 

 前置きが長くなったが、今回の映画は、「台湾萬歳」。この映画は、酒井充子という日本の女性監督が台湾3部作の最終章として作った映画だ。前作の「台湾人生」「台湾アイデンティティ」は、残念ながら観ていない。

 

 台湾は、中国の南部からの漢民族流入により清の領土になり、日清戦争の後には、51年間日本の領土となった。戦後も中国から逃げてきた国民党の外省人と元から台湾に住んでいた本省人との間の争いと、目まぐるしい変化を経てきた。

 私が初めて戦後の台湾の歴史を知ったのは、ホウ・シャオシェン監督の映画「悲情城市」。血なまぐさい争いこそないが、今も台湾の総統選挙になると独立か中国の一部として生きるのかが必ず問われる。

 

 この映画の舞台となっているのは、台北のような大都会ではなく、南東部に位置する台東県だ。主な撮影地は、台東縣成功鎮。ここには、アミ族ブヌン族、タオ族など多様な民族が多く、漢民族とほぼ半々の割合で住んでいる。日本の統治下、原住民を強制的に労働させることで港や堤防などを作り、漢民族や日本人の移民を住まわせた。

 

 ここに住むアミ族の漁師、今は年を取ってリタイアーした漢民族の元船乗り、ブヌン族の青年の今の暮らしを追っている。

 ここでは日本の漁師が持ち込んだ「カジキの突っきん棒漁」が今も生きている。船の舳に飛び出したお立ち台の上に乗って、カジキマグロの姿を見つけ突っきん棒で仕留める漁だ。撮影中には残念ながら現場をみることができなかったが、漁港にはそれこそ大きなカジキが上がっていた。(セリでは日本円で50万円の値がついていた。)

 

 リタイアーした元漁師は、戦争中には物資を運ぶ船の機関長をやっていたという。日本語を忘れないで今でも上手に話す。沖縄の漁師と一緒に仕事をしていたので沖縄の方言もよく知っているのでびっくりした。今はもう船に乗れないので、市場に行って魚を眺め、山に入っていったところにある小さな畑で野菜を作るのが楽しみな様子。正月には家族が集まり、神様、ご先祖様に祈りをささげご馳走を囲んでにぎやかに過ごす。

 

 ブヌン族は、山の民。狩りができないと一人前の男としてみなされないのだとか。狩りをする前には、必ずご先祖様にお酒をささげ自然を敬い、自分たちの歩く道を守ってほしいと祈る。獲物は、すぐに皮を剥ぎ、内臓を出し、ご先祖様にも捧げものを忘れない。

 住む土地を追われたり労働に駆り出されたり兵隊として戦地に駆り出されたり、戦争に翻弄された人たちなのに、何があっても変わらぬものを持っている人たちに驚くばかりだ。日本人が台湾に親しみを感じるのは、かつての日本人が身に付けていた自然を敬い、ご先祖様を大事にし、家族を大切に思うそんな精神性が多く残っているからだと今回の映画からもしみじみと感じた。

 

 2011年の東日本大震災の折も、台湾から200億円を超える義援金が送られてきたそうだ。台湾でも大きな地震があったはずだが、日本からは我が事のように思って多額の義援金が送られたのだろうか。自分自身を顧みて、はたと考え込んでしまった。

 

 この映画は、来週の金曜日までシネマ・ジャック&ベティで上映。来週から「米軍が最も恐男、その名はカメジロウ」が上映される。すごく楽しみにしている。

 

 あまりの天気の良さに駅を下りてまた大岡川まで行ってみた。 

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 残念ながらホシゴイは今日はいなかったのだが、代わりにいたのはカワセミ。引き潮で魚の群れもどんどん下流に流れていくのをただ見ているだけで、ダイブは見せてはくれなかった。このカワセミは、色も鮮やかなオスである。太陽の光にあたるとカワセミの背中のブルーが輝き出す。カワセミも今日の陽気に誘われたに違いない。

 

大岡川のホシゴイ

 今日は、スポーツセンターへ行った帰りに大岡川を覗いてみました。

 去年行った宮城県の伊豆沼からは、すでに9月14日にマガンが渡ってきたと聞いています。近頃は北風が吹き気温が下がってくると、北の国から渡り鳥がやってきているんじゃないかと気になるようになりました。しかし、残念ながらユリカモメすら渡って来てはいませんでした。まだまだ横浜までは時間がかかりそうです。

 午前中は雨が降っていたのでハトやカラスさえもどこかで雨宿りをしているのか姿が見えません。それでもいつものカワセミポイントの木を覗くと、茶色くて白い点々模様のふっくらした鳥が枝に止まっているのを見つけることができました。

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 たぶん、ホシゴイです。

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 こちら側からはこれ以上見られないので、対岸へ回ってみると、ちゃんと顔まで見ることができました。横顔は、サギの仲間としては、何となくかわいげがあります。

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 首を縮めているのでずんぐりしていますが、毛づくろいの時はちゃんと首が後ろへも回せるくらいなんです。体が固くなってきた私からすると、柔軟な体でうらやましい感じがします。

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 雨がほとんど上がってきたと思ったら、もう一羽姿を現しました。下のこんもりとしたところから出てきたのです。

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 (もう一羽いたんだ)と思ったとたん、こちら側へ飛んできました。広いところへ出てきてくれないかと思ったら、石を伝って歩きはじめました。

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 石の上に立ってからは、じっと川面を見つめて動こうとはしません。私もじっと待っていましたが、こちらが先に焦れて立ち去ってしまったので、この後のことはわかりません。

 大岡川には、秋になって魚(ボラ)がたくさん上がって来ています。体をくねらせながら銀色のお腹を見せたり、空中に飛び上がったりしてなかなかにぎやかです。それがお目当てだったのだと思います。でも、20cm以上はある大きな魚で、ホシゴイのそばの浅瀬には近寄ってこなかったので、捕まえるのは結構たいへんそうです。

  実は、9月の末にもここを通りかかった時に、二羽のホシゴイを見ているのでこの子たちは、ここをねぐらにしているのかもしれないなと思っています。

 ゴイサギは、夜行性なので昼間はじっとしているはずなのでしょうが、降り続いた雨がようやく上がってお腹がすいていたのかもしれません。

 ホシゴイは、漢字を充てると「星五位」だそうです。親は、ゴイサギ五位鷺」さま。天皇から五位を授かった高貴なお方なんですが、紺色と白の親の色合いとはずいぶんと違うので驚きます。見つかりにくくするために茶色の羽なのでしょうが、3年はこの色のまま。色変りをするところを見てみたいものだと常々思っています。

 

初秋の信州 ハイキング2

 翌日は、朝から曇っていてあまり良い天気ではありませんでしたが

早く行けば雨に降られることもないかと思い美ヶ原まで行きました。

 宿から美ヶ原の駐車場まで20キロくらいです。

 高原美術館のそばを通って木道を歩くこと15分くらいで牛伏山へ到着です。

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 心配していた眺望もまあまあで、北アルプスの山並みが雲の上に

しっかりと見えました。

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 美ヶ原はもともと2000m位の台地のようなところなので、

起伏があるといっても前日の湯の丸山のような高低差はありません。

 誰でも歩けるハイキングコースなんですが、私にはこのわずかな起伏でさえも

膝に応えるので馬鹿にはできません。

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 そう、こんな感じのところをてくてくと歩いて行きます。

 

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 広い牧場がずっと続いています。

 途中の牧場では、ソフトクリームも食べられますが、

この日は、曇っているうえに風も結構吹いていてとても寒くて

そんな気分にはなれません。

 ここは標高が高く、吹きっさらしという感じですから、

ゴアテックスのレインコートを持ってきて正解でした。

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 JRのポスターにもよく登場する美しの塔です。

 霧に包まれると何にも見えないので、

この塔にある鐘をならしてこの場所を知らせる役目があるのだそうです。

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 さあ、ここから王ヶ頭まで歩きます。

 登山道は、ここからいったん下り、細い山道になります。

 ようやく山らしくなってきました。

 アルプス展望コースという名前がついているだけあって

ずっと北アルプスの眺望が続きます。

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 友人は、若い時に登山の経験が豊富なので、姿を見ただけで、

五竜岳、前穂高、奥穂、北穂、槍・・・」

 と、すらすらと出てくるけれども

私は、あの三角のとがった槍ヶ岳しかわかりませんでした。 

 下に見える街並みは、松本市街地です。

 

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 槍ヶ岳は、ズームすると恐ろしく尖っていて最後の登りは、鎖を伝っていくにしても

たいへんなんだろうなと思うばかりでした。

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 南側を見ると、ぼやけていましたが湖らしきものが見つかりました。

 おそらく諏訪湖、街並みは、下諏訪か岡谷あたりでしょうか。

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 ここは、烏帽子岩といわれるところです。

 この岩が崖にせり出していて、怖くて一番先に立つことはできませんでした。

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 通り過ぎてから見ると、やはり上が下より張り出しているので、

烏帽子岩という名前がついてのだとよくわかりました。

 ここから、また少し登って、電波塔がたくさん建っている王ヶ頭をめざします。

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 王ヶ頭の頂上です。一応美ヶ原では、一番高く2034m。

 この山の上には、部屋の窓から眺望が楽しめるだろう素敵なホテル、

それに長野県の主なラジオ局やテレビ局などの送信所があって、

アンテナが何本も立っています。

 先を見ると、やはりアンテナが立っている王ヶ鼻が見えます。

 (見苦しい写真ですみません。ちょっと寒いとレンズのふたがしっかりあかなくて)

 そろそろ帰ろうかと歩いていると、キジくらいの鳥に出逢いました。

 キジかなヤマドリかな・・と知った名前が浮かびますが、

決め手がみつかりません。

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 ようく見ようと思ったら、道の脇の草むらへ入って隠れてしまいました。

 体を低くしてそうっと、近づいてとりあえず写真を撮ってみました。

 大きいのが一羽と小さいのが2羽いたので、親子だろうなと思いました。

 うちに帰って調べてみましたが、これは、もしかしたら雷鳥かなと

思っています。 

 雷鳥だったら、初めて見たことになります。

 ちょっと嬉しいのですが、ぬか喜びかもしれません。

 まさかこんなところで、氷河期の生き残りに出会えるなんて!

 膝が少々痛くても来た甲斐があったというものです。

 

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 帰りは、やっぱり一段と雲が出て時々山全体を覆ってまわりが見えなくなったり

雲が下からどんどん湧いてくるような感じで寒くなりました。

 ここで、写真を撮ろうとしたときに、砂利をかかと辺りで踏んでバランスを崩し

しりもちをつきました。(いまだに膝の裏側に違和感あり)

 山は下山が大事だといいますが、まさかこんな平らなところでころぶなんて

やっぱり油断があったのでしょうか。それとも柔軟性がなくなったからでしょうか。

 

 初めての美ヶ原、こんなに人が少ない時期に来られ、

北アルプスのパノラマや、雷鳥?まで見られるなんて、

やっぱり今回の旅は付いていたのだと思いました。

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 翌日は、夜半の雨も止み、霧に覆われたちょっとロマンチックな朝でした。

 赤く色づいたナナカマド、黄色く色づき始めた白樺に

秋の深まりを感じながら帰途につきました。

 

初秋の信州 ハイキング1

 すっかり空気が入れ替わって、さわやかになりました。

 それでも、昼間はミンミンゼミがまだ声高らかに独唱し、

ツクツクボウシが軽やかに輪唱をしているまだまだ夏が居残る9月です。

 

 先週の20日から23日に友人に誘われ信州へ行ってきました。

 宿泊は、標高1500m近い山の中でしたので、日中はともかくとして、

夜は、こちらで考えているよりもずっと冷え込んでストーブを焚きました。

 行った日は、到着してしばらく風を通していなかったので窓を全開にして

二人で掃除機を動かし、雑巾がけに忙しく立ち働きました。

 別荘は、到着時と出発時にしっかりと掃除をしなくてはならないのがたいへんで、

持つのも善し悪しだと思うわけです。( 別荘を持つ身にはなれませんが・・・)

 

 翌21日は、朝から白樺の梢に青空が広がり天気も上々。

 本当は、美ヶ原へ行くつもりでしたが、管理事務所によって話を聞くうちに

方向転換して湯の丸高原に行くことにしました。

 

 ここから突然湯の丸高原です。

 湯の丸高原は、東御市、すぐ隣は群馬県嬬恋村というところに位置し、

冬はスキー場、春は赤いレンゲツツジの名所です。

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 ここまで、ゲレンデの駐車場から30分くらい登ります。

 目指すは、左に見える丸い山、これが湯の丸山です。

 この高原は、高山植物の宝庫でもあるといわれ、初夏から8月いっぱいくらいまでは

様々な花が目を楽しませてくれることが後からわかりました。

 9月下旬になっても残っていた花々です。

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 ノコンギク                ノアザミ

 

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 アキノキリンソウ             シラタマノキ

 

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 ワレモコウ                マツムシソウ

 

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 ウスユキソウ



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 何といっても今を代表する旬の花は、このオヤマアザミ。リンドウの間違いです。

 鮮やかな紫の花は花が少ない今の時期に一番輝いていた花です。

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 もう一つ旬の花は、イワインチン。

 麓の方には見当たらず、間もなく山の頂上というあたりから

咲いているのを見つけることができました。

 初めて名前を知った花です。

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 湯の丸山の頂上です。

 頂上は、石がゴロゴロしていますが平らで広く、ゆっくりお弁当も広げれますが、

私たちは、エネルギーが枯渇していたので、途中で食べてしまいました。

 東側の後ろに見えるのは、浅間山

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 ズームしてみると、わずかに白い煙が見えるような気がしました。

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 エネルギーチャージをした辺りから見えていた富士山です。

 今回はあちこちで富士山や南アルプスの山々を見つけることができたので、

 「二人ともなんと幸運なんでしょう。きっと心がけが良かったんだね。」

と自分たちをほめちぎっておりました。

 いよいよ問題の下山です。

 下山で目に入るのは、紅葉です。

 

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 花が見えないので、判断しかねますが、きっとヤナギランの草紅葉でしょう。

 もはや紅葉が始まっていました。

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 これは、たぶんハクサンフウロの草紅葉でしょう。

 一段と赤く色づいています。

 麓の方のハクサンフウロは、まだ少しピンクの花を残していました。
 

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 ススキです。

 うちの方のススキは、もう穂が開いていますが、ここのは空をすっくと

突き刺しているようです。

 

 私は、膝が悪いので、登りはともかくとして下りは必ず膝が痛くなるので

どうなるかすごく心配していました。

 おまけに山道の補修工事をしていたので、

急なゲレンデの斜面を下っていかなくてはならなかったのが結構つらかったのです。

 

 今回は、標高差300mから400mくらいだったと思うのですが、

これくらいなら何とかなるなと思いましたが、膝は決してよくはならないのです。

 それでも久しぶりの山歩きで自然の移ろいを直に感じられるって

本当に素敵なことだと思いました。

 (続く)

 

 

今、ドキュメンタリー映画がおもしろい 5

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 昨日観た映画だ。今回は、いつもの Jack and Betty.

   水曜日は、レディースデーなので、あまり行かないようにしているが、

今週1週間だけの上映だというので混んでいることは予想できたがいってみた。

 予想通り、狭い館内はごった返していた。

 

 このお二人のうち、笹本恒子さんは、2年くらい前に横浜の情報文化センターで

写真展があったので、お名前と日本で初めての女性報道写真家ということは

知っていた。

 むのたけじさんのことは、お名前だけで文章を拝見したことがない。

 

 映画は、2014年にまもなく100才を迎えるお二人が出会うシーンから始まる。

 出会いの時に、笹本さんは、むのさんに自分が持ってきた赤いバラのブーケから

一輪をむのさんの背広の胸ポケットにさす。

 むのさんは、「一番好きな色のバラだ、赤は命の色だから。」

と、言って満面の笑みを浮かべる。

 

 むのさんは、秋田の貧しい農家に生まれ、農家の仕事だけでは食べられないので

両親は、あちこちの家々から荷物を運ぶ仕事を引き受け、

その手間賃でやっと暮らしていたという。

 子どもながらに世の中の不公平さを実感していたことが

彼の生き方のベースにあったのではないだろうか。

 

 やがて苦労して大学に進学し、新聞社に勤め、戦地にも赴く。

 昭和20年の敗戦を迎え、彼は、戦争の真実を伝えられなかったことを悔やみ、

8月15日に新聞社を辞める。

 秋田に帰り、小さな週刊新聞「たいまつ」を立ち上げる。

 地方の小さな新聞は、30年続いたと聞いた。

 

 「自分を大切にしなさい。」「意見が違う人と話し合いなさい。」

 「命がけでやりなさい。そうすればきっと力が沸き上がってくるはずだ。」

 と、若い人に語り掛けている言葉が力強い。

  それは、1世紀を生きてきた彼の生きざまから出てきた言葉だからだ。

 

 笹本さんは、東京生まれで、はじめは絵の勉強をしていたが、

ある写真家から進められて日本初の女性報道写真家となる。

 彼女は、1940年の日独伊三国同盟の大使夫人たちの祝賀会の写真も撮っている。

 そんな昔のことも知っている彼女だが、

 女性という視点での活躍が目立つ現役の写真家でもある。

 

 笹本さんは、100才を越えているとは思えない若々しさで

化粧も洋服の着こなしも素敵、マニュキュアもされているのにはかなり驚いた。

 大腿骨骨折以来、車いすの移動を余儀なくされているようだが、

写真家としての意欲は十分でまさに進行形の彼女だ。

 

 とにかく今の世の中おかしいことだらけで、このままだと変なことにならないかと

そんなことばかり考えて悲観的になっていくことも多いが、

昨日の映画を観て久々に気持ちが晴れやかになった。

 わたしにもあと30年くらい時間があるかもしれない。

 

 監督は、河邑厚徳氏。

 私は、この方の「天のしずく 辰巳芳子 いのちのスープ」を観たことがある。

 

 この映画は、明日で終了予定。

 神奈川県では、10月に入ってから厚木と逗子で予定されている。