海の日”日本丸の総帆展帆”

 

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 トウショウレイ                   総帆展帆と満船飾

 今日は、海の日です。年に何回か日本丸の総帆展帆が行われますが、海の日は特別の日なので、国際信号旗を全部飾る満船飾(満艦飾)も行われます。

 総帆展帆を行うのは、希望した市民ボランティアの人たち一回100名(実際は2000名くらいいる)がこの3本のマストに上り、自分の持ち場の帆を広げたり、たたんだりします。この日のために12回くらい訓練を受けるそうです。

 午前十時半、それぞれの持ち場に上ります。女性もいれば、学生やちょっと体型にふくらみが出てきている男性もいます。今日は、快晴でしたが、風が強く、マストの上は風にあおられ揺れていました。縄梯子を上っていく姿を見ていると、こちらの足がふるえるようです。持ち場に着いたところで、船首に陣取った女性が「海の日 おめでとう」と大声で言います。その声の後、みんなが胸に黄色い帽子をあてて声をそろえて「おめでとう」といいます。3回繰り返します。たった1回じゃもったいないですよね。これをトウショウレイ(難しい漢字で書けません)というのだそうです。背筋がぴーんと伸びた美しい姿に、見ている人たちから自ずと拍手が生まれます。かっこいいというのはこういうところで使いたいなと思います。

 次にその持ち場のロープを解きにかかります。全部で帆は29枚。全員が縄を解いて降りてくると、「ワッショイ、ワッショイ」と掛け声をかけながら帆につながったロープをひっぱって帆を張っていきます。真ん中、その上、・・・・と順番に帆を張ること40分。ようやく全部の帆が風をはらみます。

 全ての仕事が終わった時、船の甲板に整列して、敬礼。そして、ロープに結んだ信号旗をロープで船首から船尾にかけて一番高いところを通して飾りました。

 日本丸は、1930年全国の商船学校の訓練船として使われ、54年間活躍して引退。それ以降この横浜の第一ドックに係留されているそうです。”太平洋の白鳥”といわれていたそうで、帆を広げた姿は美しいです。

 帆を張ったところは前にも見たことがありましたが、こうやって最初から最後まで見させてもらうのは初めてです。帆船の作業は、何本も交錯したロープを、手を使って進めていきます。その作業を目の当たりにして、緊張感を伴う難しい仕事だと思いました。実際は、海の上で波に揺られ、風に煽られながらこの作業をしたのでしょうから、さぞ大変だっただろうと想いました。命と隣り合わせの仕事は、乗組員全員が心を合わせてこそできるのだというすばらしい感動を味わわせてもらった海の日でした。

 総帆展帆は、8月26日(10:30~11:30)にもあるようです。