妙高高原の初夏 その3

 

 ウシたちの背中には何やら書いてあると思って写真を撮ったら、三四と書いてありま

した。名前ではなく番号で管理されているようです。

 草地を抜けると林に入って行きます。

 牧場のちょうど中ほどに「宇棚の清水」という水が湧くところがありました。

 年間を通じて豊かな水量を誇り「平成の水百選」に選ばれている清水だそうです。

 ここで一休み。

 

 休暇村のお兄さんが用意してくれていた紙コップに湧き水を入れて飲みました。本当

に美味しい水です。持っていたペットボトルにも水を入れました。

 妙高、火打、黒姫など名だたる山の恵みを集めた水が透き通った音を立てながら流れ

下って行きます。水の音を聞いているだけで心地よくなるのはなんででしょうか。

 小川に沿ったところに赤いクリンソウが咲いていました。緑の中にひと際赤く目

立っています。

 今日のお弁当の予定の「清水が池」までもう一息です。

 「清水が池」に到着です。池の周りには、レンゲツツジが植わっていました。

 赤いのも、黄色いのもあります。

 天気がいいと青い空を背景にした妙高山の姿が池の水に映るそうですが、曇っていて

鏡池のようにはならなかったのは残念です。

 お昼は、休暇村で作ってくれた名物の「笹寿司」でした

 クマザサの上にすし飯をのせタケノコ、赤紫蘇、野沢菜、ワラビ、チリメンザンショ

をのせたこの地域のローカルフードです。おにぎりかと思っていたので予想を裏切って

くれて嬉しかったです。

 

 

 この後は、ドイツトウヒの森に入ります。写真はこれしかありません。およそ60ha

の土地に約一万本のドイツトウヒが育っています。この日も私たちだけでしたが、薄暗

いので一人で歩くのは怖いような気がします。

 松ぼっくりは長さが15‘㎝もあろうかというほど大きくてクリスマスの飾りに使える

ような立派なものです。

 ここでガイドさんが「この木はヨーロッパで何に使われてきたか」というクイズを出

しましたが、この木は有名なバイオリニストが使うようなバイオリンに使われてきた木

だそうです。

 

 どうも私は下向き傾向があるようで、ドイツトウヒの写真はちゃんと撮っていないの

に、陽の光が届かないような林床に咲く可憐な花に目が行っていました。

 

 この白い小さな花は、「タニギキョウ」と言います。ほんの5㎜位の花です。小さな

昆虫がちゃんと蜜を吸いに来てくれていますね。

 

 次の植物は葉っぱがないので光合成せず土の中の菌類から栄養をもらっている腐生植 

物で「ギンリョウソウ」と言います。薄暗いところに出てくることもあって、ユウレイ

ダケなどというあだ名もついています。

 およそ4時間くらいの行程で案内をしてくださったガイドさんの話は、植物の名前だ

けでなく歴史にも触れ、太平洋側と日本海側の植生の違いも気づかせてくれてすごく楽

しいハイキングになりました。

 すぐにメモを取ったりしていなかったので、写真はあってもこれは何だっけ?という

のがまだたくさん残っていました。

 豊かな森や気持ちの良い草地を歩くのはそれだけで生き返るようです。