8月は、ほとんど予定がないはずだったのに、週二日だけ働き始めた友人がお盆の間だけ休みが取れたというので、急に3人で信州の上田市近郊へ行くことになった。今年で3年目になる。今回は、台風が近づき天候は不安定、しかも3泊4日と言ってもお盆期間と重なっていたので、高速の混雑を避けて往きは午後出発、帰りは午前中に出発という日程だったので、行ったのは海野宿と湯の丸高原にある池の平湿原だけだった。
池の平湿原は、昨年の9月に行った湯の丸高原の駐車場からさらに車で10分くらい登ったところにある。高山植物の宝庫と聞いていたので前々からぜひ行きたいと思っていたところだ。と言っても、私だけが思っていただけで、今回は山登りをする予定でなかった。運動靴は履いていたものの山へ行く準備はしていなかったが、それでも十分歩けるところだった。
駐車場を出てなだらかな坂を20分ばかり歩くと、前がパーッと開けて思っていたより早く湿原に出ることができた。
湯の丸高原へ上ってくる途中雲が出てきたので、雨が降らなければいいと思っていたが多少雲が流れていたものの心配するほどのこともなかった。
ここは、標高約2000m。浅間山も近いので、火山活動の中でできた地形らしい。車で簡単に来てしまっていいのかと思うほど雰囲気のある湿原だ。
赤い帽子をかぶっている子どもたちが休んでいるところがグリーン広場。私たちもここでお昼にすることにした。来る途中の道の駅で買ったお焼きとカレーパン。クルミ味噌の入ったお焼きがとても美味しかった。
天気も心配だったので、木道が囲む遊歩道を一周するルートにすることにした。
木道に沿って咲くノアザミがお祭りのぼんぼりのように色鮮やかだ。
黄色の花は、マルバタケブキ。ノアザミとの共演で華やかさを増す。
夏の終わりはやっぱりヤナギラン。やわらかいピンクの花が初々しい。ここではワレモコウがそこはかとなくやってきている秋を知らせている。
木道をまっすぐに進んで右に曲がったあたりに池があった。鏡池という名前だ。この池の辺りだけは水がある。ワタスゲがないかと探してみたが、見当たらなかった。下山した際にビジターセンターへ寄って聞いてみたら、この辺にはワタスゲより小さなサギスゲが自生しているのだと教えてもらった。
木道を左に曲がってちょうど半周した辺りはそこだけ山が切れていた。 放開口と呼ばれているところだ。麓にあたる東御市や小諸市などが見渡せる。まだ明るい空も見えているので雨は降りそうにもない。
池の平湿原で見たそのほかの植物たち
シャジクソウ
イブキジャコウソウ
ウスユキソウ
エゾスズラン
戻る道々ご夫婦でカメラを向けている植物があったのでそばに行って「何を撮られているのですか?」と図々しくたずねてみた。まわりが笹の葉でパッと見てどれが被写体なのかはっきりわからない。(*ぼけた写真でもっとわけがわからなくてすみません。)私は、茅ヶ崎の松林の中で見た「ハマカキラン」に似ているのでランの仲間かと思ったら、「エゾスズランですよ。」とのこと。
目が慣れてくると、歩いている道のあっちこっちにこの目立たない緑の花をつけたエゾスズランがすっくと立っているではありませんか。ちょうど花をつけた時期だったのが幸いしその場でざっと10本ほど見つけることができた。
エゾと付くから北海道のような寒い地方だけに生えているのかと思ったら、日本全国の亜高山帯の林の下に生育しているのだそうである。調べてみるとラン科カキラン属だとわかったので、私の予想は全く外れていたわけではなかった。検索をかけると、高尾山にも生育しているとのこと。標高約600mの高尾山、亜高山でもないのに高尾山は植物の宝庫と言われるのもうなずけた。
今年の夏は、山へ行くことが多かったので、高山植物の名前をたくさん覚える機会をもらった気がする。こうして名前を調べてブログに上げるのが私の脳トレになっているのかもしれない。