妙高高原の初夏 その2

 2日目、宿の窓からの妙高山。雲が多いとはいえ晴れです。

 ここは、冬はゲレンデになるところです。

 

 この日は休暇村が主催するガイド付きのハイキングの日、前日までの申込制でしたの

で、雨だったらいやだなと思っていましたが、そんな心配もなく出発できました。

 

 休暇村から山道を横断して赤倉温泉、池の平温泉、杉之原温泉と南西の方向へ進み、

そこから高度を上げ、約50分くらいで出発地笹ヶ峰牧場へ到着します。そこまでは宿

のマイクロバスで送ってくれます。

 

 宿のお兄さんと今日のガイドさん、それに参加者6名、総勢8名です。私たちも高齢

者ですが、全員が同じ年ごろですので安心しました。

 笹ヶ峰牧場は、標高1300mくらいのなだらかな平原ですのでいろんな利用法が考

えられたようです。江戸時代、木地師が入植しましたが20年余りで撤退、次にジャガ

イモの栽培のため開拓されましたが、ジャガイモに病気が出て全滅、明治時代に入り牧

場として利用されるようになり今日に至っています。

 

木地師開拓の碑

 この辺りは冬は豪雪地帯ですので、生活をするのは筆舌にしがたい苦労があるのだろ

うと想像できました。

 牛の放牧も5月から11月くらいまでしかできません。その代わり夏は、湿気も少な

く快適な気候のようで温暖化が進む今日、牛がうらやましく思います。

 6月に入るとこの辺りは黄色いウマノアシガタキンポウゲ科が一面に咲くと

聞いていましたが、日当たりのよい草地に群生していました。ちょっと光沢のある花弁

をきらめかせて草地を彩っています。

 

 花が咲く草本の方に目が行きがちですが、ガイドさんは森の成り立ちにも目が向くよ

うに木本の方も詳しく案内してくれました。

 日本海側には、この木が多いそうです。ミズナラの木です。地上1mの幹回りが

3m以上の木を巨木と呼ぶそうで、このミズナラもおそらく巨木ではないかと思われま

す。大きな木は見ていると圧倒されます。たくさんのドングリを実らせてクマがふもと

まで下りてこないように願いたくなります。

 これも日本海側に多いタニウツギ。別名カジバナとも呼ばれるそうです。関東近

辺ではこれと似たウツギで、ハコネウツギというのがありますが、それは花の色が変化

します。

 モミジに種が出来ています。気が付きませんでしたが、この種の付き方はやはり日本

海側のものだそうです。太平洋側のモミジは葉の上に、日本海側のタネは、葉の下側に

ついているのだと教えてもらいました。

 

 たった林の中の何本かの木についても、日本海側の植生と太平洋側の植生がだいぶ異

なっていることを教えてもらいました。植物観察というのは、始まって1時間くらいで

も奥が深いなと気づかされました。

 

 初見の植物

 「クルマムグラ」です。似た花でクルマバソウというのがあります。車輪のような6

枚の葉が特徴のかわいい花で、初見です。休暇村のお兄さんが葉っぱの数を数えて同定

してくれたので覚えました。

 同じく初見の花で「ベニバナイチヤクソウ」。イチヤクソウは、ふつうは白い花です

が、ピンク色の花でした。ここには2,3本しか生えてませんでしたが、別のところに

もっとたくさん群生しているところも見つけました。

 

 この続きは次回に。