高尾山桜日和その2

高尾山頂上の桜

 精進料理をいただいた後、薬王院の裏手から長い階段を上って頂上を目指しました。 

 頂上に咲く桜の間から見える空がこの日はとても青く感じられました。天気の良い日

の頂上は人、人、人で埋まっていてお弁当を食べる隙間もないのに、この日は人に酔う

ことがありませんでした。

ミミガタテンナンショウ

 ビジターセンターを覗いて、今頃咲いている植物の名前や場所を聞いてから下山する

ことにしました。

 まず、ミミガタテンナンショウ。

 これは、すでに上ってくるときに見つけていました。同じ仲間のマムシグサやウラシ

マソウやムサシアブミはこれまで見てきましたが、このミミガタテンナンショウを、意

識して見たのは初めてです。友人のおかげで知りました。

 苞の口の左右に耳たぶのようにつまめるところがあるのがお判りでしょうか。角度が

悪くて左側しか写っていませんが、ちょっととがったところがミミといわれるところで

す。

 この時期の高尾山のテンナンショウ属はほぼこのミミガタテンナンショウだと思いま

す。ちょっと薄気味悪いこの仲間ですが、ミミがあるだけで近寄って触りたくなりま

す。

 ほかにのぼりですでに見つけていたのは、

ヒトリシズカ

 写真には、野イチゴの白い花も写っていますが、ブラシのような白い穂状の花がヒト

リシズカです。フタリシズカとかそれ以上花がつくサンニンシズカ、いえ名前があるの

フタリシズカまでで、あとはヤカマシイという呼び名がぴったりです。

エイザンスミレ

 高尾山は、スミレの宝庫と言われていますが、この日も上を見上げれば桜、下を見れ

ばスミレと、歩く道の両側をうす紫のかたまりが彩っていました。一番多いのはタチツ

ボスミレでしたが、中には葉っぱに深い切れ込みがあるエイザンスミレが咲いていまし

た。

ナガバノスミレサイシン

 下を向いて咲いているので、花がよく見えませんがナガバノスミレサイシン。

 この細長ーい葉に特徴があります。スミレも思いのほか種類が多く、名前の判別は専

門的に始終見ていないと難しいです。

ヤマルリソウ

  参道の途中に階段の男坂となだらかな道の女坂に分かれるところがあります。

  このヤマルリソウを見たのは男坂の方だったと記憶していましたが、ビジターセン

ターで確かめたところやはりそうだったので、下りは意識的に男坂を通ってみました。

 参道の左側に薄いブルーの五弁のかわいらしい花が結構咲いているのを見つけまし

た。桜とスミレに続いてこの花も今が盛りでした。

ツクバキンモンソウ

 この花の写真をビジターセンターで見たときは、キランソウだと思っていました。

キランソウでしょ?」と聞いたら、係の方も図鑑を見てくれて、「ツクバキンモンソ

」だと教えてくれました。初めて聞く名前でした。キランソウは、もっと花色が濃い

紫なんです。ちょうどヤマルリソウが咲いている辺りに咲いていたので、今回初めて見

つけることができました。

 鳥でもなんでも初見というのは嬉しいものです。

 植物に興味がない方には、こんなブログを読むのも退屈でしょうが、この日一緒に行

った人たちは、6人とも植物に関心があり特に野草に詳しい人もいるので 見つけて

は名前を探りながらわいわい歩けるので全員が退屈しないのです。

 

 最後は、やはり花よりだんご。

 ケーブルの駅の横の店で天狗焼きというのを買えなかったので、麓に降りてから、老

舗の和菓子屋さんに寄って「大杉饅頭」というのを買ってみました。杉の大木を模した

ごつごつ感のある長さが15㎝くらいの柱状のまんじゅうで、3つに分ければちょうど一

人分の大きさになります。何回も高尾山に来ていながら、お土産なんて買ったことがな

かったので、これも初見でしたから嬉しかったのです。(写真はありません)