この映画は、エストニアのイルマル・ラーグという新鋭の監督の作品。
監督のお母さんの実話を基にした映画だそうだ。
私も、ヨーロッパ旅行の一番初めは、パリだったが、なぜか女性はこのパリに憧れを持つようだ。
颯爽とパリの街を歩くアンヌは、祖国はエストニアであるが、若い頃パリに憧れ、大学でフランス語を学んだことがあった。
そのアンヌ、結婚、離婚、子育てと母の看病、そして母を看取り、人生半ばにして虚脱状態でいるときに、パリでの家政婦の職を斡旋され、思い切ってパリへ旅立つ。
パリの金持ちの老婦人フリーダ役は、85歳となるジャンヌ・モロー。
雇い主は、ステファンというカフェを経営する男性。
実は、フリーダもステファンもエストニアからフランスへやってきたのだ。この辺もこの話に深みを与えている。
フリーダは、自分では何もしないので、心配して家政婦をつけるのだが、フリーダは、自分が頼んだのでもないのに家政婦が来ることを素直に認めない。
それで、家政婦のアンヌに対しても何とか追い返そうとして難癖をつける。
アンヌとフリーダの掛け合いは、実話が元になっているせいか、いやにリアルである。
ジャンヌ・モローとエストニアの女優ライネ・マギの共演と、もう一つは、アンヌが夜な夜な歩くパリの街。観光で訪れただけでは見られないパリが見られる。
この映画、お客さんがたくさん入っているので驚いた。
10月25日までJack&Bettyで上映予定。