地球上の生き物たちはこれから無事生きて行けるのだろうか‥‥
映像の力強さもあり、インパクトのあるドキュメンタリー映画です。
私たちが毎日口にする野菜や果物の三分の一は、
ミツバチによって受粉されているのだそうです。
そのミツバチが現在大量に死んだり、失踪したりする現象が世界中で起きています。
この映画を見た日に、ちょうど神奈川県の三浦半島や鎌倉で養蜂しているミツバチが
巣箱へ戻ってこないというニュースが流れていて、
これは、世界のどこかの出来事ではなくこの近くでも起きていることなんだと
見過ごせない事実として再認識しました。
知人の話では、日本ミツバチの数が急激に減っているそうです。
ミツバチは、危険なことがあると、仲間に知らせる能力もあり、
自分の巣箱へ迷子になって帰れないなどということは決してない
帰巣本能の強い昆虫だそうですから、
何か危険を察知して戻らないというのが普通の考え方だそうです。
このミツバチの大量の死や失踪の原因を解明するために、
アメリカ、ドイツ、中国、オーストラリアなど世界各地を取材し、
その実情を紡ぎ出しています。
このドキュメンタリーを、優れた映画たらしめているのは、
普段は覗けない巣箱の中で、女王蜂の誕生、いろんな情報を知らせるために踊る ミ
ツバチのダンス、飛行中に行われる女王蜂の交尾 と 生命の根源に迫る数々の映像
を写し撮っているからです。
スイスのイムホーフ監督は、
祖父の代からミツバチに親しんできたからこそ撮れた映像であり、
蜂と一緒に飛行するミニヘリコプターだの
無人偵察機などが使われ可能になった映像でもあるのです。
人間の活動が、地球の多様な生物の命のみならず、
人間自らの存在をもおびやかしているという深刻でもあり、
滑稽な現実です。
このままミツバチが減り続け、ある日パタッといなくなる日を想像するだけで
とても怖いことになりそうな気がしました。
(この映画は、ジャック&ベティではもう終わってしまっています。)