今日、上映最終日の映画を2本見てきた。
1本目は、「いしぶみ」。
是枝裕和監督が撮った朗読とインタビューで構成した映画だ。
綾瀬はるかがこの朗読を担当した。
なぜ、綾瀬はるかのような今をときめく女優さんが・・・と思ったら、
(私は、世間に疎いので名前と化粧品のポスターの写真でしか知らない。)
彼女は、広島出身なのだとか。
1969年広島テレビで放送された杉村春子を語り部として制作されたものを
戦後70年を迎えて現代に浮かび上がらせようという試みで作られたとか。
語りは、1945年8月6日、その日の日の出は午前5時23分だった・・・から始まる。
その日、旧制広島二中の一年生は、建物の解体作業に動員されたのである。
爆心地から500m位離れていた本川の土手に集合、点呼が終わった頃
逃げる時間もなければ、隠れるところとてない。
その場で命はてたもの、川に飛び込み流されていったもの、
けがをしながらもうちを探して帰ろうとしたもの・・・、
遺族の証言、生き残ったほんのわずかな人など、
旧制広島二中の321名に限った原爆の日の出来事を一つ一つ拾い上げている。
この本川の「いしぶみ」のことは知らなかった。
戦後70年過ぎて、この時12歳だった人たちは、82,3歳となられている。
忘れられていく戦争の記憶を意識的に伝え次いで行かなくては
いつ、どこで、どれくらいの人が亡くなったかなど、
戦争は、総括的にしか残っていかない。
本当は、それぞれの子どもや親がどんな思いをしたのかが大事だ。
そのことを伝えなくてはいけないんだと
強く強く心に刻む機会となった。
そういう意味で、若い女優さんを起用した、
この朗読劇を作った意味があったような気がする。