ここは、横浜の新港埠頭。
主に、海上保安庁の船がたくさん停泊する港ですが、
この日は、右側に停泊中のヨット「タラ号」が出港するというので、
それを見たくて出かけてきたのです。
このタラ号は、国や企業からのサポートを受けたフランスの科学探査船です。
2006年から海域とテーマを設定した探査を続けているそうです。
これは、タラ号の2007年から2008年にかけてのプロジェクト
北極気候システムの中心への旅の中の写真ポスターです。
この「タラ号」は、アルミでできているので、軽い、海水に浸かっても錆びない、
そして、北極の氷の間に挟まれてもつぶれない船だそうです。
オリーブの種を出す時に親指とひとさし指で実を押し出すイメージで
船体が作られたと説明がされていたのが、印象に残っています。
きっと食べ物に例えられたのでピーンときたのだと思います。
2本のマストは27mととても高く、2本が同じ高さという特徴があるスクーナー船。
船体が小さいのに、なんだかあまりにマストが高くて、不安定な感じを受けます。
2016年から2018年にかけての今回の航海は、
太平洋地域の気候温暖化とサンゴ礁の生物多様性を解き明かすためのプロジェクト。
昨年、フランスのロリアンを出港して、パナマ運河を通り太平洋地域を回り、
2月から4月のかけて日本を回る予定だそうです。
詳しくは、下記をご覧ください。
ヨットを見ていたら、黒い鳥が一羽泳ぎ回っているのを見つけました。
いつもひょこひょこと首を前後に動かしてのんびりした雰囲気を漂わせます。
午後2時、汽笛を3回鳴らして予定通りの出港です。
見送る人も、見送られる人も、手を振ってお別れです。
船の別れは、いつもセンチメンタルな気持ちになります。
この日は、マストに帆が上がるのだろうと期待していたのですが、
出港前に聞いたところ、横浜港内は、航行する船が多いので
進路が不安定なヨットは、帆を張ってはいけない決まりがあるのだそうです。
目の前が海上保安庁ですから、なおさら張るわけにはいかないのです。
方向転換して、ベイブリッジへと向かう「タラ号」です。
今日は、次の寄港地東京へ行くので、出港前に
「すぐですね。」
と、言ったら、
「時速10㎞くらいなので、4時間かかるんですよ。」
と、答えが返ってきました。
興味がある方は、あと一週間くらい東京港で見られます。